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ガリバーニュージーランド セールス&マーケティングマネージャー シェリーン・イープ

シェリーン・イープ

お客様一人ひとりが求めている高品質な車探しのお手伝いをするのが仕事です。

2014年11月にニュージーランドへ進出し、この国のカーライフに旋風を巻き起こしている日本生まれの中古車ディーラー「ガリバー」。同社のトップセールスパーソンとして活躍するマレーシア出身のシェリーンに、新進の日本企業で働く醍醐味を伺いました。

ガリバーニュージーランド第2号店の支店長に抜擢

ニュージーランドは自動車の保有率が世界第3位という完全なる車社会。にもかかわらず国内に自動車メーカーの生産拠点がなく、すべてを輸入に頼っています。そのため国内にある自動車の約60%は中古車。しかも2013年のデータによると日本からの輸入車がその95%を占めているそうです。

そんなニュージーランドに2014年11月に上陸し、躍進を続けているのが、日本の中古車業界最大手企業のガリバー。幅広いネットワークと独自のオンラインシステムを駆使し、海外1号店としては車両販売実績で驚異的な記録を残すなど順調な滑り出しを見せています。オークランドのニューマーケット店を皮切りに、今年はオークランド北部のノースショアにもショールームをソフトオープン。目下、2016年3月のグランドオープンに向けて着々と準備を整えています。

そのノースショア店の支店長に抜擢されたのが、同社でセールス&マーケティングマネージャーを務めるシェリーン・イープ。ニューマーケット店のオープンと同時に入社し、未経験ながら瞬く間にトップセールスパーソンとなった有望株です。マレーシア出身の彼女は2010年、ワーキングホリデーでニュージーランドへやってきました。

「ニュージーランドを選んだのは、ビザが取りやすかったからです。ワーキングホリデーの期間は半年でしたが、美しくて平和なこの国が気に入ったのでその後はオークランド大学で2年間、スペイン語を勉強しました。通訳になるつもりだったのですが、それには修士課程が必要で、私は学位取得だったので、卒業後は中国系の移民コンサルティング会社に就職しました」

しかしシェリーンは家族の事情でマレーシアに長期帰国しなければならなくなり、その会社を退職。4ヵ月後にニュージーランドに戻り、ガリバーで仕事を見つけました。

「就職支援のエージェントから“ここは新しい会社だから挑戦しがいがあるし、資格や経験も不問ですよ”と薦められ、チャレンジすることに決めました」

チームワークに助けられ、マネージャーに昇進

ガリバーに入社したシェリーンは、主に中国とヨーロッパのマーケットを担当。毎月20台以上を売り上げ、新規の問い合わせやアフターサービスも含めて常時100件近いクライアントとやりとりをするトップセールスパーソンとなりました。短期間でここまで成功した理由はどこにあるのでしょうか。

「私一人の力ではなくチームワークの賜物だと思います。経験のない私を上司や同僚が親切に指導してサポートしてくれました。日本の企業ではチームワークが要ですよね。前の職場は個人主義でスタッフが一丸となって何かを成し遂げるという機会はほとんどなかったのですが、ガリバーに入ってから社員同士の結束力の重要さを学びました。そして仕事に対する情熱がいかに大切なのかも実感しています。ガリバーに入った直後は、誰もが熱心でハードウォーカーであることにちょっとびっくりしました。日本人は本当に働き者ですね。でも1年経ってこのペースにも慣れました。こんなに早く昇進できるなんて思ってもいなかったけど、支店長としての責任とやりがいを感じています」

管理職となると自身の業務のほかに支店全体のことを把握する必要があります。自分で考えて判断しなければならないことが増えたとシェリーンは話します。

「マネージャーになって以前より業務内容が複雑になりました。以前はセールスのことだけ考えていればよかったけど今はよりマルチなタスクが求められます。例えば新しいノースショアのショールームに置く家具ひとつにしても私が決定しなければなりません。間違った判断を下してしまうと後々にまで響くので、慎重に考慮するようになりました」

日本の高い品質をニュージーランドに広めたい

ガリバーの強みは扱う中古車のクオリティが非常に高いこと。ウォークインで店を訪れた人は、展示されている車両がまるで新車のようだと驚くといいます。しかし、オンラインでリアルタイムに日本国内にある車両を確認して注文するという従来とは異なるシステムや、オーダーしてから納車まで約2ヶ月間かかることに戸惑う人も存在します。シェリーンはこうした点も丁寧に説明し、誠実な対応をすることで顧客を獲得してきました。

「私たちは何も隠さず、例えば車の傷や前のオーナーの喫煙歴などすべての情報をオープンにしてお客様に公開します。自分たちのことをセールスではなく、カーライフ・コンシェルジュと呼んでいるのですが、それは車の営業ではなく、お客様一人ひとりが本当に求めている車を選ぶお手伝いをするのが仕事だから。アフターケアにも力を入れていて、事前に試乗が十分にできない分、納車後15日間は返品できるほか、購入後1年間は修理代が無料などこれまでにないサービスを徹底しています。むしろ納車した後から仕事が始まるのだというスタンスです」

そのほか、彼女は顧客から連絡があった場合は必ず迅速に応対すること、難しい質問にもキチンと答えること、ニーズに合わせて接客スタイルを臨機応変に変えるなどをモットーとしているそうです。

「ジョークを飛ばしてカジュアルに接するのを好むお客様もいれば、シリアスなビジネストークを望まれる方もいるので使い分けるようにしています。車の技術的な質問をされると私ではわからないこともありますが、後からでも調べて回答します。社内にはメカニックに詳しいエキスパートもいるので助けてもらっています」

将来的にはニュージーランド各地に店舗を構える計画があるそうですが、当面はノースショアのグランドオープンと軌道に乗せることに集中するとのこと。

「ノースショア店はオンライン発注がメインのニューマーケット店とはコンセプトが違い、高級車から大衆車まであらゆる車のストックがあります。面積も10倍ほど広いのでクラシックカーをディスプレイしてミュージアムのように楽しめる空間になる予定です。お客様がワクワクしながら車を選べる場所になればと思います」

今後の目標は「日本企業らしい高品質な車とサービスを提供してニュージーランドでガリバーを成長させること」と語るシェリーン。ニュージーランドのカーライフがさらに楽しくなりそうです。

ガリバーニュージーランド

Shelyn Yeap

しぇりーん・いーぷ●マレーシア出身。

2010年にワーキングホリデーでニュージーランドへ渡り、オークランド大学でスペイン語を学び2013年に卒業。中国系の移民コンサルティング企業で働いた後、2014年11月にガリバーニュージーランド入社。自動車業界は未経験だったが瞬く間にトップセールスパーソンとなり、セールス&マーケティングマネージャーに昇格。2016年3月にグランドオープンする同社のノースショア支店(現在はソフトオープン)の支店長も務める。語学堪能で英語、中国語(北京語および広東語)、マレー語、日本語、スペイン語を操る。

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