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ある移民と永住権詐欺

「ダニー」という名で通っているあるスリランカ人男性は、2011年に妻とともによりよい暮らしを求めてニュージーランドにやってきた。

5年間働き、そして勉強し、2016年にはオークランドで高いサラリーと12か月以内に永住権を約束された仕事のオファーを受けた。夫婦の喜びもつかの間、ダニーさんは直ぐに自分のサインした契約書が移民を騙す詐欺とも呼べるものだと気が付いた。義兄に紹介されたこの仕事で、職の安定と永住権のために2万5,000ドルを支払うように申し渡されたのだ。

この費用を払うために彼の妻は一日12時間もタクシー運転手として働かなくてはならなかった。その挙句、この会社は彼に給料は支払わず、ただ仲間の弁護士を介して移民局に対しては正当な報酬を得ているように見せかけるような工作を行うと説明された。

ダニーさんは一旦はこの要求を飲んだ。しかし彼の雇い主はダニーさんに、自分の息子の出迎え、自宅や庭の掃除などを次々申しつけ、まるで奴隷のようにこき使った。ダニーさんは10か月その境遇に甘んじたが、雇い主がさらに要求した3万5,000ドルが払えず、事件を公にする決断をした。

ダニーさんは現在仕事もなく、有効なビザもなく、移民局の決断を待っている。救世軍のボランティアをしながら、教会が提供する食事と宿泊施設に頼って生活している。

「私のような者は他にいくらでもいると聞いています。自分たちの国で何が起こっているかをニュージーランド人に知ってほしく、事を公にする決断をしました」