ケープレインガにまつわるマオリの神話を紹介
ケープレインガは死後の魂が旅立つ場所
ニュージーランド北島の先端に100km以上も続くアウポウリ半島があります。その一番北にある場所がケープレインガ。この場所は、マオリの神話では死後の魂が旅立つ出発の場所とされています。
マオリの伝説によると、マオリの祖先は1000年前にハワイキと呼ばれる故郷からアオテアロア(ニュージーランド)にやってきました。そしてアオテアロアで死んだ魂は、元々のふるさとであるハワイキに向けて旅立つというわけです。
このハワイキの概念は、マオリと同じポリネシア人であるタヒチやハワイ、クック諸島などにもあります。ハワイキを指す単語は、「ハワイイ」「アヴァイキ」「サヴァイイ」など少しづつ違っていますが、同じ場所を意味するようです。住む場所は違えど、共通の故郷の概念を持っているって素敵ですよね。
死後の世界への入り口を探してみよう
ケープレインガには“te reinga”と呼ばれる死後の世界へと続く入り口があると言われています。
この入り口には“Te Aroha”と呼ばれる古代の樹がぶら下がっているそうです。この樹の根っこが階段状になっているため、アンダーグラウンドに降りていくことができます。
アンダーグラウンドには、“Te Ara Wairua”と呼ばれる魂の通り道があり、ここからハワイキへの旅が始まります。
天気がいいと、灯台のあるケープレインガの先端からThree Kings Island が見えます。死後の魂は、魂の通り道を通って北へと向かいますが、このThree Kings Island で一度立ち止まり、アオテアロア(ニュージーランド)を眺め、最後のお別れをしてからハワイキへの旅を続けるそうです。
神話を知っているとよりディープに楽しめる
ケープレインガは景色のいい観光地で、地の果てに来たと感じることのできる場所です。それと同時に、マオリの神聖な場所でもあります。マオリの神話をたどりながらこの地を観光すると、より深くケープレインガを知ることができます。立ち寄った際に、魂の旅の入り口を探しながら(想像しながら?)歩いてみてはいかがでしょうか?