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第10回 知らなきゃ困る Behavioural Interview 対策 実践編

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過去の「行動」に焦点を当てた質問形式=Behavioural Interview (BI)に実際どのように回答していくのか、そして面接官側はどんな点を見ているのか、という実践編を今日はお届けいたします。前回のコラムでお伝えしたSTARモデルを使って、みなさんもぜひご自身でワークしてみてください。

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カテゴリー別 BIでよく聞かれる質問例

Professionalism

Tell me about a challenging workplace situation that you had to deal with.
職場での困難なことに直面した経験
 

Teamwork

Tell me about a time you did not agree with your colleague’s actions.
同僚のやり方に賛成できなかった経験
 

Problem solving

Tell me about a time when your manager was unavailable when a problem arose.
問題が起こった時に上司が不在だった経験
 

Decision Making

Describe a time when you had to make an immediate decision on a critical issue.
重要な問題に対して即決を求められた経験
 

Creativity

Describe the most innovative idea you’ve ever had.
今までで一番革新的だったあなたのアイデアについて
 

もうお気づきの通り、BIの質問は通常、Tell me about a timeやDescribe a timeではじまります。このフレーズを聞いたら、「STARモデルで答えればいいんだな」と思ってください。

回答方法のポイント

BIの質問は、どんな質問に対しても「具体的な経験談」を話すことが重要です。いくらSTARモデルを使っても、それが実際にあなたが経験したことでなければ、ほとんど意味がありません。準備をしないで面接に来る方ほど、具体性に欠ける回答が多いのが事実です。そしてもちろん応募する仕事に求められる資質をアピールできるような具体例が求められます。例えば接客業であれば、顧客サービス関連の成功・失敗・苦労などの事例を多めに準備します。管理職であれば、リーダーシップ関連の事例、問題解決の事例などをたくさん準備しておくとよいです。

具体的な回答方法

ひとつ具体的な回答方法をご紹介します。

Professionalismカテゴリーの質問です。

Tell me about a challenging workplace situation that you had to deal with.
職場での困難なことに直面した経験
 

この質問に対してSTARモデルで回答してみます。なるべく簡潔に伝わるよう、箇条書きにしてあります。

Situation:
  • 電化製品を扱う会社で営業職をしていた時
  • 納品した顧客から製品が壊れていたとクレームがあった
  • すぐに新しいものを送ったつもりが、別の製品が届いてしまい
  • さらに顧客を怒らせてしまった 
 
Task:
  • 正しい商品を一刻も早く顧客に届け
  • 信頼を回復すること
 
Action:
  • 最も早く希望の商品を届けられる輸送手段をロジスティックチームと相談
  • 間違えて届けてしまった商品にも一部顧客のニーズに合った機能があることを担当者に確認
  • 顧客に謝罪とともに全てを説明
 
Result:
  • 正しい商品が思ったよりも早く届くこと
  • その間も別の製品で一部代替えできることを知り
  • 顧客は納得、その後も取引は継続
 

回答は長くても2分で収まるぐらいの長さで準備します。特に英語が母国語でない場合は、あまりたくさんのことを言おうとして、かえって自分を混乱させてしまうこともあるので、簡潔にまとめることをお勧めします。

この質問の場合は、challenging workplace situationと聞かれているので、私生活ではなく、必ず職場での経験を話します。質問をしっかり理解することも大切です。

この要領で、ぜひ他の質問にもご自身の経験を当てはめてみてください。

 

次回は、STARモデル以外で「簡潔にわかりやすく説得力のある話し方のコツ」について解説していきます。お楽しみに!

 

本コラムは一般的な海外就活にお役に立つ情報発信を目的としております。特定のお仕事にフォーカスしたアドバイスではありませんのでご注意ください。また内容の無断転載はご遠慮ください。
(7月22日執筆)

Atsuko Takada (面接アドバイザー)
 
NZ在住25年。
元外資系エアラインCA採用面接官。
海外・外資系就職に特化した英文履歴書・英語面接アドバイザー。