ニュージーランドの留学や移住、起業、旅行、就職など総合情報サイト

第8回 日本の英語教育について

『ニュージーランド教育現場からの雑感』の記事一覧へ

まずは、クイズです。アジア内のランキングで、日本より下はアフガニスタン、カンボジア、ラオスだけ。つまり、下から四番目。勝っているとはいえ、アフガニスタンとカンボジアとは一点差・・・。なんだろう・・・??。ちょっと見当つかないですよね?。答えは、TOEFL ibtの平均点です。TOEFLは米国の機関が運営している、国際的な英語能力テストです。ibtはInternet basis testの略で、テストはインターネット経由で行われます。例えば、スピーキングの部分はパソコンに向かってしゃべるそうです。なんと先進的・・・。英語が母国語ではない生徒が欧米の大学に出願する時に必要とされる場合が多いです。日本ではTOEICの方が通りが良いようですが、TOEICは基本的にビジネス英語が対象になります。それにしても、日本のTOEFLの平均点がこれほど低いのは・・・。残念を通り越して、驚き、ですね。

TOEFL ibtのテストは四つの部分、聞く、読む、書く、話す、に分かれています。そして、恐らく皆さんのご想像通りだと思うのですが、日本人が弱いのは「話す、書く」の二部門です。所謂、アウトプットと呼ばれる分野ですね。内向きな日本人の気質からしても、妙に納得してしまいますね。

ご承知の通り、日本では中学、高校、場合によっては大学と合計10年も英語を勉強します。それにしては、英語力は知れたもの・・・。私自身が日々、痛感しております・・・。「いや、そんなことはない!。私の英語力を見てみろ!」と仰る方は少ないのではないかと思います。そのような中、小学校でも英語教育が始まりましたが、まあ、それによって日本人の英語力が伸びることはないと思います。個人的な意見なのですが、やはり日本の英語教育は、勉強のための勉強になってしまっていると思います。英語は言語の一種類です。そもそも言語は何のためにあるのでしょう?。他者とコミュニケーションを取るため、ですよね。いくら、ペーパーテストで良い点数を取ったとしても、コミュニケーションの道具として変えないのでは、意味がないように思います。

では、どうすれば英語が伸びるのでしょう?。どうも日本人の生真面目な性質、「間違っていたらどうしよう?。恥ずかしい・・・。」というメンタリティーが影響しているように思います。NZで暮らしているとよく感じるのですが、例え英語が多少変であっても、相手はそんなに気にしていないように思うのです。間違っていても、とにかく表現してみる、という気持ちも時には必要ではないか、と・・・。あと、私もよく反省するのですが、日本人はどうも「解ってないのに解ったような顔をしてしまう」ように思います。これは良くないですよね。解らないときは正直に「ゴメン。解りません!。」と正直に言う勇気が必要だと思います。

情けない話ですが、10年もNZで暮らして、仕事で英語を使うことも日常的にあるのに、私の英語はさして進歩していません。もう、あきらめの境地です、もはや・・・。ただ、これから日本を背負っていく若い人達にはぜひ、英語力を伸ばして欲しいと思います。日本の公用語は日本語であって英語ではありませんので、国民みんなが英語を自在に使える必要はないと思います。ただ、ビジネスや政治の世界で、外国の人達と共通言語で対等に渡り合っていくことが出来る人材は、必ず必要です。そのような人材を育てて行くことが、社会に課せられた大きな課題であると考えます。

08-main

AICアクティング・エクゼクティブ・ディレクター 中村敬志

1970年、島根県生まれ。 13年間の地方銀行勤務を経て、広島県に本部を置く教育関連企業に転職。 2006年より、Auckland International College(AIC)に勤務。

ご興味のある方は、ニュージーランド高校留学 もご覧くださいね!