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第3回 卒園も進級もバラバラなニュージーランド

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今回は、ニュージーランドの保育園の進級や卒園式について書いていきたいと思います。

僕が日本で働いていた保育園は、日本では珍しいと言われる異年齢クラスでした。0歳、1~2歳、3~5歳の年齢で分かれていて、それぞれ2クラスずつありましたが、一般的な日本の保育園は、0歳から5歳まで学年によって分かれていて、一学年に1クラスですよね。すると、4月から新年度が始まり、一年間同じ先生や子どもたちと過ごし、一年後にはみんなで一緒に進級するということになります。

では、ニュージーランドはどうでしょうか?

ニュージーランドの保育園では、卒園も進級も、子どもによってバラバラです。 クラス編成は園の規模、部屋数によって違いますが基本的には、保育室が2つある園の場合、2歳以下のクラスと、2歳以上のクラスです。

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保育室が3つある園は、2歳以下のクラス、2歳から3歳半のクラス、3歳半以上のクラス。保育室が4つある園(僕が前に働いていた園)。2歳以下のクラス、2歳から3歳のクラス、3歳から4歳のクラス、4歳以上のクラスで分かれます。

そして、ニュージーランドでは、子どもが上のクラスに行く年齢に達したら、つまり、誕生日が来たら、上のクラスに進級します。 例えば2歳になる子どもがいたら、誕生日より2~3週間前から、2歳以上のクラスで生活してみて、慣れてきたら保護者の方と話して、進級になります。しかし、子どもがまだ慣れていない場合は、無理に上のクラスに上げることはないですね。

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また、園の事情として、上のクラスの子どもの数がいっぱい過ぎて先生の数が足りない状態なら、1、2か月は下の年齢のクラスで待ってもらうこともあります。すべて保護者に相談して決めています。逆に、まだ年齢が達していないけれど、上の年齢のクラスに入れてほしいという希望があれば、慣らし保育で様子を見て決めています。子どもの成長速度はみんなそれぞれですもんね。

僕は、そういうフレキシブルなところがニュージーランドのいいところだと思います。保育園側も、保護者さんも、ゆったりとした雰囲気があります。

ひとつだけ、さみしいなと思うことは、日本の保育園のような卒園式がないことです。

ニュージーランドでは一般的に、子どもが5歳になったら小学校に行くので、卒園の時期がバラバラです。 あんなに毎日一緒に遊んだのに、子どもたちは5歳の誕生日を迎えたら、あっさり保育園を去ってしまいます(笑)。

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通園最後の日には、だいたい午後の早い時間に保護者さんが着て、一応お別れ会をします。5歳になってもしばらく保育園に通わせる保護者もいます。この辺りもフレキシブルなニュージーランドですね。

日本の保育園での卒園式で僕は、毎回、みんなが大きく成長した姿を見ると思いが溢れて号泣してしまいました。卒園式は、保育士にとっても大きなイベントだったのです。

最近は、ニュージーランドのスタイルにも適応できてきましたが、やっぱり毎日成長を見守っている側としてはちょっと寂しいです。だから、遊べるときに、子どもたちとたくさん遊ぼう!と思っています。

Naoki Yajima
日本で7年保育士として働き、保育の修士号を取得した後、ニュージーランドに移住。
オークランドの保育園で働いてもうすぐ2年です。
 
ブログ: ♡ オトメン保育士のニュージーランドライフ ♡