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マオリの神様 マウイ

ニュージーランドで「マウイ」という言葉を耳にした事がある人は多いかと思います。

「マウイ」は、NZだけでなくポリネシアの島々でもよく聞く言葉です。そうです、映画「MOANA」(邦題 モアナと伝説の海 )に出てくるあのマウイがそうですし、ハワイにもマウイ島と呼ばれる島がありますよね。

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© Disney

NZでは、「マウイ」は、マオリ族の神話に登場する神様の一人で、数々の逸話が今日まで語り継がれています。マオリ語での本当の名前はMāui – tikitiki – a – Taranga。半分人間、半分動物の体を持ち、日本のお侍みたいに髪を結い上げ、とてもユニークな姿をしています。そしてとても賢い反面、大のいたずら好きで、また、色々な鳥に変身する魔法の力を持っています。(映画の中でも度々鳥に変身してましたね。) マウイは5人兄弟の末っ子ですが、4人の兄弟達はマウイの事をよく思っておらず、いつもマウイを残して4人で釣りに行ってました。どんなにマウイが連れて行ってくれるよう頼んでも聞いてくれません。

ある日、マウイは魔法使いのおばあさんの顎の骨を盗んで釣り針を作ります。(映画に出てくるあの大きい釣り針はここから来ています)そしてこっそり船の中に隠れると、翌朝兄弟と一緒に釣りに出かけました。船が沖に出ると、マウイは姿を現して釣りを始めますが、誰からも餌を分けてもらえません。そこで 仕方なく自分の血を釣り針に塗って糸を垂れたところ、とても大きな魚が釣れ、その魚は後にNZの北島になりました。それが由縁で、北島はマオリ語で「 Te Ika a Māui マウイの魚」と言います。(そうです!マオリ語ではイカは魚を意味します)この時、マウイの兄弟達が分け前にあやかりたいと魚に食らいついた為 表面にでこぼこができ、北島は山あり谷ありの起伏のある地形となったと言われています。

また、マウイは太陽を捕まえた事でもよく知られています。山の間の岩場から昇る太陽は、とても気まぐれで 好きな時にまた岩場に戻っていました。この為地上では昼の時間が短く、思う様に生活を営むことができません。たまりかねたマウイは兄弟とともに岩の影に隠れて、朝昇って来る太陽をharakeke (ハラケケ:NZ固有種のフラックス)で作ったロープで見事に捕まえて、太陽が岩場にゆっくり沈むようにコントロールすることに成功しました。おかげでマウイが一日の昼と夜を、そして一年の四季を作り出したと伝えられています。

下の写真はウエリントンにあるテパパ国立博物館の マラエ(マオリの集落の中枢を司る集会所の意)です。写真の上の方のひさしの真ん中に、マウイが兄弟と太陽を捕まえているところが、そして両端には、大きな魚を釣っている姿がありますが、わかりますか?

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© Te Papa Tongarewa

これは、太陽を捕まえているところの拡大写真です。どうでしょう?

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記者プロフィール

探求者

探求者

NZ滞在20年。

家族とともにWellington在住。

NZの自然、マオリ文化、

芸術をこよなく愛し徒然なるままに探求中。

ブログ : 白くたなびく雲の下で!
http://aoteaora.blog.fc2.com

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