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シンガーソングライター KAT

KAT

心に響くパワーを持つ素敵な音楽を作り続けていきたいです。

日本生まれ、ニュージーランド育ちで、現在アメリカ・ロサンゼルスを拠点に音楽活動を行っているサーフ・ポップ系シンガーソングライター、KAT(キャット)。西海岸を中心にアメリカ各地でライブに出演しているほか、日本ツアー、また2015年11月にはニュージーランド・オークランドでもイベントを開催するなどますますパワーアップしています。活躍の場を広げている彼女に、ロスでの生活とこれからの目標を伺いました。

全米の音楽コンペでファイナリストに輝く

2007年、「マツモトキヨシ」のテレビCMに起用されたカバー曲「ナゴリユキ」で鮮烈なデビューを飾ったKAT。旅とサーフィンが好きで、人との出会いや体験したことなどを生き生きとした曲にしてリスナーに届けてくれるチャーミングなシンガーソングライターです。

日本では数々のサーフ系イベントのほか、日本各地のライブハウスやカフェ、海の家、野外音楽フェスなどに出演。心に染み入る音楽で人気を博していた彼女は2013年、アメリカ・ロサンゼルスに拠点を移します。映画、音楽、舞台などあらゆるエンターテインメントの首都といえるロサンゼルスでの生活も2年が過ぎ、最近はロサンゼルス国際空港で定期的にライブを行うなど、現地での活動の場も広がりを見せているようです。

「ロスに行って最初の1年は瞬く間で、全米あちこちでツアーをしていたので落ち着いて生活をする余裕がなかったんです。それで2年目は少し腰を落ち着けて、ロスでの暮らしのリズムがようやくつかめてきました。だから今は毎日がすごく楽しい。でもいまだにまだロスに来たばかりという気がして、すべてが新鮮です」

2014年秋にはロサンゼルスで全米リリースを実現させたほか、2015年3月には約1万5000人もの応募があったシンガーソングライターのコンテストで有名プロデューサーのドン・ウォズからファイナリストの5人に選ばれ、ハリウッドの伝説的ライブハウス「Troubador」のステージに立つという好機にも恵まれました。

「残念ながら1位になれなかったのですが、ドン・ウォズさんから“今回の応募作の中では君の曲が一番好きだった”と評価してもらえました。公募型のコンテストではアメリカン・アイドルが有名ですが、私がトライしたコンテストのほうがアーティストのためになるというか、優勝してもいろんな契約で縛られることなく自由にいろんな活動ができるんです。今年もまた参戦中で、今回はまた違うプロデューサーがジャッジをするから彼のテイストもあるのでどうなるかわからないけど、頑張ろうと思います」

日本の人気バンドとニュージーランドでコラボ

2015年11月、KATは久しぶりにニュージーランドに里帰り。オークランドで現地のミュージシャン、ペーパークレインと日本の人気バンドMONKEY MAJIKとともにライブを行いました。

「フォークデュオのペーパークレインは昔からの友人です。メンバーの一人、ナオミちゃんは100%キウィだけど静岡生まれの和歌山育ちで18歳まで日本で暮らしていたから性格がとても日本人的なんです(笑)。MONKEY MAJIKのメンバーとも以前から仲良くしていて、ずっと一緒に曲を作りたいね、って話していたんです。それで2015年春に私が日本でツアーをした時、MONKEY MAJIKと再会して、彼らが11月から12月にかけてニュージーランドでレコーディングをするからそこで一緒に曲を作らないかと誘ってくれたんです。そしてせっかく行くんだからライブもしようかと」

ライブはオークランドの小さなバーを会場に開催され、日本語と英語を織り交ぜたシンプルで温かい雰囲気の中、アルコールを片手にくつろぐ観客の姿も。ライブ前日にMONKEY MAJIKと作った曲も初披露され、アンコールまで大いに盛り上がりました。

「10日間だけの短い滞在で、オークランドでのライブは2年ぶりだったしちょっとドキドキでしたけど、来場してくれた人たちから“すごくいいライブだった”という感想をもらえて嬉しかった。いずれはニュージーランドの全国ツアーもやりたいですね」

リスナーにパワーを与えるいい曲を作りたい

ロサンゼルスに引っ越してからもKATは年に1度は日本に戻り、全国ツアーを行っています。パートナーのマサキさんと2人で日本各地を車で回り、大変なこともあるそうですが、旅先での出会いから曲作りのインスピレーションを得たり、パワーをもらっていると話します。

「毎日機材の積み下ろしをして、長時間車で移動して、着いた先でライブ、という繰り返しなので身体的にはキツイことも多いのですが、ライブをしてたくさんの人たちに会い、さまざまな話ができるのが喜びです。九州のライブでは赤ちゃんを連れた女性のお客さんが来てくれて、“この子はお腹にいるときからKATの曲を聴いていたんですよ”って話してくれた。その女性はシングルマザーになることになってすごく悩んで、そんな時に私のアルバムを聴いてそれを励みにしてくれたそうなんです。そういう話を聞くと音楽って大勢の人々にエネルギーをもたらす、非常に力のあるものなんだって改めて感じました。つらいことがあるとこういう心の温まる話を思い出して、自分を鼓舞しています」

現在はロサンゼルスで作詞・作曲モードに入っているというKAT。日々音楽に没頭できることに感謝していると語ります。

「ロサンゼルスは才能のあるミュージシャンが数え切れないほどたくさん集まっている街で、もちろんその分刺激もあるし、チャンスも多いのですが、競争が激しい。そんな中で音楽だけで生活していけることは奇跡に近いんじゃないなかって感じます。もしフルタイムの仕事を持ち、合間に音楽活動をしていたら、作曲をする時間だって限られてしまう。私は朝起きてすぐに音楽を作ることができる。そのことに感謝して、もっともっといい音楽を作りたい、もっと自分の毎日感じていることや、ストーリーを素晴らしい作品にしたいと考えています」

いい曲を作り、新しいアルバムを制作することが目下の目標。進化し続けるKATの新しい音楽に要注目です。

Kat McDowell

きゃっと・まくどぅえる●ニュージーランド人の父と日本人の母との間に日本で生まれ、5歳の時にニュージーランドへ家族で移住。母が持っていた日本人シンガーソングライター、イルカのテープを聴き、ミュージシャンになる夢を抱くようになる。

8歳で作詞と作曲を始め、14歳の時、ニュージーランド有数の音楽コンペティション「Rock Quest」に挑戦し、2度のグランプリを獲得。その後、日本で英語と日本を絶妙にミックスしたカバー曲「ナゴリユキ」が「マツモトキヨシ」のCMに起用されて話題となり、2007年のアナログチャートで1位を獲得。その数々のサーフ系イベントやカフェでライブを重ね、2009年に世界プロサーフィン連盟のサポートアーティストに就任。同年8月、ファーストフルアルバム「Echoes over the ocean」をリリース。映画初出演となるサーフムービー「VELVET」の挿入歌やニュージーランド航空イメージソングも手掛ける。

2013年から拠点をアメリカ・ロサンゼルスに移し、アメリカ各地や日本でツアーを行うなどますますパワフルに活躍中。2015年には全米のシンガーソングライターコンテストで応募者1万5000人の中からファイナリスト5人のうちの1人に選ばれた。

2015年11月、ニュージーランドに一時帰国し、日本人・カナダ人で構成される日本の人気バンド「MONKEY MAJIK」と合同で曲作りをしたほか、一夜限りのライブも行った。目下、新しいアルバム制作に向けて作詞・作曲に集中している。

KAT公式サイト http://katmusic.jp/
YOUTUBEチャンネル https://www.youtube.com/user/katmcdowell