永住権取得までの道のり
永住権という大きな目標がクリアできたというのは、本当に嬉しいものでした。それまでは日々の生活の中でもワークビザの有効期限がいつも念頭にあって、更新時には毎回気を揉み、その都度かかる申請料も痛い出費でした。
何よりも一番嬉しかったのが、主人のビザ関連による精神的重圧(プレッシャー)から開放してあげることができたこと。ワークビザ・永住権のサポートにも協力的だったイタリア人オーナーには大変感謝しており、今でも良好な関係が築けております。でもそれは主人の日々の努力の積み重ねがあったからこそサだと思います。
4年間の就業期間の来歴には、本当に様々なできごとがあり、楽しい事もたくさんありましたが、中には理不尽な事も少なからずあったそうです。それでも踏ん張り続けたのは、私達のワークビザは主人をメインの申請者として取得していてたからです。
ワークビザ取得者は、基本的には同一雇用主の元で働くという条件があります。メインの申請者のワークビザが取り消されてしまうと、同時にパートナーである私のビザも解消されてしまう為、一人だったら何もかも投げ出して日本に帰る事も考えた時もあったそうですが、2人の将来の為に一日も欠勤せず頑張ってくれた主人には感謝しかありません。
永住権取得後の次なる目標は・・・?
永住権取得後もイタリアンレストランは相変わらずの盛況で、ありがたいことに常連客も多く忙しい日々でした。私はフロアマネージャー、主人はヘッドシェフとして多くの仕事を任されていたので、担う責任も大きかったのですが、とてもやり甲斐のある仕事でした。又、そうして営業に大きく携わることでビジネス経営という面でも大変勉強になりました。
料理人として、「いつかは自分のお店を持てたらいいな」と、かねてから夢をもっておりますが、ここで働かせていただいた経験からそれがNZで実現できないものかと考えるようになりました。
そんなとても思い入れのある職場でしたが、今後の将来を見据え2014年の年末をもって退職する決意をしました。お店の規模は大きくなく従業員も充分にいる職場ではないので、2人が同時に辞めることで大きな変化をもたらすことはわかっていた為言い出すのは苦渋の決断でした。
しかし長年家族ぐるみの付き合いをしてきたボスは私達の将来の夢を以前から知っていたので、その時がきたか、と心よく送り出してくれたのは本当に嬉しかったです。
オークランドの地価の高騰問題に直面する
イタリアンレストラン退職後はマーケット出店や、Takeawayのお店など2人で初められる小規模なビジネスをスタートしたいと考えていました。さらに、4年のNZ滞在の間にかなり荷物も増えてきていたので、今まで通りフラットするのではなく、二人暮らしをするために引っ越し先も探し始めました。
そこで直面したのがオークランドの地価の高騰という問題。ニュージーランドの全人口の1/3が暮らすオークランドでは、人口密度も高く近年不動産価格が加速的に上がっています。いざ自分たちで物件を探し始めると、すぐさまそれを実感することになり大きな壁にぶつかります。
ビジネスを立ち上げる、又は購入する初期投資・・・
ビジネス物件の家賃の支払い・・・
二人暮らしを始めるアパート、ユニットなどの家賃の支払い・・・
乱立するレストラン業界の中にどう参入していくのか・・・
期待を胸に仕事を辞め次のステップの為に動き出したにも関わらず、以上の様な事柄を考えると資産の少ない2人にとって、オークランドでの起業、新生活はあまりにも現実味がない事に思え、いきなり立ち往生してしまうのでした。
初心に返る。始めての南島旅行で気づいたこと。
2015年の年明けに始めての南島旅行に行きました。北島は短期の旅行で色々旅して回りましたが、南島には一度も行ったことがありませんでした。ビジネスを初めたり、新たな仕事に就いたらまた当面旅行もできなくなるので計画したものでした。当初は、旅行前に少なくとも引越しは決めておく予定だったので、二進も三進もいかない状況に今後の生活に不安を覚えながらの出発となりました。
そんなわけで南島を回りながら、ビジネスチャンスや移り住みたい街があるのかどうか、を一応考慮することにしました。ただそうはいっても、思い入れのある住み慣れた街、そして友人、お世話になった方々がたくさんいるオークランドから出るという選択は無いだろうと踏んでいたのですけどね・・・
旅の行程はクライストチャーチから2週間かけてレンタカーで南島を時計回りに一周するというもの。各地の主要都市、名所を訪れると北島とはまた違った「ニュージーランドらしい」景色、暮らしぶりを見ることが出来ました。
そんな美しい大自然を旅する中で、ちょっと忘れていた2人にとって大事なことに気が付きました。
「なぜ、日本から出てニュージーランドに住みたいと思ったのか?」
そんな風に改めて考えてみると、毎朝当たり前だった通勤時の40分の渋滞にも疑問を感じ、オークランドにこだわらずとも、もっとNZらしい暮らしをしてもいいのではないかと考えました。
そして旅の途中で訪れた南島は北東部にある「ネルソン」という街に出会ったことで、その考えは明確になり、旅を終えてオークランドに帰ってからなんと一ヶ月後には引っ越しを決行することになるのでした。
つづく・・・
アラサー主婦ERIKA
職業シェフ・バリスタ
2010年ワーホリでNZへ。
2014年永住権取得。
2015年オークランドからネルソンに移住。
日々の様子をブログに更新中『アラサーカップルのワーホリ日記inNZ』