今回は前回の引き続き、大人になってからの言語習得の後編です。
日本語の情報に頼る
やはり、読み聞き慣れた母国語に頼りがちになります。調べ物をするにも日本語サイトで調べたりしてしまいます。これは、ものすごいメリットだと思います。少なくとも一つの言語が確立されているので、難しい内容のことは日本語に頼ることができるからです。特に日本語での書籍は多いので、英語で分からなければ日本語で読むことができるわけです。
しかし、このことによって、他言語の習得が遅れるのも事実です。日本語の字幕付きの外国語の映画を見ていても、最初のうちは頑張ってその言語で見ているのですが、いつの間には日本語の字幕を見てしまっていたり、英語と日本語のマニュアルがある場合は、やっぱり日本語のマニュアルを読んでしまいます。
日本語を使うポジションや、日系の会社に勤めやすい
オーナーが日本人の会社や、日本人を相手にする会社だと、就職に有利な場合があります。それは、より日本の文化や習慣に詳しかったり、同じ日本人どうしというインサイダー的な感覚が働くからでしょう。
仕事でのデメリット
言語を仕事で使う場合は、日常会話レベルでは足らない場合があります。大人になってからの言語の習得で、ビジネスレベルまで持っていくのは相当の努力が必要です。職種やポジションにもよりますが、ビジネスでは使えないという場合が多いです。例えば、マネジャーや同僚ぐらいとは会話できるのですが、外部の人を相手にしたり、重要な会議に出席するには問題があるという場合があります。ニュージーランドの会社だと、英語力はやはり大切で、出世にも影響することがあるようです。
差別ということではなく、コミュニケーション力が大切だということです。
そればかりか、日本語に接する時間が短くなって漢字を忘れたり、日本語の新語に追いていけなかったりして、セミリンガルのような状態になってしまうかもしれません。
言語と態度の不一致
言語と態度が不一致なことが気になることがあります。例えば、英語で話しているのに、お辞儀をするといった言語と態度が不一致だと違和感があります。たとえ言語と振る舞いが一致していても、わざとらしいというか、大げさというか、なぜか違和感がある場合があります。
言語の習得は文化の習得でもあります。それで言語の習得につれて、その国の文化や習慣、マナーも習得することになります。それはメリットでもありデメリットでもあると思います。2つの文化をうまく使い分けられればメリットになりますが、間違って使ってしまうと対人関係などで問題が生じる場合があったり、滑稽だったりします。
日本の良い所、悪い所を再発見する
言語の習得を通して、その国と日本の違いを知ることになります。それによって日本の良い所、悪い所を再発見することができます。
まだまだあると思いますが、自分の経験と偏見で書いてみました。もちろん人それぞれ違います。日本では、最近小学校から英語教育をするようになったし、日本でも外国人に接するチャンスが増えてきたので、上記のことは、だんだん減ってくるでしょう。