
Photo: © 中村太一(オーロラ写真家)
地球の極地で見られる発光現象・オーロラ。夜空を彩る神秘的な光は見る人の心を捉えてやみません。「より近くでオーロラを見たい」。世界中のオーロラファンたちの熱い思いが旅行会社、航空会社を動かし、南半球では初となる一般向けのオーロラ観察フライトの就航がこのほど実現。3月23日、夜空へ思いを馳せる乗客たちを乗せた飛行機が南島のダニーデンから飛び立ちます。

Photo: © 中村太一(オーロラ写真家)
南半球で見られるオーロラは「サザンライツ」などと呼ばれ、通常ニュージーランドの南とタスマニアの上空の低緯度帯でしか観測されません。北半球の極域で観測されるオーロラとは異なる点が多く、その珍しさから世界中の天体家に注目されています。今回のフライト企画は「チャーターした飛行機でオーロラにより近づいてみたい」というオーロラファンたちの純粋な希望からスタートしました。

Photo: © 中村太一(オーロラ写真家)
仕掛け人は、オタゴ博物館館長のイアン・グリフィンさん。前NASA(アメリカ航空宇宙局)のスポークスマンで、オーロラファンの一人でもあるイアンさんの発案に賛同者が集い、旅行会社を間に挟む形でニュージーランド航空と交渉。今回の企画のためだけにダニーデン空港とニュージーランド航空が夜間運営するという特別な協力体制が叶いました。
フライト(NZ1980便)はダニーデン空港を23日午後9時に出発し、南緯65度まで着陸せず南下。乗客は窓の外に広がる天体ショーを楽しめるほか、機内では星空の撮影講座などが開かれます。チケットはペアで$3,950〜という価格にもかかわらず、販売開始後全150席が即完売するという人気ぶり。さらにメディアの取材も限られていることから、24日未明に戻る予定の搭乗者の声に注目が集まります。