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NZ情報サイト運営者 長田雅史

NZ情報サイト運営者 長田雅史

ニュージーランドと日本を結ぶ活動を考えています。

思わず唸るようなトリビアから日常生活のちょっとしたエピソードまで、ニュージーランドのさまざまな情報を発信する人気サイト「日刊ニュージーランドライフ」。同サイトを手がける長田雅史さんは2014年に約6年暮らしたマルイア・スプリングスからウェリントンに拠点を移し、英語コラムサイト「日刊英語ライフ」も立ち上げて本格的にサイト運営事業をスタートさせた。新天地での生活を満喫しながらニュージーランドの魅力を発信し続ける長田さんに話を聞いた。

生活を変えるためニュージーランドへ

日本ではあまり知られていないニュージーランドの意外な素顔やトリビアを毎日紹介し、ニュージーランドファンから厚い支持を受けている情報サイト「日刊ニュージーランドライフ」。2011年よりスタートした同サイトと、2014年に立ち上げた英語コラムサイト「日刊英語ライフ」を運営しているのが、ウェリントン在住の長田雅史さん。2005年にワーキングホリデーを体験してニュージーランドにハマった長田さんは、この国での暮らしが忘れられず、仕事を得て2008年に再度移り住んできた。

「ワーホリ前は日本でコンピュータ関連企業に勤めていました。現在はサイト運営を本業にしていますが、現在の知識は当時から培ったものです。プロダクトマネージャーのような役割だったのですが、とにかく多忙で休みも取れなくて、人生に行き詰まりを感じていたんです。ちょうどその頃、雑誌でオーストラリアのパースに移住した人の記事を読み、思い切って海外へ出て今の生活を変えようと決めました」

長田さんは漠然と“ワーキングホリデーに行くならニュージーランドがいい”と思いをめぐらせていたという。下見のためにこの国を旅し、その気持ちが固まったそうだ。

「大国や都会には興味がなかったので、オーストラリアよりも田舎の印象が強いニュージーランドに惹かれました。当初は世界一周の旅も考慮したのですが、ニュージーランド旅行中、自分があまりにも英語が話せないことに愕然として(笑)、この語学力では世界を回るのは無理だからワーホリにしようと決心しました。その時オークランドにも滞在しましたが、自分には大きすぎる街だと思い、ワーホリ期間のほとんどをロトルアで過ごしました」

ロトルアでは小学校でのボランティアも経験したという長田さん。のびのびと育つ子供たちとの触れ合いがニュージーランド移住への決め手となったと話す。

「その頃はまだ独身で結婚の予定もありませんでしたが、子供たちの様子を間近で見て、子育てというか、家庭を持つならニュージーランドがいいなと憧れました。海外で暮らすのに不可欠な英語力に関しても、渡航前はTOEIC315点ほどでしたが、ニュージーランドのすぐ後にカナダでもワーホリをしたので、800点程度まで伸ばすことができました。カナダから一旦日本に帰国しましたが、どうしてもニュージーランドに戻りたくて、運よく仕事を見つけて帰ってくることができました」

山奥の温泉宿で情報サイトをスタート

二度目のニュージーランド生活を南島のマルイア・スプリングスで開始した長田さん。ここは日本人が経営する山の中の温泉宿で、最寄りのスーパーマーケットへも車で1時間ほどかかるという人里離れた場所に位置している。長田さんはかの地でホテルのフロント業務から併設レストランでのバリスタ、統括マネージャーなどさまざまな業務を担当した。

「2008年にマルイア・スプリングスへやってきて、2011年から『日刊ニュージーランドライフ』をスタートしました。海外で生活するとブログを始める人が少なくないでしょう。僕もそのうちの一人だったんですが、なにしろ山の奥深くで従業員以外は誰も暮らしていないようなところにいたから、書くことがなかったんですよ(笑)。でもうっかり“日刊”と名づけてしまったので、何か毎日書かないとな~と思って、ニュージーランド関連の情報やニュースを発信するようになり、現在のスタイルへと移行していきました」

日本にいる頃はIT系のブログを運営していたこともある長田さんは、その時に学んだネタ探しのノウハウをニュージーランドの情報収集にも応用しているという。読者も順調に増え、2014年7月には300万ページビューを達成した。

「読者の7~8割は日本からアクセスしています。“以前ニュージーランドに住んでいた、もしくは旅行などで訪れたことがあってこの国が好き”という方が多いようです。そのためかニュージーランドの旅行やお店の最新情報よりもこの国のいい部分やユニークな面にスポットを当てた記事に反応があります。最近だと“8時間労働を世界で最初に始めた国はニュージーランドだった”とか。年齢層は高校生から70代以上までさまざまで、男女比率もほぼ半々ですね」

マルイア・スプリングスでの仕事をこなしながら日々の更新も行っていた長田さんだが、2012年に永住権を取得し、また結婚したことを機に、新たなステージへ進むことを決意。マルイア・スプリングスを退職し、首都ウェリントンへ引っ越した。

「家庭を持つならもっと子育てに適した環境へ移りたいと思いました。ウェリントンを選んだのは仕事がしやすいこと、そして街の規模が大きすぎず、小さすぎず、ちょうどいいサイズだったから。知り合いがたくさん住んでいて土地勘もあるクライストチャーチに移るという手もあったけど、どうせ引っ越すなら新天地でチャレンジしたいと考えました」

ニュージーランドと日本を結ぶ仕事がしたい

長田さんが夫妻で2014年1月末にウェリントンへ居を移し、半年以上が経過した。ウェリントンライフにはとても満足していて、特に街の中心部がコンパクトでどこへ行くにも徒歩圏内という点と、カフェのクオリティが高いことが気に入っていると話す。

「僕も妻も元バリスタなのでコーヒーが大好き。ウェリントンは世界有数のカフェの街で、おいしいコーヒーが楽しめるんですよ。街も洗練されていてキレイだし、海も山も近くて最高の環境です」

ウェリントンに腰を落ち着けた長田さんは、今後サイト運営を中心に、日本とニュージーランドを結ぶような活動をしたいそうだ。日本人にニュージーランドのことをもっと知ってほしいし、またその逆にニュージーランドの人々にも日本のことを紹介したいという。

「ニュージーランドはほかの国に比べるとどうしてもマイナーですよね。そこがいいところでもあるんですが、もう少し日本で知名度が上がってもいいんじゃないでしょうか。また、ニュージーランドで暮らすうちに日本のよさも見えてきたので、日本の素晴らしさを再発見できるようなサイトを運営してみたいとも思っています。ニュージーランドも日本もどちらもとてもいい国なので、両国を結ぶお手伝いができないかと。例えば私設観光局のような、自分にできること、新しい発信手段を常に考えています」

ニュージーランドの魅力を伝えるべく、情報収集に余念がない長田さん。日刊ニュージーランドライフを覗くとこの国の新たな一面に出合うことができそうだ。

長田雅史

おさだ・まさふみ●東京都出身

日本でコンピュータ関連企業に勤務した後、2005年にワーキングホリデーでニュージーランドのロトルアに滞在。その後、カナダでワーキングホリデーを体験するがニュージーランド暮らしが忘れられず、2008年に南島の温泉宿マルイア・スプリングスで職を得て再び移り住む。マルイア・スプリングスではホテルの受付、バリスタ、総括的なマネージメント業務、自家発電で使っている水食発電機の操作など多岐にわたる業務を担当し、2012年に永住権を取得。

2011年にニュージーランド情報サイト「日刊ニュージーランドライフ」、2014年には英語コラムサイト「日刊英語ライフ」を立ち上げ、日々さまざまなニュースを発信中。2014年にマルイア・スプリングスからニュージーランドの首都ウェリントンに拠点を移して活動中。「ニュージーランドの歩き方」サイトのウェリントン特派員としても記事を執筆している。

日刊ニュージーランドライフ http://nzlife.net/
日刊英語ライフ http://kiwi-english.net/
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ニュージーランドの歩き方 http://www.arukikata.co.nz/feature/local-report.html