今回は前回の続きで、複数の言語を話す子供のデメリットについて述べたいと思います。
複数の言語を話す子供にもメリットばかりではなく、デメリットもあるようです。今回は、そのデメリットについて述べたいと思います。
デメリット:
- ● 時間、労力、金銭面で負担になる
- 複数の言語を習得するのは、子供にとっても親にとっても負担になります。僕のような環境なら割と自然に複数の言語を話す子供に育つかもしれませんが、日本に住んでいて、両親が日本人ですと、子供に英語を習得させるために英会話スクールに通わせたり、英語教材などを使用したり、親子共々相当時間やお金を費やすことになるでしょう。僕の子供も、現地校と日本語補習校の両方へ通って結構忙しいです。
- ● 言語の発達に遅れが生じる
- 複数の言語を話す子供は、モノリンガルの子供にとって言語の発達が遅いと言われます。確かに自分の子供も同年代のモノリンガルの子供に比べてそれぞれの言語の語彙や理解度は遅れているように思います。僕の子供も、現地校のクラスの発表会では話をする役は、ほとんどモノリンガルの子供がして、僕の子供を含む複数の言語を話す子供は、話さなくてもいい役になってしまいます。それぞれの言語のインプットの量が少ないのである意味仕方がないですよね。人は言葉で思考するので、言語の遅れイコール思考の遅れになります。しかし、歳をとるにしたがってその差は少なくなっていくらしいです。
- ● モノリンガルの生徒にごまかされる
- 複数の言語を話す子供は、ある時期までは同じ年齢のモノリンガルの子供ほど説明がうまくできません。したがって、悪いことをした犯人にされやすいです。例えばケンカなどをした場合、親や先生は両方の子供に原因などを聞くのですが、モノリンガルの子供は、自分の都合がいいように説明するので、どうしても複数の言語を話す子供は、うまく説明できなくて結局犯人にされたりします。また、うまく説明できない苛立ちと、口ゲンカではかなわないので暴力に走ったりすることもあります。
- ● セミリンガルになる可能性がある
- セミリンガルとは、どちらの言語も中途半端なことを言います。日常生活程度ではさほど困らないでしょうが、就職や高度な学習が難しくなる可能性があります。また、人との付き合いで問題が生じる場合もあります。
- ● アイデンティティークライシスが起きる
- アイデンティティークライシスとは、自分はどのグループに属しているのかが分からない中途半端な存在と思うことです。これは、両親が同じ国籍でない場合や、幼児から外国に住んでいる複数の言語を話す子供に多いようです。
- ● 就職先が限定される
- 贅沢な悩みかもしれませんが、複数の言語を話せるということで、どうしても言語を使う仕事に目先が行ってしまって、本当にやりたい仕事に就けなくなってしまう可能性があるかもしれません。
- ● 帰国子女として扱われる
- 日本に帰るとちょっと変わった人というレッテルを張られていじめなどにあう可能性があるでしょう。
大人ならまだしも、子供だと文化の使い分けをするのは大変だと思います。
まだまだあると思いますが、思いついたままに列挙してみました。
納得できない方もいらっしゃるかもしれませんが、“こういう考え方もあるんだ。”ぐらいに捉えていただければと思います。
次回は、自分の子育て経験をシェアしてみようと思います。