永住権の申請方法について知る
ニュージーランドの永住権(Residence Visa)の申請には、基本的に4つのカテゴリーがあります。「技能移民」「投資家」「起業家」「家族」部門がそれにあたります。私達は投資したり、起業するほどの資産もないですし、ニュージーランドに永住権を持っている家族もいませんので、選択肢は一つ。「技能移民部門(Skilled Migrant Category)」のカテゴリーで、永住権の申請をしました。これはNZの発展の為に、国外から技能・技術を持った移民を受け入れる為に設けられています。
申請は第一次審査としてオンラインで行う「EOI(Expression Of Interest)」という物があります。ポイント制になっており、それを通過すると本申請となります。本申請は基本的にはワークビザと同じで、自分が持っている資格や、職歴、学歴の証明証を提出するのですが、証書などはコピーではなく、全て原本で提出しました。
さらに、主人が卒業した調理専門学校がニュージーランドではどのぐらいのレベルに値するのか、「NZQA(New Zealand Qualifications Authority)」という機構で予め査定してもらう必要もありました。その為、卒業証書以外にも成績証明書などが必要になり、学校に依頼して改めて発行してもらうなど、ワークビザの時よりも、より詳しい書類が求められました。もちろん英語力も必要です。
電話がいつくるか!?そわそわする日々
必要な書類を全て揃え終わり、本申請を終えちょっと一段落・・・と、思いきや今度はヒヤヒヤする日々が始まりました。
本申請の段階としては、
- 申請書類が移民局に受理される
- 担当のオフィサーが就く
- 審査開始→電話での事実確認(英語力の調査)
- 必要であれば追加書類の提出を要求されたり、面接等が設けられる
- 結果が出る
というのが一般的な流れだと思います。
この結果がでるまでの期間は、2ヶ月という人もいれば、半年、一年も待たされたという人もいる程それぞれ。その間申請者はやきもきした日々を過ごすことになるのです。特に担当オフィサーが決まり、いよいよ審査が開始されると、多くの場合担当者から電話がかかってくるそうです。その時の電話応対で、申請内容と違う事を言ってしまったり、英語での受け答えがしっかりできないと、その後の審査が長引いてしまう事も多いのだとか。
私達も担当者が決まってからは、いつ電話があってもおかしくないので、電話を気にしながら仕事中もそわそわしていたのを覚えています。結果、主人・職場のボス・私に一人5分から15分程度の電話がありました。
内容は、特に難しいものではありませんでした。家族の名前、職場の名前、どのような店なのか、本当に事実確認といった感じでした。私も主人も英語力には自信がある方ではないので、この電話のやりとりが無事終わって本当にホッとしました。あとは結果を待つだけとなりました。
ついに念願の永住権を取得!
EOIの申請をしたのが2013年の10月頃でした。そして年が明けて2014年の2月の末に本申請をしました。 その後4月に担当が決まったと連絡があり、オフィサーから電話があったのが5月入ってすぐでした。
そしてついに嬉しい結果が出たのが5月末。本申請をしてから3ヶ月というのは、とても早い方に入るのではないかと思います。2010年の10月に始めてワーホリでNZに来てから、3年7か月で念願の永住権取得となりました。
それに至るまでは途中何度も挫折し、日本に帰ろうかとまで考えたこともありました。英語力の問題、仕事がうまくいかなかったり、ビザの問題で雇用主と少しもめることも。ビザを申請するにはもちろん費用もかかります。申請代以外にも、日本語書類の翻訳料、健康診断料、コンサルタント費などなど。そうまでして、NZに住み続けたいのかと、自問自答することも・・・
でも日本にいる頃は、夢のまた夢と憧れるだけだった永住権が、実際に住むようになってから少しずつ現実の目標として見据えることができました。悩んだり行き詰まった時には少しドライブしてNZの壮大な大自然の中に身をおくことで、自分の小ささ未熟さに気付かされ、すぅっと肩の力が抜けリフレッシュできました。
そして改めて考えると最後には「やっぱりNZが好き」というシンプルな答えに戻り、最後まで諦めずに永住権申請、取得まで辿り着くことができたのだと思います。
ホンギでKIWIの仲間入り!?
永住権を取得できたのをお世話になっている周りの方々に報告した時に、とても感動し印象に残っている出来事がありました。 それは、我々夫婦が働いていたイタリアンレストランの常連のお客様に、Maori・マオリ(NZの先住民族)の方がいるのですが、私達が永住権取得を目指していると知り、それからずっときて気にかけて応援してくださっていたのです。
そしてついに無事取得できたことを報告した時に、「Welcome to New Zealand」という言葉と共に、マオリ族伝統のHongi・ホンギという、お互いの鼻と鼻を付けて行う挨拶の儀式をしてくれたのです。
マオリ族は、神が与えてくれた生命の息吹が鼻から流れこむと考えているそうで、その神聖な鼻と鼻どうしを合わせるというのは、お互いに敬意を表し、その地の一員、仲間として迎えられたということを意味するそうです。
その素晴らしい体験をした後、改めて鼻から大きく深呼吸をすると、じわじわと永住権取得の実感が湧いてきて、これからこの国で私達にどんな事ができるのか、鼻息荒く考えを巡らせるのでした。
つづく・・・
アラサー主婦ERIKA
職業シェフ・バリスタ
2010年ワーホリでNZへ。
2014年永住権取得。
2015年オークランドからネルソンに移住。
日々の様子をブログに更新中『アラサーカップルのワーホリ日記inNZ』