南北にはThamesから始まりTe Arohaまでの54km。東西には、ソフトドリンクL&Pで知られるPaeroa(パエロア)から、金の採掘で有名なWaihi(ワイヒ)まで25km続く「Hauraki Rail Trail(ハウラキ・レイルトレイル)」は、自然の美しさだけではなく、牧場や地域の産業の軌跡なども間近で目にすることができる、長距離サイクリングコースです。パエロアからワイヒまでのコースは特に、カランガハケ渓谷、滝、ゴールドラッシュの名残、風情ある鉄道など、見どころに溢れています。
カランガハケ渓谷
オークランドから国道2号線沿いにタウランガ方面に向かい、車で約2時間の位置にあるKarangahake(カランガハケ)渓谷。流れる水を取り囲む植物は全く違うものの、緑に覆われたカーブが続く細い道に、なんとなく日本を思わせられます。穏やかな流れの川の中では、犬と一緒に泳ぐ人や釣りをする人の姿が見られます。
国道沿いのカランガハケの駐車場からすぐの位置に吊り橋があります。この橋を起点に、2.5km(所要時間往復で約1時間半)から7km(往復で約4時間)までの複数のウォーキングコースが始まります。コース途中には19世紀後半から20世紀前半にかけて使われていた金採掘加工場遺構、発電所跡、1.1kmの旧トンネル(ライトを持参すると便利)があり、渓谷の景色を楽しむとともに、地域の歴史に触れることもできます。
一部のウォーキングコースは、ハウラキ・レイルトレイルのサイクリングコースにもなっています。カランガハケ渓谷のヒストリックウォークウェイからスタートして、自転車でWaikino(ワイキノ)を目指すことができます。
Goldfields Railway
1905年、ワイヒの金採掘場とパエロアの町を繋ぐ目的で、Paeroa-Waihi Railwayが建設されました。同線は1978年に廃線となりましたが、地域の人々の働きかけにより線路は残され、カランガハケの旧トンネルと6つの橋を含むその一部は、ハウラキ・レイルトレイルのサイクリングコースとして現在も人々に使われています。
ワイキノとワイヒ区間の線路は、1980年にGoldfields Steam Train Societyの手に渡り、この区間のみは今も観光と歴史保存の目的で、一日に3便、運行されています。(ワイキノ発:11:00am、1:00pm、2:30pm/ワイヒ発:10:00am、11:45am、1:45pm ※平日は各方面1便のみ。詳しい情報はウェブサイトでご確認下さい。http://www.waihirail.co.nz/)
ワイキノからワイヒまでは約7km。車で走れば10分もかからない距離ですが、Goldfields Railwayは国道2号線からでは決して見られない景色の中を、約30分かけて走り抜けます。料金は大人往復NZ$18/片道NZ$12。自転車も追加NZ$2で載せられるので、行きは鉄道、帰りは自転車など、組み合わせてみても楽しいのではないでしょうか。
カランガハケ、ワイヒの町にもカフェはありますが、ワイキノ駅構内のカフェは趣があり、一息つくのにおすすめです。ワイヒ駅は町から少し離れた静かなところにあるので、ご注意を。
近隣の町には自転車を借りられる場所がいくつかあります。料金は1日レンタルでNZ$50前後です。詳しくは各町の観光案内所アイサイトなどでご確認ください。
車で走ったことのある道も、自転車で走れば違う景色が見えるはずです。年間を通して温暖な気候に恵まれているベイ・オブ・プレンティですが、春先の今は特にサイクリング日和が続きます。サイクリングコースを事前に調べて計画を立て、日焼け止めや水、ライトなど、十分な装備でお出かけ下さい。
http://www.haurakirailtrail.co.nz/
May
教員、イベントコーディネーター、翻訳者、フリーライター、2児の母。
イベント、アート、教育、食、人を通してニュージーランドを知るべく日々探索中。