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第5回 英語だけでなくマオリ語も学べるニュージーランドの保育園

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最近、僕の働いている保育園では熱心に子どもたちにマオリ語を教えています。

マオリ語というのはニュージーランドの先住民、マオリの言葉です。ニュージーランドの公用語は、実は英語とマオリ語です。実際には、人口約440万人のこの国で、マオリ語しか話せない人はほとんどいないようので、みんな英語が話せるのですが、保育園に来る子どもは、ごくたまにマオリ語しか話せない子もいます。英語を話すことができれば生活できるので、大人になるにつれマオリ語が話せなくなるのですね。

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ニュージーランドの教育省は、公用語であるマオリ語がこうして消滅していってはいけないということで、指導要領にあたるカリキュラムに、「英語圏(イギリス)の文化とマオリの文化を同じように学びましょう」と書いています。詳しくはNZのEducation Review OfficeのHPをご覧ください。

05-02そして、僕の経験からも、マオリ語を教えている保育園や幼稚園は評価が高いという傾向があります。

以前、日本の短大卒でニュージーランドの保育士資格を申請した知人は、保育士資格を取るために、大学か専門学校でマオリ文化の単位を取る必要があったそうです。

僕も保育園で、積極的にマオリの文化と言葉を学んで子どもたちに伝えたり、教えたりしています。実はこのマオリ語は、学べば、学ぶほど、日本との共通点が多いのです。

まず、その発音です。
例えば、
ネル(ngeru) は、マオリ語で、
クリ(kuri) は、マオリ語で、
カキ(kaki) は、マオリ語で、
あと、日本語の擬態語、擬音語に似ているものもたくさんあります。
例えば、
パキパキ(pakipaki) ・・・ 拍手
カニカニ(kanikani) ・・・ 踊る
フリフリ(furifuri) ・・・ 回る
ニエニエ(ngenge) ・・・ 疲れた
ラキラキ(rakiraki) ・・・ アヒル

保育園で教えているのは、上記に書いた単語や、日常で使えるフレーズです。

例えば、「私は、疲れた」というとき、「ケイテ ニエニエ」と言います。2歳児以上のクラスでは、こういうフレーズを朝の集まりのときに、覚えています。

 ニュージーランドに実際に来るまでは、英語圏の保育園で、英語以外の言語を子どもたちに教えることになるとは思っていませんでしたが、マオリ語は日本語と似ているので、とても楽しいです。

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こちらは、先日、マタリキというマオリの新年をお祝いしたときの写真です。マタリキでは、日本の元旦と同じように凧揚げをします。お散歩の時間に子どもたちと一緒に凧揚げをしました。このように、日本とマオリは言語だけでなく慣習にも共通点があります。

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Naoki Yajima
日本で7年保育士として働き、保育の修士号を取得した後、ニュージーランドに移住。
オークランドの保育園で働いてもうすぐ2年です。
 
ブログ: ♡ オトメン保育士のニュージーランドライフ ♡