南島のさらに南。美しい山々に囲まれたセントラルオタゴ地方。その中にある小さな町がCromwell/クロムウェルです。
観光地として有名な街クイーンズタウンより、車で約40分ほど。渓谷を流れるエメラルドグリーンの川に沿って運転していくとたどり着きます。
この町の有名どころといえば、フルーツ!
ストーンフルーツと称されるチェリーやアプリコット、桃といった様々な果実の栽培が盛んで、町の入り口にはそれらを象徴するオブジェが待ち構えています。
小さくこじんまりとした町ですが、毎年フルーツの収穫シーズンになると各地からバックパッカー達が仕事を求めて集まります。
周囲にはたくさんの果樹園と青果店。各店内には新鮮なフルーツがずらりと並び、果肉を混ぜたリアルフルーツソフトクリームは仕事の疲れを一瞬で癒してくれます。
今回はそんなのどかな町の不思議な魅力をご紹介していきます!
絵に描いたような美しい川と町
川と湖に囲まれた地形のクロムウェル。特に晴れた日は水が鮮やかなエメラルドグリーン色に輝きます。
夏になると気持ちよさそうに泳ぐ人々の姿も!
飲み物、お菓子を片手に水際でくつろぐだけでもなんとも穏やかな気持ちになりますよ。
また町の一角、川のほとりでは毎週日曜にマーケットが開催されます。
地元の食材を使ったグルメやハニー、オーガニック雑貨など出店が盛りだくさん!
普段は閉まっているクラフト工房やアートギャラリーなども解放され、通りが一気に活気に満ち溢れます。
周りには風情漂う岩造りの建物がちらほら。歴史的建造物が多く並ぶこの通りでは、探鉱時代に実際に使われた施設や機材が今でも大切に保存されています。
そこら各地でマーケットが開かれるニュージーランドですが、クロムウェルのマーケットは周囲の自然が美しいこと…!
目の前の鮮やかな川を眺めながら人々が奏でる音楽を聴き、飲むコーヒーは至福です。
砂金の眠る山?
1860年代にゴールドラッシュの中探鉱達によって作られた町クロムウェル。そう、ここではかつて金採掘が行われていたのです。
町の周りにはいくつものハイキングスポットがありますが、その一つ、Bannockburn Sluicings Track/バノックバーン スライシングス トラックからは当時の名残を見ることができます。
町からわずか数分。川を越えた先に荒野のような大地が広がります。雰囲気がガラリと変わり歩いているだけてもワクワク!
広大なトラックですが、所により当時の作業に使われたレンガ倉庫や町開拓時の形跡が見られます。
また岩肌には至るところに作業の際掘られたであろう大きな穴が。中に入るととても深く、アリの巣のようにいくつも道が枝分かれしていました。下手したら迷って戻れなくなりそうです…!
周囲には大きい穴の他に、よく見るとそこら中に手のひらサイズの小さな穴も!どうやらウサギ達の巣穴のようです。周囲を見るとときどき茶色の小さながウサギが勢いよく走り抜けまます。(写真は撮れませんでした^^;)
頂上からは数々の農園や町が一望できます。
夕暮れ時になると西日が山に辺り、辺り一面が黄金色に。乾燥地帯ならではの美しさです。
現代のお宝は…
かつて人々が金を求めて開拓した町ですが、現在はフルーツの宝庫となったクロムウェル。その生産量の高さから、地元の人々からは「南島のフルーツボウル」という愛称で親しまれています。
中でも特に人気のフルーツがチェリー!
果肉が厚く、歯ごたえがありジューシー!一粒がとても大きくまるでハートのような形をしています。
そしてもう一つのお宝は…ワイン!
クロムウェルには実は果樹園だけでなくビンヤードもたくさんあります。
このクロムウェルのあるセントラルオタゴ地方は温かく乾燥した気候がブドウの栽培にとても適しており、たくさんの風味豊かなワインが生産されているのです。
以前紹介したマールボロー地方ではソーヴィニヨン・ブランが有名でしたが、この地方ではピノ・ノワールがとても有名!
先程紹介したBannockburn Sluicings Trackの周辺にはワイナリーがあり、広がるビンヤードと美しい川の景色を眺めなら地元ワインをテイスティングすることができますよ!
ロマンに溢れ、観光地のような派手さはなくてもありのままの姿がとても美しいクロムウェル。あなたもぜひ訪れてみてください!
Natsuko
日本でホエールウォッチングのガイドとして働き、今しかできない経験を求めてワーホリに挑戦。コロマンデルに現れたシャチの動画がニュージーランドを選ぶきっかけに!