雑草だと思っていたあの草が食べられる?
幼少時代、野山を駆け回って過ごしていた私は、裏山で父と姉と一緒に山栗を拾ったり、森の老木に生えたキクラゲを母が酢の物にして食べさせてくれた思い出があります。なかなか心豊かに自然の中で育ててもらったものだと思います。
ニュージーランドに移住して来て、日本でもおなじみの食べられる野草と良く似た種類の野草を見かけ、『これで、何があってもおかずに困る事はないな!』っと、心強く思いました。それが食べられる事を知らない人にとってはただの雑草でも、食べられる事を知った後には、とても美味しい食材となります。
春の息吹があちらこちらから聞こえてくるこの季節。皆さんのお宅の庭先にも美味しい宝の山が生えているかもしれません。
まずは庭先を探してみよう♪
オニオンウィード
春の庭先でも良く見かけるニュージーランドの代表的な野草『オニオンウィード』です。名前にウィードつまり雑草と付けられているあたり、ガーデニングが盛んなニュージーランドでは手強い雑草だと認識されています。
日本の春の野草として代表的な『のびる』にそっくりな球根を付ける野草です。葉っぱは固くて通常は食べない日本のノビルと異なり、ニュージーランドのオニオンウィードは葉っぱはニラそのもの。球根はのびる。その上可憐なお花までも美味しく食べられます。
葉はニラと同じように餃子や炒め物、球根は直火で焼いてお味噌を付けて、お花は良く洗って水を切り、天塩とごま油をかけて熱々のご飯にかけて食べるのがおすすめです。
プーハ
タンポポに良く似た花をつけ、葉にはトゲがあり、いかにも攻撃的この植物は、『プーハ』と呼ばれ、マオリ族も古くから食べてきた、当地の代表的な食べられる野草です。
若い葉と茎を一度茹でてトゲが気にならない位に柔らかくなってから、ニンニクとオイスターソースで炒めて頂きます。マオリ族は、このプーハと豚肉を長時間鍋で煮込んだ『ボイルドアップ』というお料理が大好きで、朝市の屋台などでも見かける事があります。茎は中が空洞になっているため、茹でると弾ける事があります。注意して調理してください。
カラスノエンドウ
日本でもおなじみのカラスノエンドウです。良く似た種類に少し小型のスズメノエンドウもあり、いずれも食用にする事が出来ます。
全草を乾かして、健康茶を作る事も出来ますが、なんと言っても一番のおすすは、春先のごく若いツル先の天ぷらです。
まだまだあります食べられる野草
視野を広げて野原を見渡してみると食べられる野草は沢山あります。
野草には食べられない毒草も沢山あります。初めて野草狩りをされるときは、必ず知識のある方と一緒に、敷地の所有者に許可を得てから安全に楽しく野草狩りを楽しんでください。