こんにちは。2024年5月よりオークランドに滞在中のMoricoです。早速ですが、皆さんCABをご存知ですか?『Citizen Advise Bureau』の略称で日本語にすると『市民相談所』といったところでしょうか。今日はCABについて、利用した際の体験談を交えてお話したいと思います。。
CABとは?
『Citizen Advise Bureau New Zealand (CABNZ)』は法律に精通した2500人以上のボランティアからなる組織で、ニュージーランド国内に80ヶ所以上あります。CABの起源は第二次世界大戦中のイギリスだそうで、戦時中の国民の様々なトラブルや要求に応えるために設立されたものが、現在ではちょっとしたお悩み相談所として市民から頼りにされています。
相談料は?何を相談してもいいの?
相談料は無料、ワーホリや学生ビザで滞在中でも相談可能です。CABのホームページを見ると、市民の権利や利用できるサービス、過去の相談について検索することができ、カテゴリも多岐に渡っています。金銭トラブル、買い物トラブル、雇用主・労働者とのトラブル、土地・建物を巡るトラブルなど様々です。
何をしてくれるの?
ボランティアの相談員は、トラブルの内容から相談者が主張できる権利や利用できる公的サービスなどを探しアドバイスをくれます。あくまでも、問題解決の糸口を見つけて助言をくれる場所ですので、当事者に代わってトラブル相手と話をしてくれる、といったことはありません。ただ、相談内容によってはその場でより専門的な機関に電話で確認をとってくれたり、相談終了後メールでトラブル解決に役立つ情報のURLなどを送ってくれます。
実際にCABに行った際の体験談
私がCABに相談したのはフラットのオーナーとのトラブルについてです。CAB Central Auckland(Auckland City LibraryのLevel1)に平日の午後行ったのですが、空いていました。受付へ行き相談したいと伝えると、ハガキ半分ほどのサイズの申込書(簡単なメモ)を渡され、必要事項を記入しました。正確には覚えていませんが、氏名、生年月日、所持しているビザ、国籍、相談内容など、こちらの基本情報です。その紙を受付の人に提出する際に「相談内容について教えてください」と聞かれたので拙い英語で伝えました。その後すぐボランティアの相談員の人に呼ばれ中に案内され、まずは相談内容の聴取から始まり、適宜相談員からもいくつか質問され、頑張って聞き取りながら答えていきました。フラットのオーナーと交わした契約書を見せ、相談員がより専門的な機関に電話で問い合わたりといった時間も含め、30分ほどで相談は終了しました。
ポイント1 英語でのやりとりでも諦めない!
専門的な内容になると、何を言っているのか分からない、こちらが言いたいことがうまく伝わらない、ということもありますよね。私の担当だった方は辛抱強く私の話を聴き、また簡単な英語で話してくれました。自信がない場合は翻訳アプリを使ったり、紙に書いてもらってもいいと思います。
ポイント2 役に立ちそうなものは全て持っていこう!
例えば、トラブル相手とのメールやテキストのやりとり、契約書のコピー、レシートなど、相談時に役に立ちそうなものを持参していきましょう。英語で事情をうまく伝えられなくても、こういったものを見せることで相談員に自分の状況や立場を理解してもらうことができます。
ポイント3 相談の目的をはっきりさせ、自分が何をすべきか明確にしよう
『トラブル解決』と言ってもゴールは人それぞれだと思います。相談前にCABで尋ねたいこと、最終的に自分はどうしたいのかを明確にしておくとスムーズです。「自分は解決に向けて次に何をすべきか」という点が理解できなければ、分かるまで聞きましょう。私の場合は、「契約時に支払ったボンドを返してもらえるか」というのが相談の目的でしたので「You mean I can get back my bond?」と何回も聞き返しました。
メールで結果を送ってもらう
後日相談時に伝えたメールアドレスにCABからメールが来ました。私の相談内容に対する専門的立場からの見解と根拠となる法律などとともに、賃貸トラブル専門の仲裁機関(Disputes Tribunal)の利用方法のURLを送ってくれました。
今回はCABという無料で利用できる相談所についてお話ししましたが、いかがでいしたでしょうか。日本でなら強気で訴えられることも、言葉や文化の違う場所では諦めて泣き寝入りする…なんてこと私はしたくなかったのでCABに突撃しました。皆さんにはCABなど利用することなく滞在を終えてほしいですが、もし何かトラブルに巻き込まれてしまったら躊躇せずCABへ行ってみましょう!