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女優・タレント 八木麻衣子

八木麻衣子

ニュージーランドで人と人とのつながりの大切さを実感しました

女性誌やファッションショーで人気モデルとして活躍した後、女優に転進した八木麻衣子さん。高校時代に1年間クライストチャーチに留学した経験を持ち、それ以降、何度もこの国を訪れている“ニュージーランド通”です。2015年3月にプライベートで3週間ニュージーランドを一人旅された八木さんにお話を伺いました。

ニュージーランドは第2の故郷

愛らしいルックスと親しみやすいキャラクターからファッション誌のモデルやテレビのバラエティ番組で活躍し、近年は女優としてさまざまな役柄に取り組んでいる八木麻衣子さん。2015年2月27日より3月1日まで舞台『神様のおしごと』に出演した後、プライベートでニュージーランドを3週間旅しました。

八木さんは高校時代に約1年間、クライストチャーチに留学した経験を持ち、その後上智大学在学中および2011年にもニュージーランドを再訪されています。海外旅行が好きでお気に入りの国もたくさんあるという八木さんですが、ニュージーランドに対しては特別な想いをお持ちだそうです。

「高校1年を終えた4月から翌年の3月までクライストチャーチに留学しました。海外生活はそれが初めてだったし、文化の違いがあるということは頭ではわかっていても、最初の頃はカルチャーショックの嵐でした。通っていた語学学校の近くに地元の中学や高校があって、そこの生徒たちからアジア人ということでフザケ半分に絡まれたこともありました。でも1年を振り返るとすべてがすごくよかったと思えるし、ホストファミリーとは実際の家族のように仲良くなりました。第2の故郷のように感じています。だから今回もニュージーランドが大好きでまた訪れたのではなく、自分の故郷だからごく自然に、当たり前に戻ってきたという感覚が強いですね」

先日まで所属していた芸能事務所を離れてフリーとなった八木さんは、自由な時間を確保したこと、そしてホストファミリーと再会したいと考えてニュージーランド旅行を決めたそうです。当初はホストファミリー宅に滞在する予定だったそうですが、事情が変わったことでこれまでにないユニークな体験をすることになりました。

「実は悲しいことにホストファザーが亡くなったという知らせがあり、ホストマザーに会いに行こうと思って即効で飛行機のチケットを取ったんです。でもホストマザーが心労のため体調を崩して入院したので予定を変えざるを得なくなり、“カウチサーフィン”を利用してニュージーランド国内をあちこち旅することにしました」

カウチサーフィンとはインターネット上の無料ホスピタリティ・エクスチェンジ・ネットワークで、登録者同士が無償で宿泊施設を提供しあうというもの。世界に200万人以上のユーザーが存在し、欧米の若者には非常にポピュラーなサイトです。八木さんもこのカウチサーフィンのユーザーで、ニュージーランド滞在中はずっと同サイトで見つけた宿泊先提供者(ホスト)の方々のお宅に泊まっていたそうです。

「日本人の知人たちからは“会ったこともない人の家に泊まるなんて危ないよ”と注意されましたが、お互いを信用して成り立っているサイトだし、私が利用することでニュージーランドにはいい人たちがたくさんいるって証明したかったし、一人旅って寂しくなることもあるからいろんな人たちと出会えたほうが楽しいだろうということでカウチサーフィンを活用することにしたんです」

カウチサーフィンを利用してニュージーランドを旅する

2015年3月7日、オークランドに降り立った八木さんがまず向かったのは北島北部のケリケリ。ここでタイパに住む最初のホストと会い、彼らのシェアハウスに2日間ステイしたそう。

「マンゴヌイの有名なフィッシュアンドチップスの店に寄ったり、最北端のケープ・レインガに連れて行ってもらったり、安くておいしいワインを飲んだり。皆でワイワイして、すごく面白かったです」

北島北部を堪能した後はオークランドのワイヘキ島へ。ここでもカウチサーフィンで出会ったホスト宅に滞在し、サイクリングで島を気ままに巡り、ビーチやワイナリーを訪ねたといいます。ワイヘキ島へ行くのは初めてだったそうですが、ワインが大好きな八木さんはこの島がかなり好印象だとか。

「ワインが好きで、特にニュージーランドのワインに興味があったのでワイヘキ島であちこちワイナリー巡りができて楽しかった! ワイヘキ島の後はホビット村とロトルアに行って、そこから南島へ飛んでネルソン郊外のモトゥエカで日本人が経営しているヴィンヤードにお邪魔して2~3日お手伝いさせていただきました。まだ葡萄のピッキングには時期が早かったので葡萄の木にかぶせる鳥除けのネットの修繕をしたり雑草の除去をしたりと、とっても地味な作業でしたけど(笑)、ワインに関わることを何かできたらいいなと思っていたので、いい経験になりました」

人生は出会いと別れの繰り返し

八木さんはモトゥエカからブレナム、そして最終目的地に思い出の地であるクライストチャーチを訪れてニュージーランドの旅を終えました。留学も数えるとこれまでに通算4回この国に滞在していますが、今回の旅が最も印象的だったと話します。

「こんなに現地の人々に溶け込んで自分の気持ちをクリアにしゃべることができたのは初めてです。高校時代はまだ子供だったからその日の楽しかった出来事とかを話すことはあっても、ディープな感情や自分の意見などを語ることはほとんどなかった。その後の2回の滞在でもそこに暮らしている住民の人たちとのつながりはそんなに強くなかったから、この旅でようやく生身の自分でニュージーランドの素顔に触れられたような気がします」

さらに各地でホストとの出会いと別れを繰り返し、人と人との出会いの意味にも気づいたとか。

「ニュージーランド旅行中、宿を提供してくれるホストと出会って2~3日間お世話になって、ほんの短い間だけど打ち解けて、そして別れて、の繰り返しでした。私はまたニュージーランドを訪れることがあるだろうけど、彼らホストと再会できるかどうかの保証はありませんよね。もしかしたらこれきりなのかもしれない。クライストチャーチでホストマザーを見舞いに病院へ行こうとしたけど、彼女の具合が悪くて結局面会することができなかったことにも考えさせられました。ホストファザーと最後に会ったのは2011年で、その時はそれが永遠のお別れになるなんて思ってもいなかった。ホストマザーにも今度いつ会えるのかわからない。人生は出会いと別れの連続で、だからこそ人間同士の関係って素晴らしい、そう感じたことがこの旅での一番の収穫でした」

日本へ戻った八木さんはこれから幕を開ける出演舞台に向け、稽古の日々を送っています。次にニュージーランドを訪れたらトランピングに挑戦したいと笑顔で語る八木さん。ニュージーランド旅行で実感した人と人との絆の大切さが今後の女優業にも大いに活かされそうです。

八木麻衣子

やぎ・まいこ●1986年7月12日、愛知県名古屋市出身。

ファッション誌『Ray』の専属読者モデルを経てタレントとなり、その後、女優に転進。
高校1年の終わりからニュージーランド、クライストチャーチにあるサザンクロス語学学校へ約1年間留学した経験があり、上智大学外国語学部英語学科在学中と2011年にもニュージーランドを再訪。今年3月に一人旅で再びニュージーランドに3週間滞在した。

代表作は『淳の乾杯してみたっ!』(テレビ東京)、映画『紫陽花とバタークリーム』、舞台『国家』、『神様のおしごと』など。

八木麻衣子公式ブログ http://ameblo.jp/yagimaiko/

今後の主な出演スケジュール

<映画>
★『カラス姫』 監督:篠原隼士 8月上映予定 クラウドファンディングで制作資金を集める予定。

<舞台>
★日本のラジオ第11回『カナリヤ』
出演:田中渚、永田佑衣、八木麻衣子ほか
日程:2015年5月29日(金)~6月3日(水)
会場:新宿眼科画廊(東京都新宿区新宿5-18-11)
www.gankagarou.com/sche.html
チケット:前売り・当日ともに2000円
劇団のブログ:http://nihonnorazio.blog.shinobi.jp

★シアターノーチラス#18『水槽、そして』(仮)
出演:八木麻衣子、山田佳奈、藤岡勇、徳永芳子、木村香織ほか
作・演出:今村幸市
日程:2015年7月24日(金)~29日(水)
会場:新宿眼科画廊(東京都新宿区新宿5-18-11)
チケット:前売り・当日ともに1800円
劇団のURL:http://theaternautilus.web.fc2.com/index.html

★ENGISYA THEATER COMPANY 20周年公演『魂の旅路~宮沢賢治 最後の旅』
出演:大村正泰、八木麻衣子、高梨愛ほか
作・演出:大村正泰
日程:2015年12月28日(火)・29日(水)
会場:シアター風姿花伝(東京都新宿区中落合2-1-10)
www.fuusikaden.com
チケット:前売り3000円、当日3500円
劇団のフェイスブック:www.facebook.com/engisya