2011年にニュージーランドに移住し、2014年からネルソンでブドウ栽培、ワイン作りを続けているコウヘイさん。西オークランドのB&B・リトルフォレストで開かれたコウヘイさんの新作ワインの試飲会に参加してきました。
香り高さと自然環境への優しさにこだわる
1杯目にいただいたのは、2017年産のソーヴィニョンブラン。グレープフルーツのような爽やかな香りのするドライな白ワインは、ニュージーランドのクリーンでフレッシュなイメージそのもの。ニュージーランドでは「バーベキューワイン」とも呼ばれるソーヴィニョンブランは、天気の良い日に屋外で食事を楽しみながら飲むのにおすすめです。続いて同じくソーヴィニョンブランの2016年産を試飲。同じ種類のワインでも1年経つとまろみが出て味わいが変わります。
2011年にニュージーランドに移住したコウヘイさんは、クライストチャーチのリンカーン大学に入学し、ブドウ栽培・ワイン醸造学科を首席で卒業。ニュージーランドとアメリカで修行を積んだ後、2014年にネルソンのモツエカにある「アタマイビレッジ(Atamai Village)」でワイナリーを立ち上げました。4年目を迎えた今年は「グリーンソングズ(Green Songs)」にブランドを統一。アタマイビレッジでの栽培、醸造を続けながら活動の幅を広げています。
コウヘイさんが作るワインの特徴は、ボトルを開けた時にニュージーランドの澄んだ水や空気を感じられるようなフレッシュさ。また、マオリ語で「fairness(公平さ)」を意味する「アタマイ」と名付けられたアタマイビレッジは、持続可能な環境づくりを目指す「パーマカルチャー」を実践し、太陽光発電をしたり、雨水や沢の水をろ過して飲用水にするなどしています。コウヘイさんのブドウ畑でも皮や茎などは廃棄せず、醗酵肥料にして畑に撒いたり、ヒツジを畑に放し飼いにして雑草を食べさせたりと、環境に負担をかけない栽培をしています。
多くのファンを持つGreen Songsのワイン
「Green Songs」で扱っているワインは現在6種類。識別しやすいよう、種類によってラベルの色が分けられています。これまでは白ワインだけの生産でしたが、新たに赤ワインのピノノワールも仕込み中で、リリースは来年3月ごろを目指しています。
緑: ソーヴィニョンブラン(Sauvignon Blanc)
シトラス系の爽やかな香りを感じる辛口タイプででありながら、ほのかな甘みと心地良い酸味がこみ上げます。オイスターや天ぷらとも好相性。
青: ファンキー・ソーヴィニョンブラン(Funky Sauvignon Blanc)
樽で醗酵・熟成させた変わり種のソーヴィニョンブラン。ほのかな樽の香りと、ソーヴィニョンブランらしい爽やかさを兼ね備えています。
紫: ピノグリ(Pinot Gris)
果実の香りよりも酵母の香りが特徴。日本酒のようなこくとまろやかさがあり、チーズやラム肉との相性が◎。日本食では照り焼きによく合います。
橙: ドライリースリング(Dry Riesling)
コウヘイさんのワインの中で最も辛口。酸味が強いので、レモンを絞る感覚で揚げ物など油っこい料理と合わせるのがおすすめ。
白: バレルエイジド・ピノグリ(Barrel-aged Pinot Gris)
ワイパラバレーで栽培されブドウを使い、ステンレスタンクで醗酵・熟成させた後、樽で熟成させたピノグリ。紫ピノグリよりもドライな味わいです。
黄: シャルドネ(Chardonnay)
ステンレスタンクで醗酵した後、古樽で10カ月熟成させて作られた辛口のシャルドネ。酸味の中にまろやかさを感じます。
生産したワインは8割を日本へ輸出。国内では日本大使館の晩餐会などで振る舞われているほか、リトルフォレストB&Bやオークンランド、クライストチャーチ、ネルソンのレストランで取り扱われています。スーパーマーケットでは販売されていませんが、個人でも問い合わせれば直接購入することができます。気温も上がり、爽やかできりっとした味わいのワインがおいしい季節。コウヘイさんが丁寧に作り上げたワインをぜひお試しください。