飛べる鳥も、飛べない鳥も
鳥の楽園、ニュージーランド。我が家もご多分に漏れず、様々な野鳥が遊びに来てくれます。
こちらは皆さまご存知のTui。春になると、庭の桜の蜜を吸いに窓のすぐ近くまでやって来るんですよ!満開の桜とTuiを見ながら、花見ワインを一献♪なぁんていう、至福のひと時を想像しながら、今から春が来るのを待ちわびているグレースです。
自然の中の野鳥たち
我が家にはTuiやファンテイル、メジロなど、都市部に近い場所でも比較的メジャーな鳥たちの他に、自然いっぱいの田舎ならではの野鳥たちもやってきます。
その代表格、Kereru(ニュージーランドウッドピジョン)
普通の鳩に比べると1.5倍くらいの大きさがあるでしょうか。光沢あるグリーンとパープルのコントラストと深紅の目、まるでお洋服を着ているような真っ白な胸がポイントです。彼らは、玄関横にある、大きな桑の木の葉っぱがだ~い好き!細い枝の先に、何羽ものKereruが逆さまにぶら下がって葉っぱを食べる姿は圧巻です!
それからこちら、Kingfisher(カワセミ)
日本ではなかなかお目にかかれなくなりましたが、ここニュージーランドではまだまだご健在ですね!きれいなブルーの羽が、本当に素敵。「青い宝石」という異名があるそうですが、納得です。光の加減でブルーに見えたり、グリーンに見えたりして、それがまた孤高の美しさを際立てています。
長~い嘴で、水の中にいる生き物を素早く捕まえます。電線やフェンスの上で休憩している彼らの姿を見られるのも、川があるお蔭なんですね。
こちらはお馴染み、プケコですね。
春には池のほとりに巣を作って、じっと卵を温めます。夫婦二人三脚で甲斐甲斐しく卵のお世話をしている彼らの姿を真近で観られて、子供たちも興味津々。本当に有難い環境です。
でも去年は、ヒナが孵ったと思ったら、数日後には親だけになってしまっていました。今年はちゃんと育ちますように。。。
それ以外にも、森にはニュージーランド固有種のインコやミミズクが棲み、牧草地にはワイルドターキーの家族、近くを車で走ると、キジやクジャクまで歩いていたりして、ここはどこ?と思うような風景に出会います。
これもみな、豊かな自然が残っているからこそですね。
彼らに出会うと、つい笑みがこぼれます。そして、何故だか話しかけたくなるんです。(実際、よく独りごちてます。笑)すご~く普通に私たちの周りに居てくれる。まるで、お友達です!
でも時にはこんなことも・・・
何かにぶつかったのか、ケガをして動けなくなったKereruがデッキに蹲っていました。
バードレスキューからは、連れていくまでに体力を消耗してしまうから対応出来ないと言われてしまったので、水をあげたり、大好きな桑の葉をあげてみたり、私たちなりに出来ることをしました。
でも、野生ですから食べようともせず、ただ逃げ出そうとするばかりです。それでも我が家のデッキ付近の茂みに少しは安心できる場所を見つけたようで、私たちも一安心。
飛べるようになったら良いね、と見守っていました。
ですが、ある日の朝、無残な姿になっていました。何者かに食べられてしまっていたのです。悲しいけれど、これもまた、自然の中で生きるということ。現実です。
またある日は、スズメに似た鳥が小屋の隙間に挟まって、そのまま死んでしまっていました。それを数羽の仲間の鳥たちが一生懸命、引っ張り出そうとしているのです!何度も何度も、引っ張ろうとしては心配そうに様子を見ての繰り返し。
鳥たちにそんな本能があるなんて!子供たちと一緒にその様を遠くから眺めながら、彼らが本能的に持つ仲間意識、優しさに心底感動しました。
そしてつい、考えてしまうのです。私よりも、彼らの方がよほど気高い生き方をしているのではないかって。
ともに生きるということ
私たちにとっては、すっかり日常となっている鳥のいる生活。都会でも、探せばどこかしらに鳥はいますものね!
オークランド郊外は今、豊かな自然に囲まれていた場所がブルドーザーで掘り返され、宅地へと変貌を遂げつつあります。まさかこんなところが?という場所でさえ、住宅建設のための道路整備などが進められています。
そんな場所を通り過ぎる時、いつも胸が痛みます。
グレースが育った奈良では、大阪のベッドタウンとしてどんどん宅地開発が進みました。夏になると玄関まで飛んできていたホタルが、田んぼに行っても見つからなくなり、また、その田んぼさえも無くなってしまいました。
それでもなお、限られた森に棲むメジロ、ムクドリ、ウグイスなどの鳥たちが遊びに来てくれるのです。
鳥の楽園、ニュージーランド。私たちと同じように、彼らもまた一個の存在として、与えられた時を生きています。
生きとし生けるものすべてが、のびのびと生きられる地球を維持していきたい。現代社会の便利さに、グレース自身もつい忘れてしまいがちですが、皆がお互いに気遣いしながら、それぞれの役割を担っていければ素晴らしいですね。
羽ばたく鳥たちの姿に願いを込めつつ。
皆さんにとっても、飛翔の一週間になりますように。
グレース
足揉み屋とB&Bスタッフ兼業中
2014年~家族5人で、オークランド郊外で田舎暮らしスタート。
足揉み屋サイト:http://momijinz.com/
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たま~に更新ブログ:http://rainiernz.com/