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第4回 最近トレンドのビデオ面接って何?例題付き

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ニュージーランドを始め、海外では一般的になりつつあるビデオ面接。その名の通りオンラインのビデオを使った面接ですが、実際のところ経験したことがない方が、初めてビデオ面接をするとみなさんとっても驚かれます。今回はそもそもビデオ面接って何?という基本情報から、ビデオ面接を受ける際の注意事項、そして実際にビデオ面接でよく聞かれる質問をみなさんにお伝えしたいと思います。

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ビデオ面接の種類

ビデオ面接には2種類あります。ひとつは、ZoomとかSkypeのようなツールを使ったオンラインでの対面式面接です。その場合は、従来通りの対面式と同じく、相手がスクリーン越しにいて、会話のキャッチボールをしながら面接が進みます。もうひとつ、今日ここで詳しくお話しするビデオ面接は、採用側から送られてくるリンクをクリックして、一方的にスクリーンに話しかける様子が録画されるタイプのビデオ面接です。 いわゆるオンディマンド・ビデオ面接と呼ばれるものです。

最近の傾向として、応募者の多い比較的規模の大きい企業では、応募者を面接に呼ぶ前にまずはオンディマンドビデオ面接を行うところが増えています。

オンディマンド・ビデオ面接を始める前に

通常、CVやカバーレターを提出すると同時、もしくはすぐ後に、採用側からビデオ面接用のリンクが送られてきます。まずはそのリンクがついている案内文をしっかり読んで内容を理解します。その後、決められた期間中に自分の都合の良い時間、場所でそのリンクにアクセスし、ビデオ面接を開始します。時間は30分あれば全て終わるくらいが一般的です。通常、そのビデオ面接を始めるにあたり、システムの使い方の説明があったり、トライアルで練習することができます。どんなに自信のある方でも、念のためこのトライアルをすることをお勧めします。

オンディマンド・ビデオ面接で気をつけること3つ

1)時間制限がある

通常、ビデオ面接では質問事項が画面に表示されてから、「答えを考える時間」と「答えを述べる時間」に制限があります。一般的なのが、「1分考えて」「2分以内で答える」というものです。その間、スクリーンの片隅にタイマーが登場することもあり、そのせいで余計にプレッシャーを感じる人も多くいます。対面式と違い、2分経過すると、話が終わっていなくても録画が終了してしまいます。

2)後戻りできない

対面式の面接では、面接官が質問したことにその場ですぐに答えられない場合は、「すみませんが、後ほどもう一度その質問をしてください」ということができます。しかし、ビデオ面接では通常それができません。会社によっては何度も撮り直しができるという親切なところもありますが、それはあまり期待せず、一度スタートしたら最後まで止められないと思って臨む方が賢明です。

3)質問できない

相手がいないので、質問の意味自体が理解できなくても「他の言い方をしてください」とか「それはどういう意味でしょうか?」と聞くことができません。とても不便に思うかもしれませんが、その分、このビデオ面接ではあまり複雑すぎる質問はない、ということになります。

オンディマンド・ビデオ面接でよく聞かれる質問3つ

それでは、どのような質問がされるのでしょうか?ここで、よく聞かれる質問を3つご紹介いたします。どの質問も、対面式の面接に呼ばれた場合にも聞かれる質問ですので、ビデオ面接のためだけでなく、就活の際には事前に準備をしておくことをお勧めします。また録画時間が1分だった場合、2分ある場合、などを想定して練習しておくとよいです。

1) Tell me about yourself.

最初に聞かれることが多い質問ですので、ここでよい印象付けをすると後が楽になります。応募する仕事や会社に関わりのある内容の自己紹介をします。

2) Why are you interested in this position?

なぜその仕事に就きたいのか?という「志望動機・Motivation」は必ず聞かれます。過去の実績、経験、スキルをどのように活かせるのかをアピールします。またその仕事や会社に対する熱意も伝えます。

3) What are your key strengths?

ここでももちろん、応募する仕事に関わりのある「強み」を答えます。またなぜそれが「強み」と言えるのかも説明します。

まとめ

オンディマンド・ビデオ面接について少しでもご理解いただけましたでしょうか?今日ご紹介した質問以外にも、具体的な事例を挙げて回答する行動分析式(Behavioural Interview) の質問もよく出されます。応募する職種に関連した質問内容をあらかじめ想定して、具体的な経験談を4つか5つぐらい準備しておくと面接で焦らずに済みます。

このビデオ面接を成功させるヒントは全て『準備』にあります。全く準備なしに、質問に対して1分で回答を考え、2分以内に英語で発表することは、かなり高度なスキルが必要です。

ただし、採用側もこのビデオ面接は簡単ではないことを十分に承知しています。応募者が緊張していることや、そのせいで言葉に詰まったりすることは、それほど気にしていません。それよりも、”Be yourself”  であることが大切ですので、しっかり準備をした上でリラックスして面接に臨んでみてください。

 

次回は、適性テストと知能テストについて解説していきます。お楽しみに!

 

本コラムは一般的な海外就活にお役に立つ情報発信を目的としております。特定のお仕事にフォーカスしたアドバイスではありませんのでご注意ください。また内容の無断転載はご遠慮ください。
(6月10日執筆)

Atsuko Takada (面接アドバイザー)
 
NZ在住25年。
元外資系エアラインCA採用面接官。
海外・外資系就職に特化した英文履歴書・英語面接アドバイザー。