前回は英文履歴書(CV)の大切さ、書く内容のポイントやありがちなミステイクについて基本情報をお伝えしました。第二回目の今日は、「CV作成5つのポイント」にフォーカスした実践的なアドバイスをお届けいたします。
CV作成5つのポイントその1: テンプレートを使う
ニュージーランドのCVには日本の履歴書のようなフォームは存在しませんが、テンプレートはオンライン上に無数にあります。私のお勧めは、無料でシンプルなものからお洒落なデザインまで、選択肢の多いTemplates.office.comです。なぜテンプレートを使うとよいかというと、「見やすく、必要事項を漏らさず記載する」ことができるからです。採用担当者は数多くのCVに目を通しますので、見た目が綺麗で、探しているもの(職歴やスキルなど)がスッと目に入ってくるようなレイアウトを好みます。テンプレートはすでにその点を意識した上で作られていますので、ぜひ活用してみてください。
CV作成5つのポイントその2: 求められるスキルや経験にフォーカスして書く
採用側は、「あなたを採用したら会社にとってメリットがあるのか?」という情報をCVから読み取ろうとします。そのために、応募する仕事に関連する自分のスキルや経験にフォーカスしてCVを書く必要があります。
例えば、「カスタマーサービス」と言っても、対面から、オンライン、電話、対ビジネス、対お客様など色々な種類があります。応募する仕事がどのタイプなのか、採用側はどんな人材を求めているのかを理解した上で、自分のスキルや経験の中からアピールする部分を決めていきます。
もう少し分かりやすくお伝えできるよう、『同じ職歴でも違う部分を強調した具体例』をご紹介します。それは私が「ローカルの英語学校でオフィスマネージャー」をしていた時に、ほぼ同時期に応募した2つのお仕事の例です。
- ケース1:「対ビジネスのオンライン顧客サービス職」に応募した時
- 入学手続きや学生の管理のためにPCソフトを各種使いこなしていたこと、対ビジネス のカスタマーサービス経験が豊富なことなどを強調しました。
- ケース2:「国際線客室乗務員」に応募した時
- 世界中にある提携エージェントとの仕事経験や世界中から集まる学生との関わりを説明し、国際的な環境で仕事をすることに慣れている部分を強調しました。
このように、採用側が何を求めているかによって、あなたのスキルや職歴の中で強調する部分を決めていきます。まずは相手が求めているスキルや経験を募集要項やその会社のホームページで調べてしっかりと理解しておく必要があります。
CV作成5つのポイントその3: アチーブメントやプロモーションをアピールする
謙虚な日本人にとってアチーブメントやプロモーションのアピールは不慣れかもしれません。しかし英文CVでは大々的にアピールするのが正解です。プロジェクトでターゲットを達成したとか、社内で昇格したとか、個人で達成したことも、チームで達成したことも、応募する仕事に少しでも関連することであれば、ぜひCVに記載してください。
CV作成5つのポイントその4: 「書かなくてもわかるだろう」と思い込まない
CVで自分のことを書いていると、「わざわざ書かなくてもわかるはず」と無意識に思い込むことがあります。また、「会社名やポジション名を言えば、どんな仕事をしていたかわかるだろう」という思い込みもしないように気をつけましょう。
例えば、日本では誰もが知っている会社で働いていたとしても、NZの人にはどんなビジネスをしている会社なのか全くわからない場合もあります。その場合には会社について簡潔な説明文も記載します。
例えば「レストランのフロアースタッフ」といっても、人によっては仕事範囲がレジやキッチンハンド、在庫管理や報告業務、さらにはスタッフ教育なども任されることがあると思います。それらも細かく記載しないと、採用側には伝わりません。
CV作成5つのポイントその5: 他人に読んでもらいフィードバックをもらう
CVを書いてみたら、他人に見てもらうことを強くお勧めします。できれば、あなたのことをよく知らない人に見てもらうのが一番ですが、そういう人がいなければ、知り合いで英語の理解できる人、できれば英語のネイティブに見てもらうとよいです。その人が、「これなんのこと?」と理解できない部分があれば、それは応募する会社の採用担当者にもわからないことかもしれません。フィードバックをもらうことはとても大切です。
次回は、わかっているようで今一つ何を書いたらよいのかわからない、カバーレターについて解説していきます。お楽しみに!
本コラムは一般的な海外就活にお役に立つ情報発信を目的としております。特定のお仕事にフォーカスしたアドバイスではありませんのでご注意ください。また内容の無断転載はご遠慮ください。
(5月26日執筆)
- Atsuko Takada (面接アドバイザー)
- NZ在住25年。
- 元外資系エアラインCA採用面接官。
- 海外・外資系就職に特化した英文履歴書・英語面接アドバイザー。
- メルマガ(無料): https://mailchi.mp/78f9c0065b1f/ca