お子さんの日本語教育。やはり興味津々?
できればバイリンガルに育てたい?
日本人カップルでも、国際結婚カップルでも、お子さんの日本語教育は気になるところ。スカラシップ(奨学金)や日本語能力検定試験を目指すまでとはいかなくとも、日本にいらっしゃるご親族や友人の方々とのコミュニケーションを日本語でできるようには育てたい。願わくば、英語も日本語も同等レベルのバイリンガルに育てたいのが親心。ニュージーランドで生まれて育ち、成人となった娘が実際に取り組んでいた日本語習得法(そんな大層なものでもないですが‥)で、お役に立つかもしれないものをいくつかご紹介させていただきます。
赤ちゃんの頃でも?まずは友達つくりから
赤ちゃんの時から、お友達を作ること始めましょう。まだ、赤ちゃんなのに?と思われるかもしれませんが、親御さん同志の情報交換にもなり、赤ちゃんの月齢が同い年、もしくは、少し年上、年下になってしまっても、この時期ならではのママ友は貴重です。プランケット(日本でいうところの保健所にあたるでしょうか)に行くと、同じ時期に生まれたお母さんが集えるコーヒーグループを紹介してくれますが、あらかじめ希望を出しておけば、近くに住む日本人の親御さんを紹介してもらえることもあります。もちろん、お互いの了承を得た上でないと、プランケットからは連絡先を貰えないので、安心して希望を出すことができます。私も何人かプランケットからご紹介をしていただきました。ニュージーランドに越してきて間もない頃で、娘より先に生まれていた赤ちゃんをお持ちのお母さん方だったので、色々なことを教えていただき、とてもありがたかったです。
読み聞かせ、大切です
これは本当に色々な場所で言われていますが、絵本などの読み聞かせは、日本語教育の重要な鍵の一つです。娘の幼い頃から私は仕事をしていた関係で、毎日はできなかったのですが、それでもできる限り読み聞かせをしました。これが顕著に現れたと感じたのは、次女と長女の日本語力の差でしょうか。次女の幼少期、仕事がさらに忙しくなってしまっていた私は、長女の幼少期よりも、読み聞かせをする機会がぐんと減ってしまいました。これが後々、それぞれが学校に通い始めるころに大きな違いになり、あのちょっとの時間の努力を惜しまなければよかったと、今頃になって反省しきりです。
図書館や電子書籍を利用
幸いなことに、娘は本を読むのが好きだったので、よく図書館へ連れて行きました。昔に比べて、図書館にもずいぶん日本語の本が増えてきました。なによりも無料で利用できるのは嬉しいですね。そして、オークランド市内の図書館なら、どこの図書館でも本を借りることができ、市内のどの図書館でも借りた本を返せるのがありがたいです。最近はebookと呼ばれる電子書籍も増えてきて、アカウントさえ作れば、オンラインで閲覧することができるようになりました。残念ながらまだまだ日本語の絵本などの電子書籍版はないですが、このコロナ禍でオンライン化が加速しているので、そのうち出てくることを期待したいですね。
- オークランド図書館ウェブサイト
- https://www.aucklandlibraries.govt.nz
日本の電子書籍を利用
近年、日本でも一気に電子書籍化が進みました。新型コロナの影響もあり、加速した感さえあります。今までは欲しい本があっても、入手が難しかったのが、新刊でもすぐに読むことができるのは嬉しい限りです。数年前までは専用のリーダー(アマソンのKindleや楽天のKoboなど)が必要だったのが、今はスマホやタブレットなどでの閲覧が可能となったため、簡単に利用できるようになりました。
無料で読める作品も多々あり、有料でも実際の紙の本よりかなりお得に購入できる場合が多く、持ち帰る重量を気にする必要も、収納場所を気にする必要もないため、私的にはかなりお勧めです。もちろん、私も実際の紙の本の方がしっくりは来るのですが、時代の波にさからわず、利用できるものは、どんどん利用していくのが良いのではと思っています。
- 電子書籍おすすめサイト
- https://www.rere.jp/beginners/29954/#BookLive
日記を書く
我が家の娘たちは、小学生になった頃から、英語と日本語の両方で日記を書かせました。長女にはyear 13の時に日本語能力検定試験でN1を合格するまで、ほぼ毎日、日記を書いてもらっていました。日記といっても、その日にあったことを簡単に5行ぐらい書いてもらうだけです。特別なイベントがなければ、ほぼ毎日同じ文章になってしまいがちではありますが、日本語で文章を書くという行為が重要なので、難しい文章や毎日違う表現を要求する必要はありません。そして、お子さんが日記を書き終わったら、必ず読んで聞かせてもらってください。読んでもらうことで、お子さんがどんな文章を書いているかがわかり、親御さんが日本語での表現を正しく教えてあげることができる機会にもなります。ただ、日記を書くことを強要したり、出来ていないとなじるようなことはしない方が賢明です。学ばせることはもとより、日記を書くという行為自体が嫌になってしまっては元も子もありません。学校に通い始める年齢になると、英語を使う機会が増え、それまでよりも日常会話が英語になっていきがちです。長く続けることが鍵になります。もし日記を始めたら、できるだけ温かく見守りましょう。
日本人プレイグループ
日本人プレイグールプに参加すると、お友達の輪を広げることができます。ニュージーランドの主要都市で、日本人主催のプレイグループが開催されています。対象年齢は0歳から5歳までのところがほとんどです。そのプレイグループの繋がりで、小学生になった時点から、その地区で運営されている日本語教室に入ることができる場合もあります。私の娘は日本人プレイグループに参加させていただき、プレイグループでお友達になった子たちと、同じ日本語教室に通い、今でも仲良くさせていただいています。小学生になってから自宅で英語を話すことが多くなってきた娘にとって、日本語を話すお友達とのプレイデイトは、とてもありがたかったです。とはいえ、年齢を重ねるごとに、その日本人のお友達とも英語で会話することが多くなり、親の『日本語で会話して~』という願いも、儚く散っていったのですが‥‥(笑)。
- ニュージーランドの主な日本人プレイグループを紹介しているリンクです。
- https://kaigaikosodate.com/757.html
- https://kodomo.nz/playgroup/4684.html
ウェブサイトを有効活用
子供向けのオンラインサイトも、最近はとても充実してきました。娘たちも利用させてもらいましたが、今は昔より、はるかに多くの子供向けウェブサイトがあります。学習ができるもの、ゲームができるもの、オンラインで工場見学ができるものもあり、大人がみても楽しいサイトがたくさんあります。その一部ではありますが、下記に代表的なものを紹介させていただきました。参考にしていただければと思います。
- キッズ@nifty
- https://kids.nifty.com
- Yahooキッズ
- https://kids.yahoo.co.jp
- 学研キッズネット
- https://kids.gakken.co.jp
- NHK for school
- https://www.nhk.or.jp/school/
上記に紹介させていただいたいずれの方法も、お子さんが興味を示さない場合は、遊びに取り入れるなどの興味をそそる工夫をして、できるだけ勉強として強要しないことがコツと言えるかと思います。知り合いの方の話では、お子さんが日本のアニメに興味を持ち、その話の内容を理解したい一心で日本語をどんどん覚えていったという話もあれば、とある方は、息子さんを補修校に通わせてはいるものの、いまいち日本語力が伸びないと嘆いていたのですが、一時期、その息子さんが日本のアイドルに夢中になり、そのアイドルに関する情報が掲載されているウェブサイトを読むうちに、日本語力がぐんと伸びたとおっしゃっていました。まずは日本のことを好きになってもらうことが肝要ではないかと思っています。
昨年、一気に広まった新型コロナウィルス。日本語に触れる機会を増やすため、お子さんたちを日本の幼稚園や小学校に通わせようと計画をされていたのに、昨年から今年にかけては、断念せざるを得なかった方々も多かったのではないでしょうか。日本語クラスやプレイグループでも、通常より交流の機会が減ってしまっていたと推察します。
でも大丈夫。お家で簡単にできることも、そして今は、オンラインでできることが山ほどあります。もちろん、実際にその場所にいき、肌で感じることができる環境とは違いますが、それでも、この通常とは異なる状況でも、楽しく日本語を学ぶことができますよ。