ニュージーランドの留学や移住、起業、旅行、就職など総合情報サイト

ハウスオーナーの方必見!

覚醒剤検査は幻想だったのか?

image-12018年5月、住宅における覚醒剤検査は現在の検査基準から10倍に引き上げても健康被害がないというニュースがニュージーランド国内で発表され、物議を醸しています。

アパートメントやご自身の所有物件を賃貸に貸し出している方はご存知かもしれませんが、現在皆さんが住まわれている、Rent、又はFlatは、前に住んでいた方が退去されたのちに、任意でハウスオーナーはMeth Test(覚醒剤テスト)が行なわれているのです。

こちらは住宅売買が行われる前にも、Building Inspectionとセットで検査が行われる事も多々有ります。

 

現在の覚醒剤検査基準

image-2ニュージーランドの現在の基準(NZS8510:2017)は、キッチンやベッドルームなど常に使用するエリアで、100cm2あたり1.5マイクログラムの覚せい剤反応が出た場合、より詳細な検査と専門的な除染が必要となります。

 

ニュージーランドの覚醒剤と汚染住宅問題

image-0まずはNew Zealand国内の覚醒剤使用率は高く、大麻よりも安価に購入出来ると公表されていて、”P”とも”meth”とも言われます。

頻繁にニュースで流れているように、東南アジアなど海外から密輸が後を絶ちません。また覚醒剤は知識があれば自宅で作成出来てしまうのです。(絶対に真似しないで下さい。犯罪です)

その為、ニュージーランド国内でも大きな社会問題になっており、家の引き渡しの際は覚醒剤テストが任意で行われています。

前に住んでいた住人が覚醒剤を生成、または使用していた場合、カーペットや壁紙にその成分が付着します。その成分が住んでいる人に健康被害をもたらすという通例でした。

その為、今まで多数のハウスオーナーの方が、覚醒剤問題に頭を悩ましていました。深刻なダメージがある場合は、大幅な除染に高額な費用がかかり、状況次第では高額な除染費用が払えず、家を退去しなければならないケースも発生しているのです。ちなみに過去4年間でニュージーランド国内だけで覚醒剤テストと修復に1億ドルを費やしています。

 

現在のNZ基準の10倍! オーストラリア基準の30倍!

image-4そういった背景がある中、NZ首相のチーフサイエンスアドバイザーであるPeter Gluckman教授が、現行の覚醒剤検出基準の10倍に当たる15マイクログラムを基準にしても、人体には影響がないという報告書をニュージーランド政府に提出しました。

かなりの論争が学者、研究所など様々な方面から行われていますが、小さなお子様や妊婦の方が家族にいらっしゃる方なら、とても不安ですよね。

ちなみにオーストラリアでは100cm2あたり0.5マイクログラム、アメリカの各州では1.0マイクログラム、または0.5マイクログラムの検出で健康被害が出るとされています。

ニュージーランドは、それらの30倍以上の基準が安全とされる見込みです。

 

今後の動向が注視されますが、何よりニュージーランドの薬物問題の解決と、人体への健康被害が発生しないことを切に願っています。

image-5検査のセルフキットも販売されていますが、検査方法トレーニング熟知していないと正確な結果が得られませんので、要注意です。

 

記者プロフィール

Kazuki Fujita

Kazuki Fujita

NZ日本人初の InterNACHI Member (The International Association Of Certified Home Inspectors Member)へ加盟。
NZ全域にて住宅検査、商業施設のビルディングインスペクション、薬物検査サービスを提供しております。
 
日本語
https://www.sonnentanzltd.com/
English
http://easttamaki.abuyerschoice.co.nz/

この記者の記事一覧