Behavioural interview といって「それ何のこと?」と思う方は多いと思います。実際に経験した方も、面接形式にそう言う名前がついていて、面接官側が何を聞きたいのか知らなかった、と言う方もいるかもしれません。Behavioural interview(略してBI)=行動分析式の面接スタイルは、 ニュージーランド、オーストラリア、アメリカ、ヨーロッパなどで幅広く使われている面接スタイルです。この面接スタイルを無視してニュージーランド就活は語れない!というほどの頻出度ですので、今回のコラムではBIとは何か? 目的は? 対策は? という基本情報をお届けします。
1: BIとは何か?
BIは、過去の「行動」に焦点を当てた質問形式です。ある特定の状況のなかで、あなたがどのような行動を取ったのか?そこであなたはどんな結果を生み、どんな学びを得たのか?という「具体的」な事例を元に、あなたの適性を見極める面接スタイルです。
2: BIの目的は?
「BIは応募者の将来のパフォーマンスを最も的確に予測することができる」と言われています。企業側も、表面上の準備された言葉だけで採用判断をするのはリスクが伴います。誰しも仕事を得るために、ある程度は準備もしますし、面接の時には素の自分を出さない人もいます。しかしこのBIでは、過去の実際に起こった事例を元に「人となり」「思考」「スキル」「経験」などを深掘りしていきますので、応募者のその仕事に対する適合性をより正確に知ることができます。
その適合性を知るためによく使われるカテゴリーは次のとおりです。
(それぞれのカテゴリーに当てはまる例題は次回のコラムでお伝えします。)
- Professionalism
- Leadership
- Teamwork
- Problem solving
- Decision Making
- Communication
- Creativity
専門分野によってはAttention to detail, Analysis, Learning agility などを深掘りしていく質問もあります。
3: BIの対策は?
このBIの答え方には「型」があります。そこに自分の経験を当てはめて答えると、回答がすっきりまとまるだけではなく、面接官側が知りたいことを全てカバーすることができます。面接官側も、インタビュー中にとるメモに最初から「型」を記入しておくことが多いぐらいですので、必ずBIの質問を受けたらこれを使ってください。
その「型」は「STARモデル」とも呼ばれています。「STAR」は「型」の順番通りに頭文字をとって名づけられています。
- Situation
- - あなたが置かれていた状況
- Task
- - あなたの任務
- Action
- - あなたがとった行動
- Result
- - どのような結果になったか、それによって何を学んだか
と、ここまで書いてもまだ実感がわかない、というのは普通です!日本でこのような面接を体験したこともなければ、聞いたこともないと言う方も多いと思います。
対策は、「具体的な事例を準備しておくこと」です。
自分の経験を振り返り、できる限り色々なシチュエーションを想像して、そのときどんな行動をとったか、その結果と学びは何であったか、という一連のストーリーをたくさん準備することが大切です。
ストーリーをいくつか心の引き出しにしまっておかないと、緊張している面接で突然過去の体験談を質問の意図に沿って話すのは至難の技です。地元のニュージーランド人でも、この面接スタイルにはしっかり準備をして臨みます。どんな質問が来ても対応できるような、インパクトがあって内容の濃い事例を4−5つ準備できれば理想的です。
それでもやっぱり今ひとつイメージがわかない方もいらっしゃると思います。
そこで次回は、「知らなきゃ困る Behavioural Interview 対策 実践編」で
実際に例題をみながら回答例をご紹介したいと思います。お楽しみに!
本コラムは一般的な海外就活にお役に立つ情報発信を目的としております。特定のお仕事にフォーカスしたアドバイスではありませんのでご注意ください。また内容の無断転載はご遠慮ください。
(7月13日執筆)
- Atsuko Takada (面接アドバイザー)
- NZ在住25年。
- 元外資系エアラインCA採用面接官。
- 海外・外資系就職に特化した英文履歴書・英語面接アドバイザー。
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