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第91回 ニュージーランド永住権への道は緩和されるのか?

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第91回コラムタイトル: ニュージーランド永住権への道は緩和されるのか?

もっと魅力的な移民政策が出ることを期待していたのですが。

次期政権の移民政策に期待出来るのだろうか?

今週土曜日19時に締め切りを迎えるニュージーランドの国政選挙ですが、私、未だ投票出来ずにいます。条件は若干異なるものの、長期のParent, Grandparent visaについては、Labour, National両党が公約に掲げています(TV one, 9月23日)そのため、どのような選挙結果になろうとも、この政策は実現する可能性が高いでしょう。 ただし、各党の移民政策は、これから移住を検討している多くの方にとってメリットが少ないように思います。 

Labourは、10年以上の不法滞在者に対するビザ発給を提案しています (NZH,9月22日)。6年間の政権中には実行せずに今回の選挙公約にしているところ、10年間も不法滞在を続けている人を救済することなど何か釈然としません。また、行き当たりばったりな移民政策が今後も続く可能性があることを考えると憂鬱です。

一方で、Nationalが提案しているワーホリビザの年齢制限を35歳まで引き上げることには賛成であるものの、ビザ申請料を大幅に引き上げるという政策がNZの移住先としての魅力を下げる気がします。(以前のコラムをご参照ください)。また、公約に挙げているNomadビザや世界トップ100の大学や大学院の卒業生を対象としたオープンワークビザの発給(RNZ,9月15日)についても、発給上限数が決まっていることなどもあり、ニュージーランド経済への効果が少ないように思えてしまいます。

私が一番失望しているのは、どの政党もAccredited Employer Work Visa(AEWV)の廃止を公約に掲げていないことです。移民搾取を誘発し、雇用主の負担を増やす問題だらけのこのワークビザがこれからも存続すると思うと憂鬱です。

AEWV発給まで時間がかかりそう

移民搾取の問題がフォーカスされるにつれて、移民局も重い腰を上げて審査を厳しくする方針を取ることにしたのか、「Job check審査に時間がかかるようになる」と移民アドバイザー向けにわざわざメールで警告。(前回コラムの追記をご参照下さい)ただ、実際は Job checkだけでなく、Employer AccreditationやAEWV審査でも時間がかかっているようです。Job checkの申請代行経験から言えることは、最近では特に永住者からの応募者が急増しているため、Job checkが以前より大変なことです。また、応募条件を無視したり、雇用主からの記述内容照合目的の書類提出依頼を拒否する人が意外と多く、雇用主の貴重な時間が無駄にされてしまうことがあります。そもそも雇用主の指示に従えないのならば雇用してもらうのは難しく、応募する意味もないように感じます。

新技能移民の運用が開始。Greenlistに17職種が追加。

永住権を取得するためのオーソドックスな方法である技能移民永住権が、新たに6ポイント方式に移行しました。過去に移民局のポイント計算機を使いながら旧技能移民永住権の戦略を練っていた日々が懐かしい思い出です。 この新しい6ポイント方式では、職業登録が必要な職種、大学卒業以上、高収入のいずれかのカテゴリーに該当しない限り、永住権を取得することは不可能となります。学歴条件が緩和されているGreenlist Work to Residenceで永住を目指す選択肢もあることにはありますが、かなり職種は限られてしまいます。来年3月からは以下の職種がGreenlistに追加される予定です。

     
  • Aviation Engineer (Avionics, Aeronautical, Aerospace Engineer)
  • Naval Architect (aka Marine Designer)
  • Mechanical Engineering Technician
  • ICT Database and System Administrator
  • Aircraft Maintenance Engineer
  • Road Roller Operator
  • Paving Plant Operator
  • Corrections Officer
  • Metal Fabricator
  • Pressure Welder
  • Welder
  • Fitter (General)
  • Fitter and Turner
  • Fitter-Welder
  • Metal Machinist (First Class)
  • Panel Beater
  • Vehicle Painter

本コラムは一般的なビザ、移民法等の情報提供で、法的助言を目的としていません。執筆者及び弊社は、本コラムの内容等に起因する損害について、一切の責任を負わないものとします。この免責事項も含めて内容の無断転載及び改変を禁止します。法的アドバイスやビザの申請代行をご希望の場合はお問合せ下さい。(執筆日10月10日)

 
Aki Yamasaki (カンタベリー日本人会協賛会員でGoogle Review5.0のNew Zealand Visa Partner (ニュージーランドビザ申請代行センター)代表およびNZ政府公認移民アドバイザー)
 
Senior Immigration Adviser。ニュージーランドに移住して25年。TOEIC満点、英検1級取得。4か国14学位取得。移民法最高学位GDNZIA取得。雇用法、ビジネス法、商法も大学で学ぶ。NZ国家資格者である移民(ビザ)アドバイザー(ライセンス番号201701307)およびNZ公認教育カウンセラー(ライセンス番号2430150)ほぼ全てのビザ申請を最終的に発給に導く。自身の申請経験をきっかけに、ビザ申請者の気持ちが分かる熱血派の移民法専門家になる。移民法、ビザルールに関する法的助言提供、ビザ申請代行、移民局との交渉、面接同席、弁論書作成だけでなく、単独で移民保護裁判所の法定代理人にもなれるフルライセンスアドバイザーであり、案件を最初から最後まで担当。緊急時は時間外も対応。却下決定をも覆し、不法滞在、申請却下歴、入国拒否歴、警告があるケースや弁護士でも却下されたケースさえも成功に持ち込む。法律知識、分析力、移民局への弁論書に定評があり、多数の感謝状を頂く。(審査官からも称賛を得る)弊社で申請代行可能か無料査定中。質問への回答を含む法律相談は有料(ご相談後2か月以内に申請代行サービスにお申込み頂いた場合は、相談料を相殺)。本気でビザを取得したい方のみの限定受任。法的助言や弁論書作成、移民局とのやり取りを含む申請代行または契約前の有料相談(1時間まで$250+GST)のお申込はフォームへご記入後送信下さい。NZ国内外オンライン対応。電話番号(NZ)02108319214(お電話は有料相談や申請代行についてのお問合せのみ)平日NZ時間9時から19時まで(月曜から金曜)
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