こんにちは!。本コラム第2回では、AIC設立の経緯等についてお話させていただきます。
AICは2003年に開校致しました。もともと広島にある親会社の代表者の夢は「世界一の学校を作る」こと。有名な「○球の歩き方」ニュージーランド版を片手に、ぶらっと立ち寄ったNew Zealandが気に入り、「よし!ここにインターナショナル・スクールを作るぞ!」となったようです。かなり思いつきというか、いい加減というか・・・。まあ、最初のきっかけなんて、そんなものですかね・・・。私はまだAIC立ち上げの時にはこの組織にはいなかったため、あくまで想像なのですが、実際には以下のような理由から、当地を選んだのではないかと思います。
- 治安、気候の良さ。留学を検討してもらうには、とても重要な点ですね。
- 当時は為替相場が円高ドル安で、物価水準も今ほど高くなかったこと。
- 学校経営参入への障壁が低いこと。
ビジネスの観点からすると、特に3番目の点も重要です。日本の場合、正規の私立学校を経営するには、基本的に財団法人でなければ認められません。規制が厳しいのですね。ところが、さすが「ビジネスがしやすい国ランキング」で常に上位に入るニュージーランド、営利目的の株式会社であっても、学校経営が出来ます。(NZからすると)外国資本でも全然オッケー。オークランドの中心部に校舎(賃借ビルでした)も確保しました。
(AIC旧校舎。2012年まで使用)
先ほど「世界一の学校を作る」と申しましたが、では、何を持って「世界一」とするのか?。学校の「ウリ」は何なのか?。当然、他の学校より秀でた何かが必要ですよね。日本の親会社が塾を経営していることあり、AICは「進学実績=世界中の有名な大学に合格させる」ことを目標としました。その目標の実現のために必要な人材、優秀な教師陣、進学指導の専門家等を雇用し、さあ、学校を始めるぞ!。
ところがここで問題が・・・。生徒が思うように集まらない・・・。まあ、それはそうですよね。AICが採用しているIBプログラム(詳しくは次回以降のコラムでご説明しますね)を採用している学校は当時数少なく、AICは実績も歴史もない新参者。歴史を重んじ、進学実績にそこまでこだわらないニュージーランドの方には、なかなかピンと来ない・・・。中国、韓国、ベトナム等で学校説明会を開いたり、オークランドの学校を回って営業したり・・・。最終的に初年度は約50名の生徒が入学してくれました。今でも、その一期生約50人にはとても感謝しています。もちろん、保護者の方にも同様です。勇敢、ですよね。学校に入学するということは、車や家電などの消費財を買うのとは訳が違います。期待していた効果が得られなかったとしても、簡単に取り替える、買い換えることは出来ません。そんな「勇敢な」第一期生の多くが社会人となっており、British Petrolの環境研究所に勤めていたり、Microsoftでプログラム開発をしていたり、各方面で活躍してくれています。決して教え子ではないのですが、AICの子供です。これからも、世界中で活躍するAICの子供が見れると思うと、ワクワクしてしまいます!。
次回のコラムでは、日本とそれ以外の国の教育の違いについて考えます。
AICアクティング・エクゼクティブ・ディレクター 中村敬志
1970年、島根県生まれ。 13年間の地方銀行勤務を経て、広島県に本部を置く教育関連企業に転職。 2006年より、Auckland International College(AIC)に勤務。