「道具をしっかり洗ってね。ディディモを広げないために」
テアナウのDOC(政府自然保護局)職員に言われました。
ディディモってなんだ?そう思って調べてみると、ニュージーランドで繁殖して大問題になっている水生生物でした。 ハイカー、釣り人、カヤッカーなど、水に関わる全ての人は注意です。
2004年にニュージーランドで確認。
ディディモ(Didymo)は北米や北ヨーロッパの原産の藻で、2004年にニュージーランドで確認されました。
その恐ろしさはその強い繁殖力にあり、ほんの少し川に持ち込まれるだけでも分裂を繰り返して繁殖し、川を占領します。
写真は南島のフルヌイ川で撮影したものです。 一面ディディモだらけの場所もあり、げんなりしました。ですが、これでもまだましな量のようです。
ディディモによる悪影響
ディディモは生態系だけでなく、人間の活動にも悪影響を及ぼします。
まず、水力発電や灌漑などの設備の機能が損なわれる恐れがあるとされています。ディディモは大繁殖するとそれぞれが数十センチの塊になり、それが溜まってしまうのです。
そこに元々いた水生生物や魚の生態系も変わります。河床はとても滑りやすくなり、川を渡ったり、釣りをしたりする人には重大な危険となるでしょう。
ニュージーランドの美しい自然が損なわれる恐れがあるのです。
対策は「CHECK・CLEAN・DRY」
拡散を防ぐため、南島全体は2005年12月から政府によって管理区域に指定されています。
これにより、南島では「複数の川で活動する場合」、釣具やトレッキングシューズなどの道具を清掃するように呼びかけられています。
具体的な方法は次の通りです。
- ①Check 藻などがついていないか確認する
- 植物の一部が見つかれば取り除きます。これは水に触れる道具や服であれば、どんな状況でも行うようにしましょう。
- ②Dry
- 複数の川を訪れる場合、植物の破片などを取り除いた後で、乾燥させます。そして完全に乾燥した状態で少なくとも48時間はおいてください。
- ③Clean
- 濃度5パーセントの洗剤か2パーセントの漂白剤に1分以上つけ込みます。霧吹きで吹き付ける方法もあります。これも複数の川を訪れる場合です。
- アクティビティごとの対処方法はリンク先のファイルで詳しく説明されています。
- (例えばトレッキングの場合、同じ日に複数の川に行くのでなければ、「Clean」の過程は省略されています。)
- http://www.mpi.govt.nz/document-vault/3403
美しいニュージーランドの自然を残すために「CHECK・CLEAN・DRY」を心がけましょう。