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第7回 オークションの3日後にオファーが!

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オークションの3日後にオファーが!

先週、我が家の売却に関して、先行きが見えないことにストレスを感じ始めたことをお話しました。しかし、案外早く、待ち望んでいた知らせが来たのです。オークションの3日後でした。

オークションの前からエージェントさんから、「あなたの物件に興味があるけれど、オークションに行くのが面倒なので、オークションで売れなかったらオファーを出すかもしれない人がいる」という話を聞いていました。そのバイヤーさんがオファーを出してくれたのです。

ただし、値段は私たちのリザーブプライスよりもかなり低いものでした。また、オファーもコンディショナルでした。

オファーの種類

オファーにはコンディショナルとアンコンディショナルがあります。コンディショナルオファーとは、条件付のオファーということです。つまり、バイヤーさんの(が)条件を満たさなければ、購入してもらえません。よくある条件としては、以下のことが挙げられます。

1.ファイナンシャル

バイヤーさんが銀行にローンを組めるか相談をします。ローンが組めたら購入するという条件です。

2.ビルダーインスペクション

資格を持ったビルダーさんが物件のチェック(インスペクション)を行います。もし、物件に欠陥があった場合、購入しない、あるいは値下げを要求する、または大家に修理を求めるという条件です。ちなみに、ビルダーさんへの費用はバイヤーさんが負担します。

アンコンディショナルオファーとは、条件無しのオファーです。金額の交渉が成立し、売買契約書にサインがされた時点で、バイヤーさんにその物件を購入しなければいけない義務が発生します。

ビルダーインスペクション

話は戻り、私たちが受けたオファーは、ビルダーインスペクションの条件付きでした。

早速、ビルダーさんがバイヤーさんと一緒に来て、物件のチェックを行いました。一部、湿気が多いところがあったため、水漏れの可能性があると指摘されました。その結果、バイヤーさんに2000ドルの値下げを要求されました。

さらに追い討ちをかけたのは、バイヤーさんの弁護士さんが不動産のタイトルの不備を指摘したのです。我が家はお隣さんとシェアドライブをしていますが、そのドライブウェイの使用権が明確になっていなかったそうなのです。その不備を正すのに2000ドルの請求をされました。つまり、合計4000ドルの値引きを請求されました。

ストレスが解消されないまま白紙へ

せっかくのオファーではありましたが、バイヤーさんからの厳しい値引き交渉に疲れ、最終的に「もうこのバイヤーさんに買ってもらわなくていい。」とエージェントさんに伝えました。そして、話は白紙に戻ったのです。

バイヤーさんとのやりとりで、あまりに酷い値切り交渉に疲れ果ててしまった夫と私は、4月末までに売れなかったら、家を売るのをやめようと決意しました。いつまでもオープンホームを行い、見学者の受け入れをする生活に疲れたのです。

そう決意した翌日のことでした。一人の男性が不動産屋さんを伴わず、一人で見学に来たのです。不動産屋さんがいなかったため、私が自分で家の中を案内しました。

話しやすい方でしたので、おしゃべりをしました。おしゃべりの中で、隣の家がいくらで売れたかを話し、「私たちは当初高い金額を予想していたが、マーケットも思ったほど良くないことに気づいたので、あまり欲張らずにバイヤーさんとお互いにフェアトレードになる金額で売れればよいと思っています。」と伝え、具体的な最低価格は避けたものの、リザーブプライスの予測がつく話し方をしました。

正直なところ、この男性が我が家を立ち去ったとき、にこやかに挨拶はしたものの、何の期待もしませんでした。

オファー受理

3月30日、上述の男性からオファーを頂戴しました。しかも、今回はアンコンディショナルオファーでした。つまり、条件無しのオファーです。金額もちょうど私たちが求めていた額を提示してくれました。

さらに、不動産のタイトルに不備があることを知った上でのアンコンディショナルオファーだとエージェントさんに言われ、安心しました。

ついに、売買契約書にサインしたのです。「やっと終わった。」私も夫も、そしてエージェントさんも、みんなが安堵した顔で嬉しそうに見つめあったのを覚えています。

翌日、我が家の家の前に立てられた看板に「SOLD」という大きなシールが貼られていました。そのシールを見て、本当に売れたんだなとしみじみと思ったものです。

次回は、いよいよ最終段階です。

さくら

育児と家事、愛犬の世話に追われる平凡な主婦。
趣味:一攫千金を夢見て、皮算用すること。
皮算用が皮算用のままで終わることが多いが、めげずにアイデアだけは考え続ける日々を送っている。