知って楽しいNZワインのアレコレ。
低アルコールワイン?
みなさんスーパーのワインコーナーなどで“Low-Alcohol”とか“Lighter Alcohol”などと書かれたワインを見たことはありませんか?ひとつのセクションにまとめられていたりもします。それらは普通のワインよりアルコール度数が低い“低アルコール・ワイン”です。
一般的にワインのアルコール度数は12~15%くらい、対して低アルコール・ワインは大体9%くらいです。アルコールが低いと言っても10%近くありますね。ちなみに一般的なビールのアルコール度数は5%前後です。
販売目的としては、カロリーの高いアルコール分がいくらか少ないことによるダイエット感やヘルシー感、そして日本人には馴染みが無いですが、仕事の合間のランチタイムや、取り締まりが日本よりいくらか優しいこの国でのドライバーへの需要も見込んでいるようですね。
美味しいの?
低アルコール・ワインは大体$10前後のカジュアルな価格で売られています。多くはブドウを早摘みして造られます。ブドウが熟さないことにより、アルコールに変化する糖分が高くなる前に摘んでしまうということですね。半面、酸味が強かったり品種の香りが出にくいという問題もあるようです。
さてさて、アルコールが低いワインなんてと敬遠していた裕爺でしたが、たまたま呑んだ一本でちょっと見方が変わりました。その一本とはSOHO Winesの“Betty”。リースリングから造られる中辛口のこのワイン、綺麗な酸と軽やかですっきりした甘みを持つ可愛い香りの一本でした。スラっと細長い形状の瓶も相まってふと気が付いたのが、造りがドイツワインと似ているということ。リースリングはドイツや北部フランスのアルザスでよく用いられるブドウ品種。一般的にアルコール度数9%前後、細長い瓶に入った中辛~中甘口のワインというのが、日本人によく知られているドイツワインのイメージではないでしょうか。なるほどという感じですね。実際、NZでいくつか目にした低アルコールワインの特集記事などには、それらのドイツワインも並べて紹介されていました。
価格はやや高めの$20くらいです。先に述べた$10くらいで売られているモノの中には、確かに酸味がきつかったり香りがふくよかでなかったりするものもありましたが、このBettyの他にも、ナチュラルな造りで楽しめる低アルコールワインがそろそろ出回ってきていて、市場の拡大が期待されています。
ちなみにこのBetty、面白いのは2016最新のヴィンテージからはラベルにあった“Low-Alcohol”の表示が無くなり、あらたに“リースリング・シュペートレーゼ”と表記されています。ピンときた方もいらっしゃるかもしれませんが、“シュペートレーゼ”はドイツ本国でワインにつけられるグレード表記で、一般的に中辛口を指します。ワイナリー側も完全に意識しているわけですね。
ワイン業界の新潮流
実はこの“低アルコール・ワイン”、どうやらこの国だけではなくアメリカやヨーロッパでも需要が高まりつつある、ひとつの流れのようです。
よく冷えた低アルコール・ワインを持って、ビーチやピクニックに出かけてみませんか?