2016年8月に行われるニュージーランド・ファッションウイークで、日本の着物を利用した「キモノコラボ」の発表が計画されています。
シンガポールで生まれた新発想のファッションプロジェクト
日本の伝統衣装である着物。現在も素晴らしい文化として継承されている一方、多くの古い着物が処分されています。
そんな状況に心を痛め、美しい着物をリユースしたプロジェクト「キモノコラボ」を立ち上げたのがコリンズ紀子さん。ニュージーランド人の夫と結婚し、約18年間シンガポールで暮らしていた紀子さんは、長年金融機関で働き、ファッション業界とは無縁でした。しかし大阪でビンテージ着物店を経営する友人から「中古販売でもさばけなかった古い着物は捨てられる」という話を聞き、どうにかこの着物を再利用する方法はないかと考えたそうです。
2014年、紀子さんの想いは現実となり、古い着物をモダンなファッションに変身させた「キモノコラボ」が誕生しました。大阪の着物店の協力で分けてもらったおよそ100kg、約120点の着物や帯を使い、トーマス・ウィーやヴィック・リムといったシンガポールのトップデザイナー10人がデザインを担当。シンガポール高島屋と契約を結んでポップアップストアをオープンし、地元メディアにも大々的に取り上げられるなど注目を集めました。
200点以上揃えた商品は完売し、その後もシンガポール高島屋でこれまでに3回の催事販売が行われ、いずれも大盛況。着物がジャケットやドレスに生まれ変わったほか、裁断の際に余った切れ端で小物を作ったり、細かく刻んでぬいぐるみに詰めるなど、一切無駄にしないそう。エコロジーなこともこのプロジェクトの特長です。
ニュージーランドでも「キモノコラボ」が始動!

「キモノコラボ」創設者のコリンズ紀子さん
2015年2月、コリンズ紀子さんは家族とともにオークランドへ移住。シンガポールの「キモノコラボ」はそのまま続けますが、ニュージーランドでも同様の活動をしたいと行動を開始しました。
ところがシンガポールと違い、ニュージーランドには高島屋のような大手デパートは存在しません。そこで紀子さんはこの国最大のファッションイベントであるニュージーランド・ファッションウイークに打診。ユニークなアイディアが評価され、特別タイアップ企画がスタートすることになりました。
ランウェイ、音響といったハードコストはニュージーランド・ファッションウイーク、モデル、メイクアップなどのソフトコストはキモノコラボがそれぞれ受け持つことで話が進み、今はこの企画の実現に向けてスポンサー探しやクラウドファンディングで資金を募っているところです。
ニュージーランド・ファッションウイークが開催されるのは2016年8月22日~28日。準備にかけられる時間はあまりありませんが、もし資金調達ができれば、ファッションウイークに参加するデザイナー約30人とのコラボで、着物を使ったニューファッションがお目見えします。期間中、オークランド・アートギャラリーでのエキシビションやサイレントオークションによる商品の販売も予定されているとか。日本とニュージーランドのアートが融合した新しい形の「クールジャパン」に期待が高まります。こちらのプロジェクトについてさらに詳しく知りたい方、また応援したい方はフェイスブックや公式サイトを要チェックです!
キモノコラボ/Kimono Kollab
- フェイスブック
- : www.facebook.com/KIMONOKOLLAB
- 公式サイト
- : vanguardvillage.wix.com/vanguard