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2017NZ政権交代連載・KAZU Restaurant Group 濱尾和社長

KAZU Restaurant Group 濱尾和社長

求められる変化への対応力 賃金アップも好機ととらえたい

 政権が変わったことでビジネスに影響を受けるのは、移民施策の方針変更や最低賃金の引き上げによる雇用環境の変化です。日本食産業を営む上で、サービスの価値観や商品のクオリティーについて言えば、やはり日本人を雇うのが一番早いのが事実です。永住権が取得しづらくなれば、永住権を持つ日本人の価値が高まるでしょうし、ワーキングホリデービザでの労働者も、日本人がほしい業界での争奪戦は激しくなるでしょう。となれば、ますます会社のビジョン、待遇や職場環境といったものがライバルとの差別化をはかる要因になってきます。

 また、日本人以外の労働力をいかに確保するかも重要です。例えば、今まで日本語だけでよかったマニュアルを英語や中国語にしたり、日本的な文化や仕組みのようなものをニュージーランド側に寄せていく準備をしなければいけません。ただ募集要綱を他の言語に訳しただけでは、労働者の定着にはつながりません。職場の中をどう多様化できるかが求められると考えています。

 創業から15年目の今年、オークランドに食材の加工を行うセントラルキッチンを設立しました。これまで7つの各店舗で機械化を進めてきましたが、セントラルキッチンのおかげで店舗での技術的業務はさらに減り、生産拠点を集約、機械化を進めることでより衛生的で安心・安全、そしてなにより商品の質の向上に繋がりました。

 今後のビジネス展開を考えるとき、いかにサービスや商品を均一化できるかが重要だと考えています。その意味でも、変化に対応できるこのセントラルキッチンは非常に重要な場所だと思っています。

 新政権が進める賃金の引き上げも、私たちにとってはチャンスだと思っています。どの飲食店も条件は同じ中で、変化への対応力、当たり前のことをどれだけ当たり前にできるかが、ビジネスの存続や収益性にはっきり影響してくるはずですから。

KAZU Restaurant Group

2002年に「KAZU Japanese Restaurant」をウェリントンにオープンし、2012年には「Daruma Sushi」をオークランドに出店。
 
現在ウェリントンに4店舗、オークランドに3店舗とセントラルキッチンを構えるレストラングループ。
 
ウェイブサイト
https://kazu.co.nz/