ニュージーランドの留学や移住、起業、旅行、就職など総合情報サイト

第6回 欧米の大学出願手続きについて

『ニュージーランド教育現場からの雑感』の記事一覧へ

欧米の大学出願手続きについて

日本で一番寒い時期である1月後半に、センター試験に臨む受験生たち・・・。毎年ニュースでその模様が流れ、殆ど季節の風物詩と化していますね。このコラムをご覧の皆様の中にも、同じ経験をされている方がいらっしゃるのではないでしょうか?。大雪で交通が乱れる可能性もあるこの時期に、なぜ?、と今となっては思うのですが、自分が受けた時は当たり前だと思っていました。この二日間で今まで勉強してきた全てを出さなくては・・・。緊張と不安で、前日は殆ど眠れませんでした。

この仕事に従事して初めて知ったことなのですが、世界各国の大学出願手続きは、国によって様々です。今回のコラムでは、特に米国と英国の大学出願手続きにについてお話したいと思います。

まず米国。ハーバードやMIT(Massachusetts Institute of Technology)など、世界的に有名な大学がたくさん有ります。AICからも毎年多くの生徒が進学します。多くの生徒が夢見る大学を多く抱えている米国。世界中から優秀な頭脳を集め、質の高い教育を施して、優秀な研究者や技術者等を供給する。米国斜陽論も多く聞かれる昨今ですが、やはり米国の国力は高いですよね。その要因として、世界中から優秀な頭脳を貪欲に集めているという点が大きいように思います。

前回のコラムでも少し触れましたが、米国には共通試験、SATがあります。基本的に米国の大学に出願するには、SATの点数を添付する必要が有ります。このSATと日本のセンター試験の最大の違いは、SATは複数回受験が出来るという点です。しかも、複数回受験した中で、一番良い点数を使用することが出来ます。一発勝負のセンター試験とは随分違いますね。まずは力試しに一度受験して、自分の足りない部分を補うことが出来ます。日本にも各種の模擬試験があり、対策をすることが出来るとはいえ、やはり本番の試験を複数回受験出来るというのは大きいですよね。日本も入試改革の一環で、センター試験の複数回受験について議論が進んでいるようです。これは歓迎すべき動きではないかと思います。

米国の大学への出願は基本的に書類のみです。学校の成績表、論文、推薦状等になります。面接が要求されることもありますが、面白いのは、世界中に散らばっている各大学のOB・OGが面接官として、その生徒が住む国で面接を行うことがある点です。例えばオークランドで言うと、ミッション・ベイのカフェでコーヒーを飲みながら面接、なんていうこともあるようです。

そして、さらに進んでるのが英国です。英国の殆どの大学が「UCAS」という組織に加入しており、各大学への出願はこのUCASを通して行います。まず受験生は出願したい大学、学部を5つまで選ぶことが出来ます。その後、UCASのサイトを通して出願書類を送ります。すると、選ばれた5つの大学に受験生のデータが届き、合否を判定します。これで終わりです。初めてこの話を聞いたときは、正直驚きました。英国に行かなくても、大学に出願できて、合格まで手にすることが出来る。これが、先進国のスタンダードなのですね。

米国・英国の入学時期は概ね9月か10月です。2016年の入学を目指す生徒たちの出願は、ほぼ終わっています。英国を皮切りに、合否も徐々に判明しています。今年もAICから世界各国の大学に多くの合格者が出ることを、心待ちにしているところです。

AICアクティング・エクゼクティブ・ディレクター 中村敬志

1970年、島根県生まれ。 13年間の地方銀行勤務を経て、広島県に本部を置く教育関連企業に転職。 2006年より、Auckland International College(AIC)に勤務。

ご興味のある方は、ニュージーランド高校留学 もご覧くださいね!