ニュージーランドの留学や移住、起業、旅行、就職など総合情報サイト

×

メッセージ

ログインしてください - Please log in

ログインしてください - Please log in

ログインしてください - Please log in

第4回 何度断られても、自分を信じた彼の就職活動

『海外移住に憧れて、料理人カップルがNZをゆく』の記事一覧へ

第4回 何度断られても、自分を信じた彼の就職活動

妥協しない強い気持ち

日本での和食をメインとした調理経験から、なんとか日本食レストランで就職先を見つけることができた私。 これで、どうにか二人分の生活費の足しになると、少しだけ安堵しました。というのも、彼の方の就職活動がかなり難航しそうな兆しがあったのです。 彼は私よりも長い調理師としての実務経験がありましたし、何より働き盛りの20代後半の健康な男性。ただ専門としていたのが洋食料理(主にフランス料理)だったのです。

前回のコラムでも書いたとおりNZの日本食レストランでは慢性的な調理師不足の傾向があるので、和食経験者で無いとしても、調理師免許も所持しており経験もありましたので、希望すればきっと雇って下さった所もあったかと思います。実際に私が働き始めたお店でも人出が足りなくて困っている同業者のお店はかなりあるから、彼にどこか紹介しようかとも言ってくださったぐらいでした。

でも彼がこだわったのが、日本食レストランではなく、自分のバックグラウンドを活かした洋食レストランでの就職活動でした。やはり自分がこれまでやってきたことが、海外に出てどれだけ通じるのか試してみたいというのと、NZの洋食レストランがどんな感じなのか実際に見て、働いてみたいという思いが強かったからです。

さらに2人共日本食レストランで職を得ると、日本人のコミュニティーをメインとした生活になり、英語をしゃべる機会も自ずと減ってしまい、今後の2人のために良くないのではないかと考えたそうです。

妥協しない強い気持ち

立ちはだかる英語の壁

強い決意を胸に彼の就職活動が始まりました。現地の洋食レストランで仕事を探すということは、当たり前ですが英語での就職活動になります。 NZの求人サイトTrade me(http://www.trademe.co.nz/jobs)やSeek(http://www.seek.co.nz/)そして新聞などありとあらゆる媒体をチェックし、気になる所にCV(履歴書)を送り、実際に歩き、車で走って良さそうなお店を見つけては直接CVを出し続けました。

長い実務経験があるからか、CVを出した半数以上のお店からは興味を持ってもらい連絡をもらう事ができました。 ですが電話での英語対応がままならず、そのまま急に電話を切られてしまう事、なんとか面接までこぎつけても、やはり英語力を理由に断られてしまう事ばかりでした。

それでも諦めずに続けることで、徐々に電話や面接時にされる英語での会話の流れを覚え、場数を踏むことで次第に慣れ、少しずつ英語で自己アピールすることもできるようになっていきました。

その後オークランドでも誰もが知るホテルを含め数軒のレストランで1日トライアルをさせてもらうチャンスも得るにまでなりました。トライアルの内容は様々。一つ例をあげると、ここにある材料を使って一品好きなものを作りなさい。と言うスキルと想像力、仕事の丁寧さ綺麗さを一気に試されるような物も。

技術力では他の候補者に劣らぬとも、やはり英語力の問題で最終選考を落とされてしまった苦い思い出もありました。 当時彼はあまり表に感情を出さないようにしていましたが、内心とても焦りと不安を感じているのはひしひしと伝わってきました。

なかなか自分の実力が認められない事、英語力の問題のもどかしさ、彼女である私が先に仕事を見つけてしまった事、不安定な収入・・・ 彼の就職が落ち着かないまま一ヶ月以上が経ち、世の中はクリスマス・年末の季節になろうとしていました。

立ちはだかる英語の壁

繋がっていくイタリア人との縁

そんな時、WWOOFでお世話になったイタリア人ファミリーのマンマから、イタリアン料理教室のお手伝いに来てくれないかと頼まれ2人で行くことになりました。 そこで彼が仕事探しに苦戦していることを伝えると、マンマもパパもどうにか力になれないかと知り合いに尋ねてくれるとになったのです。

その後程なくしてパパから連絡を受けて1軒のイタリアンレストランを紹介してもらいました。フレンチの経験はあるものの本格的なイタリアンの経験は無かったのでダメ元で面接に行ったのですが、彼のやる気を買ってくれて、ついについに仕事を得ることが出来ました。

結果的にKIWIオーナーのレストランでの雇用ではなかったけれど、そのお店はオークランドでも歴史あるイタリアンレストランだったのと、イタリア人との縁を感じずに入られず、彼もそのお店で頑張っていく決意をしたのでした。それまで英語で悪戦苦闘していたのに、今度はイタリア語も覚えないといけなくなったのですけどね笑。

もちろんイタリア料理も。 彼のメインスキルはフランス料理でしたが、イタリアンも大好きでしたし、イタリア人オーナーと一緒に働けるなんて事は中々無いチャンスなので、自分のスキルアップにもなるだろうという思いもありました。

繋がっていくイタリア人との縁

それまでの苦労をずっと一番近くで見てきた私も本当に嬉しかったです。そして最後まで自分の信念を貫き通して就職活動をした彼をとても誇らしく思いました。さらに彼のこだわりの就職活動は、今後の2人にとって実際にプラスになっていくものでした。 こうしてなんとか二人共仕事を得て、NZで初めての年越しを迎えることができたのでした。

つづく・・・

アラサー主婦ERIKA

職業シェフ・バリスタ
2010年ワーホリでNZへ。
2014年永住権取得。
2015年オークランドからネルソンに移住。
日々の様子をブログに更新中『アラサーカップルのワーホリ日記inNZ