はじめて、英語を学びたいと思った
前回のホストに別れを告げ、WWOOF仲間から勧められた新しいホストのもとに向かいました。そのとき、いきなり衝撃的な出来事がありました。
バス停まで迎えに来てくれたホストと道中話していると、ホストが突然道の脇に車を止めました。なにかと思っていたら、「もう一度教えてくれる?」と言いました。なんと、わたしのつたない英語を理解しようと、車を停めてまで真剣に耳を傾けてくれたのです。
今までのホスト先では、「もっと英語を勉強しなさい」と指摘されることが多く、中にはそれが原因で少し言い争いになったこともありました(笑)。でも、このホストは違いました。
彼が理解しようとしてくれた姿勢を見て、初めて「英語を話せるようになりたい」と心から感じたのです。その瞬間から、わたしの英語学習への意識が大きく変わりました。
家のルールは “Be Relax”
家に到着すると、彼は最初にこう言いました。「ここで大切なのは、とにかくリラックスすること」。
その言葉通り、これまでのWWOOF先と比べても仕事時間は短く、コーヒーブレイクも頻繁にありました。そして、午後の自由時間には、用事がないときは色々な挑戦をさせてくれました。
例えば、トラクターを運転したり、野生の豚に餌をやったり。早朝に牛の乳搾りをさせてもらったこともあります。全て初めての体験でしたが、ホストは私の挑戦を応援してくれました。さらに、わかりやすい英語でゆっくり話してくれたおかげで、自信を持って取り組むことができました。
「リラックスしながら挑戦する」というスタイルに触れて、自分自身を少し好きになれた気がしました。
無理に自分を追い込む必要なんてないのだと、この時初めて気づいたのです。
何度目かの正直
このリラックスした環境で、前回話をしたデジタルデザインの勉強を開始しました。実は、今まで何度も挑戦しては挫折を繰り返してきた分野なのですが、、このホスト先で自分を見つめ直す時間を持てたことで、「クリエイティブなことが本当に好きなんだ」と改めて気づきました。
同時に、挫折の原因も明確になりました。それは「しなければいけない」という無意識の思い込みです。自分を必要以上に追い込んでいたため、楽しむことを忘れていたのです。
ですが、ホストの「Be Relax」の教えに触れて、そのマインドセットから解放され、“自分のペースでやればいい”と心から思えるようになりました。
選択肢は無限大
ここで出会った新たな友人や他のWWOOFer、そして現地の人々との交流を通じて、次第に気づき始めたことがあります。それは、自分が思っている以上に選択肢は無限に広がっているということです。
例えば、「ワーキングホリデーだから1年滞在しなければならない」とか、「現地で働かなければならない」とか、そういったルールはどこにもありません。英語が流暢でなくても、生きていくことはできるのです。
「やってもいいし、やらなくてもいい」という自由が、この世の中にはたくさん存在します。そして、それを「いつやるか」も自分次第。ニュージーランドでのワーホリ生活を通じて、そのことに気づけただけでも、大きな収穫だったと思います。
次回はいよいよ最後になります。
これまでの6ヶ月で得たことを振り返り、このコラムを締めくくろうと思います。
むにえる
元地方公務員。安定思考に疑問をもち、昔から夢だった「海外暮らし」のために公務員を退職して6月からワーホリ開始。スキル・英語力0から縁だけを頼りにどこまでいけるか挑戦中。
- (note:https://note.com/meuniel_06)