ニュージーランドの留学や移住、起業、旅行、就職など総合情報サイト

第12回 フィッシング三昧!!

『ビギナーファーマー日記 in Auckland』の記事一覧へ

フィッシング

ニュージーランドでの釣りは初心者でも何かしら釣れるので楽しいですよ。

日本にまだ住んでいたころ(十何年か前)、私は運動は好きだけど本を読んだり、映画を見たりする方を好むかなりインドア派でした。ニュージーランドにワーキングホリデーでやってきて、大自然に囲まれ、ビーチがすぐ近くにある環境に住むようになり、少しずつアウトドアに目覚めていきました。今までは海で足がつかない深さになるとパニックになっていましたが、スノーケリングできれいな海底を見ていると、好奇心が恐怖心に勝ってとても楽しめるようになりました。キャンプも日本では小学生のときに学校のイベントで行ったと思われる1泊2日というものに参加したくらいです。今では、テントの中ちょっと砂っぽいベッドでも気にせず寝られるくらいキャンプが大好きです。でも一番好きなアウトドアと聞かれれば、それはフィッシングです。今回は釣りも日本ではまったくしたことがなかった私がはまってしまったニュージーランドでのフィッシングのお話です。

12-02

ビーチからボートで沖釣りに

オークランドは海が近くにあるということで、釣りはとてもポピュラーなアクティビティーだと思います。そのためか、小型ボートを所有する人が多いように思います。我が家も、ダイビングや釣りはチャンスがあれば出かける、というような家族なので小型ボートでフィッシングに行くのがほとんどです。オークランド周辺にはフィッシングスポットはたくさんあるかと思います。シティー方面からランギトト島のある東海岸がボートも出しやすく、休日の釣り日というような日には釣りのスポットにはたくさんのボートが集まっています。私達も何回も東海岸でいろいろなスポットで釣りに挑戦しました。釣り糸をたらしたらすぐに何かが食いついてくるのですが、なぜかいつも小さな鯛ばかり。ニュージーランドでは、釣り上げられる魚の大きさは種類ごとに決められていて、一日に捕獲していい数も決まっています。海ではパトロール船が時々出ていて、抜き打ちでチェックがあるくらいこのルールをとても重要視しています。ルールを破ると罰金のほかにボートを没収されるという場合もあるそうです。将来も今と変わらずフィッシングが楽しめるように海の資源を守るこのルールはとてもいいものですし、釣り、ダイビングをする人たち全員にしっかり守ってもらいたいなと思います。

話がそれましたが、東海岸では全然つれない我が家。誰かに東海岸でもたくさん大物が連れるという方にアドバイスを受けたいものです・・・でも自宅が西海岸近くなので、もっぱら釣りといえば近くのビーチから船を出しています。

西海岸で釣りをするのはいいのですが、ひとつ問題が。ボートを出す場所が、船着場とかではなくただのビーチなので、波の穏やかなとき限定で釣りに出られるのです(そういう施設があるところもあるかもしれませんが、我が家は近くのビーチで釣りをするのがほとんどなので)。そして、波が穏やかになるのは、東風が何日か続いた日だけなんです。オークランドでは西風が主に吹いているので、悲しいことになかなか釣りに出られるチャンスがやってきません。そのため、東風の日が何日か続くと、主人も私も、友人もネットで天気や波情報を調べ始め落ち着かなくなります。こんな風に釣りに出れるチャンスがあまり到来しないので、釣りの大好きな末っ子は学校を休んで釣りについて来たりします(学校には内緒です。笑)

ビーチからボートを出すのも簡単ではありません。主人がボートの操縦を担当するので、私がボートを波打ち際でおさえている役です。たいていの場合は下半身は水の中、ひどいときは胸元まで濡れてしまいそのまま釣り続行というときもあります(今は学んで着替えを持って行きます)。波の動きを読みつつ波を乗り越えて沖に出るので、このときだけはジェットコースターよりもどきどきします。子供達はこれが嫌で小さい頃は釣りに行きたがりませんでした。本当に小さい頃は子供を背中におぶってボートで釣りに出ていたのですが、現実逃避のためかいつもすぐに寝てしまっていました(笑)。今では釣りが面白いので大丈夫なようです。

ビーチを離れ沖に出ること、約5分。あっという間に釣りのスポットに到着です。スポットというよりは深さ30メートルのところならどこでもいいみたいです。

大物がいっぱい!

12-03

満潮時をはさんで前後2時間、計4時間ほどいつも釣りをします。ほとんどの時は4時間もしなくても十分な魚が釣れてしまうのですが、ビーチから船を出しているので、満潮だと水が多すぎて車で通れない場所があるのです。4時間たっぷり楽しい時間です。

当たり前のことなのでしょうが、釣り針の取り付け、えさの取り付け、魚を針からとるなどなど、すべて自分でします。以前は全て主人がやってくれていたのですが、いつの間にか自分のことは自分でやれ、ということになってしまいました。子供達のしかけは主人が作るので、私のまでしていたら自分の釣る時間がないからなのでしょうね。納得です。

我が家には時々世界各国からファームヘルパーと称していろいろな人が滞在するのですが、ニュージーランドが楽しいところだったと思ってもらえるようにチャンスがあれば一緒に釣りに連れて行きます。私達は船酔いをしないので少し位海が荒れてていても気にせず釣りを続行するのですが、なかには船酔いで全然楽しめない人なども出てきます。

そんなときもあれば、波がまったくなくまるで湖のような海の時があり、そんな時は波の音も風の音も何もしないとても静かなところでの釣りはとてもリラックスできます。

最近滞在したスウェーデン人のカップルは川釣りしかしたことがなかったので、大きな鯛やキングフィッシュ(残念ながら少し小さかったのでリリース)を釣り上げられてとても興奮していました。忘れられない体験だったといわれて私達もうれしく思います。

12-04

12-05

 

この釣り場でよくつれるのは、カアワイ、鯛、サメ、ホウボウ、アジです。カアワイの刺身は苦手という人が多いですが、時々とてもあぶらがのったカアワイが釣れ、そのお刺身はブリに負けない美味しさです。ホウボウはとてもきれいな魚です。その色、形からニックネームがキャロット。大きなひれがカラフルで面白い鳴き声を出します。鳴き声の音から名前がついたのでしょうね。サメがよく釣れるのですが、釣り上げる前にその鋭い歯で仕掛けを切り取ってしまうので本当に迷惑な魚です。主人はかかったサメを針から取ろうとしている時に噛まれ、爪が縦に噛み切られていました・・・。とっても美味しいアジ。残念なことに地元の人はみんな釣りのえさに使ってしまいます。主人に塩焼きで食べてもらったら180度意見が変わり、今ではえさになることはなくなりました。

夏になって水温が上がると、近くのビーチでもマグロやカツオが釣れるようになります。カツオもまた地元の人はえさにしか使いません。本当に美味しい魚だからえさになんてもったいない!と力説するだけでは納得してもらえないので、釣れたときはたくさんの薬味をのせた(このためにシソやミョウガを育てているといっても過言ではないです)カツオのたたきを作って試食してもらいます。ほとんどの人が美味しいといって食べてくれ、次からは自分でも調理して食べるか、私に譲ってくれるようになりました。

私が釣りが好きなのは、釣り上げるときの興奮もそうですが、おそらく新鮮な魚が食べたいから!これが一番の理由なんですね。

12-06

ありがとうございました!

今回のコラムが最後となりました。文章を書く、という作業はおそらく学生のとき以来なのでは・・・12回書き終えられてほっとしています。

ファームの方は冬になってもまだまだやることはたくさんありそうです。

実は30本の黒トリュフがなる木が懸賞で当たってその木々を植える作業が待ち構えています。黒トリュフ、芳醇な高級キノコというだけで食べたことのない代物ですが、木が育ったらトリュフがなるのかどうか・・・楽しみがまた増えました。

果樹園の剪定もありますし、まだまだフルーツの木を植えたいと思います。先週、アボカドの木を4種類購入してきました。お店では売っていない種類のアボカドが手に入りとてもうれしいです。うまくいけば、植えて2年で一本の木から60個くらいとれるそう!!育てるのが難しいので、大切にお世話をしていこうと思います。ブドウやナッツのなる木もこの冬に植えたいですね。

ブタやウサギも飼いたいので、小屋や囲いを作ったりまだまだ忙しくなりそうです。

写真での記録を付けているので、5年後、10年後、私達の小さなファームがどれだけ効率よく、自給自足の目標に近づけているか今から楽しみです。

あやの
オークランド在住17年目の主婦。ガーデニング、キャンプ大好きアウトドア人間。
キウイの旦那と3人の息子に囲まれ、彼らに鍛えられる毎日を過ごしている。