オークランドから206kmに位置するタウランガ市は、人口約11万人、ベイ・オブ・プレンティ地方最大の都市です。市を代表するビーチタウン、マウント・マンガヌイは別荘地として人気があり、夏場にはオークランドや近隣の町から人が集まり、活気溢れる町へと様変わりします。
半島状の町の先端に位置する火山マウアオ(マウント・マンガヌイ)を起点に長く美しい砂浜が続き、週末にはマウアオとビーチを望むオープンカフェで地元の人々がブランチを楽しんでいます。初回は、タウランガ市の市章にもなっているこの町のランドマーク、マウアオを紹介します。
地元の人々に「マウント」と呼ばれ親しまれているこの山は、700年前に先住民マオリ族がタウランガに定住した際に、2つの村の拠点となった場所です。先住民マオリ族にとって神聖な場所であるため旅行者向けのアクティビティは行なわれていませんが、山頂までのトレッキングコースと麓を一周するコースがあり、毎日多くの人がウォーキングやジョギングを楽しんでいます。
マウアオベーストラックコース
マウアオの麓を一周する3.4kmのベーストラックコースには、何気なく歩けば見落としてしまう見どころがいくつかあります。パイロット・ベイ側からトラックに入り数分歩いた所に、メイントラックから外れる小道があります。小道を辿れば簡単に砂浜に下りることができ、そこからはスギ林で覆われたマタカナ島と湾内に立つタンガロア像を目にすることができます。タンガロアはマオリ族の海の神様であり、タウランガの港を見守ると共に、訪れる人々を温かく迎えています。
水辺の岩に上って魚を探したり、自然のブランコで遊んだりする家族連れの姿が見かけられます。
マウアオを歩くなら、是非午前中に。かなり高い確率で野生のアザラシを見ることができます。海沿いの岩場に注意しながら歩けば、水中を悠々と泳ぐ姿や、時には陽のあたる岩の上で気持ち良さそうに休む姿を間近で眺めることができます。アザラシは鋭い嗅覚、視覚、聴覚を持ちます。近付き過ぎないなどといったマナーを守り、地元の人たちはアザラシが安心して戻ってこられる環境を保護しています。
山頂までのトレッキングコース
どうせなら登頂したいという方は、パイロット・ベイ反対側、ビーチ沿いのボードウォークから登山口へ。
10分ほど登った所に分岐点があり、海沿いの比較的なだらかな坂道を進むオルアヒネ・トラック(頂上までの所要時間約30分)と、山の中心部の急勾配を登るワイコリレ・トラック(約20分)のどちらかを選んで頂上を目指すことができます。標高223mの低い山ですが、山頂からはタウランガ港と長く続くビーチに縁取られた町が一望でき、一汗かく価値はあります。
「マウントでウォーキングをしたら、麓にあるホットプールでリラックスして、その後は向いのショップでアイスクリームを食べる。それが学生の頃からの定番のコースよ」と現地の友人が教えてくれました。全身でマウント・マウンガヌイを満喫できるフルコース、是非一度真似してみてください。
May
教員、イベントコーディネーター、翻訳者、フリーライター、2児の母。
イベント、アート、教育、食、人を通してニュージーランドを知るべく日々探索中。