ガーデニング大好きな私でも大仕事だった、木を植えるということ。

ここに移り住んで、私にとって一番の大仕事。それが木を植えること。ニュージーランドは土地で何かをする、建物を建てるというときは自分の土地といえども好き勝手にはできず、まずは役所に問い合わせ、申し込み、許可を得ないといけません。

７５０メートルというとっても長いドライブウェーを入れようと決めた私たち。役所からは、その長さのドライブウェーを入れたいのならば、１２０００本の木を植えてください、と通達が・・・１万２千本？！数が大きすぎて聞いただけでくらくらしますが、一番に思うのがなぜ？？ですよね。理由としては、今まで牧草地だったところが砂利になり水はけが悪くなる。その水を土地から出さないためにはこれだけの木を植えないといけないんです、とのこと。そうですか、ならばドライブウェー沿いに植えないといけないのですね？との私達の質問に、所有地の中ならどこでも構いませんとの答えが返ってきました。丘のてっぺんでもいいとのこと・・・それじゃあ、植えた木々で水が吸い取れないんじゃ・・・どうも理屈が通ってないんですが、これをしないとドライブウェーは入れられないので、この大掛かりなプロジェクトに取り掛かることになりました。

木を選ぶ

水の吸収のためならどんな木でもいいと思いますよね。私も植えるなら果物の木が植えたいと思いましたが、役所からは、ニュージーランドのネイティブの木（自生の木）を植えてくださいといわれました。ネイティブの木は切りたくてもこの国では勝手には切れません。手厚く保護されているんです。うちに植える木々も、家畜に食べられないようにきちんと柵を作り、１本枯れたら、１本植え替えるという面倒を１０年間はしないといけないそうです。

植える木を選ぶ権限は全て私に託されました。家の近くは花が咲いたりきれいなネイティブの木を選びました。将来大きくなったら家への風除けにもなるので一石二鳥です。家から離れたところに植えるのはマヌカの木にしました。一番値段が安かったことと（数が半端ないので木を選ぶ時の重要ポイントです）、花が咲くようになったら養蜂家を探して蜂の巣箱を置いてもらい、マヌカハニーが取れたらいいなあと思ったからです。とてもおいしくて、栄養があってお店で買うととっても高いマヌカハニーが採れると思えば、大変な作業も乗り越えられました。

ガーデニングが好きでも経験の浅い私。いくつか失敗がありました。注文した木々が届いたので、早速植え始め、１日で１００本ほど植えられて、頑張ったなー、私と思いつつ帰宅。次の日にまた作業開始のはずが、放し飼いの６頭の牛に食べられるというショックな事件が！牛のことをすっかり忘れていて、牛が入れないように簡易の柵を立てておくのを忘れて帰ってしまったからなんです。４２エーカーも牧草があるのにあえて木々を食べる牛達。牛からこれ以外にもいろんな被害を受けています（苦笑）。

気を取り直し、柵を付けてもっと植えました。木を植えるのにいい時期になったと思い植え始めたのですが（ガーデニング本に書いてあった時期）、その年はあまり雨が降らずしばらく植えた木々にお水をあげなくてはいけないことに・・・４００本以上の木々。水道は１００メートルも離れたところ。ホースをつないでも木々までは届かず。仕方がないので、じょうろに水を入れホースと木々との往復をすることに。これだけするのに何時間もかかるので、途中で挫折し、おそらく半分は枯らしてしまいました・・・

失敗ばかりだったので、しばらく作業を中断し、冬に入ってから木々を植えました。１年目で植えたのは４０００本。まだまだ長い道のりです。

下の写真は、２０００本植え終わった後。

同じ場所の今現在。

ボランティア募集！

２年目の冬。残りの木々を植える時期になりました。幸いにも前回植えた木々は雨にも強風にもまけずしっかり根を張り順調に育っています。私は一人でこつこつと１日３００本を目標に植えようと思っていたのですが、主人から「お友達に声をかけて手伝ってもらおう！」との提案が。早速いろいろな人に連絡し始めました。

プランティングデー当日。２０名ほどのお友達が集まってくれました！

どのように植えるかをみんなに伝えて後はわいわい楽しくできました。誰がどれだけ多く植えられるか、どれだけ早く穴が掘れるかなど競争しながら。小さな苗木なので子供たちでも植えることができ、近所の人は子供の宿題のひとつとして参加してくれました。

参加してくれたお礼に、自宅で取れた野菜のサラダや副菜、ファームで育った牛のソーセージ、肉でバーベキューをしてみんなとおいしくビールを飲めました。終わった後、お祭り気分で楽しかった、木を植えることでリラックスできたといわれとてもうれしかったです。１０年後には木も大きく育ち、立派な森になってくれることでしょう。その時にはその森から採れたマヌカハニーを使ってケーキやマフィンなどを作って、木を植えてくれたお友達をもてなせたらいいなあと思います。

下の写真の２つの小さな森の間、小さな四角い小屋の向こう側の斜面いっぱいにマヌカの木を植えました。将来はこの２つの森がくっついて大きな立派な森になります。