悩みがあっても、ニュージーランドで「どこに相談していいか分からない」「どんなサービスがあるのか知らない」こんな悩みをよく聞きます。今回は、ニュージーランドのカウンセリング情報をまとめてみました。
費用の補助
「カウンセリングをしたいけど、お金が・・・」と心配されている方、ニュージーランドでは経済的な補助がいくつかあります。そのいくつかを紹介します。
1. 海外保険の適用
これはNZに限りませんが、留学やワーホリで来ている方は、海外保険を持っていますね。たいがいの海外保険には、「カウンセリング費用」を補助する契約内容が含まれています。
例えば、Uni-Care NZ Student Plan* では、「ウツ、ストレス、不安、心や精神的な障害、自殺や自殺未遂、自傷行為の治療にかかった費用を、上限$20,000まで保証します」とあります。
“Subject to a limit of $20,000, We will reimburse You for all reasonable Medical Expenses incurred for the treatment of Depression, stress, anxiety, mental or nervous disorder, suicide or attempted suicide or self-injury” (p. 9).
手続きは、保険会社によって必要な書類が異なります。GP(お医者さん)からの紹介状が必要なところもあれば、セラピストからの紹介状や治療計画書が必要なところもあります。セラピストに直接保険会社に確認してもらいましょう。
2.経済的に厳しい方への補助
以下の条件を満たす方は、Work and Incomeから、”Disability Allowance”と呼ばれる、カウンセリングの補助金が出ます(”Disability”という言葉は、ちょっと語弊がありますが・・・)毎週$63.22支払われます。
- (1)16歳以上
- (2)NZのCitizenship、もしくは永住権を持っている方
- (3)税引き前の週の収入が下記の上限以下の方
Your situation | Weekly income limits before tax |
---|---|
Single 16-17 years | $531.61 |
Single 18+ years | $648.92 |
Married, civil union or de facto couple (with or without children) |
$963.80 |
Sole parent 1 child | $741.41 |
Sole parent 2+ children | $781.14 |
WINZの補助金でカウンセリングをする場合、$63.22が1回のセッション費というわけではありません。費用は、カウンセラーによって異なるので、例えば、1回$80なら、差額の$16.78をご自分で負担する形になります。
1回の申請で上限10回まで申し込めます。必要回数は、カウンセラーに確認してくださいね。もし10回以上セッションが必要になったら、面倒ですが再度書類を提出します。
申し込みには、2つのFormが必要です。フォームをリンクしましたので、ご参照ください。
- (1)Disability Allowance Application Form
- これは医者のサインが必要です。
- (2)Disability Certificate – Counselling
- これは医者とセラピスト(カウンセラー)のサインが必要です。
- 詳しくは、以下をご参照ください。
- https://www.workandincome.govt.nz/eligibility/health-and-disability/counselling.html
3.Sexual abuse
ニュージーランドでは、性的暴行や虐待に対して、無償でカウンセリングを提供しています。方法は2つありますが、条件や現状が異なります。
(1) ACCからの補助
ACC(Accident Compensation Corporation)では、「国内で」発生した性的暴行や虐待を対象に、無償カウンセリングを提供しています。
このサービスを受けるには、ACCに登録しているセラピスト(カウンセラー)を探します。以下のリンクをご参照ください。
- https://www.acc.co.nz/im-injured/support-recovery/counselling-therapy/
- https://www.talkingworks.co.nz/dir/ACC+Registered+Counsellors.html
あとの手続きは、セラピストがしてくれます。
(2) HELP AUCKLAND
この団体は、国内ばかりでなく、「国外で」起こった性的暴行・虐待も対象に、無償カウンセリングを提供しています。
- https://www.helpauckland.org.nz/
- 09 623 1700 (24時間OK)
HELPもカウンセリングを提供していますが、実際のところ、Waiting listが膨大な数になっており、かなりの待ち時間があります。
便利なヘルプライン
悩みを聞いてもらいたい時などに使える、フリーダイヤルをご紹介します。
- Lifeline :
- 0800 543 354 or free text 4357 (24時間)
- Samaritans :
- 0800 726 666 (24時間)
- Depression Helpline :
- 0800 111 757 or free text 4202 (24時間)
自分自身、または誰かの安全が脅かされた緊急事態(自殺未遂など)に対応する、ヘルプライン:
- Suicide Crisis Helpline :
- 0508 828 865
- DHB Mental Health Crisis Team (CATT Team) :
-
- 各DHBにそれぞれ連絡先があります。以下のリンクで確認できます。
- https://www.health.govt.nz/your-health/services-and-support/health-care-services/mental-health-services/crisis-assessment-teams
- 例えばオークランドだったら、以下の3つになります。
- 0800 800 717 (Auckland Central)
- 09 486 8900 (Waitemata – North Shore & West Auckland)
- 09 261 3700 (Counties Manukau – South Auckland)
医者に行くべきか分からない時など、看護師さんによるアドバイスや情報提供を受けられるサービス:
- Healthline :
- 0800 611 116
他にもいろんなヘルプラインがあります。ヘルプライン・リストを添付しましたから、ご活用ください。
「カウンセリングを受ける人は心の弱い人」のような偏見は、いまだに見受けられます。そのせいか、心が折れる直前まで一人で耐えて、ギリギリの状態で来られる方も多いです。そこまで我慢する必要ありません!「ちょっとしんどいな」と思ったら、いろんなサービスがあるので、ぜひ使ってみてくださいね。
一人で抱え込まなくていいのです。
人間は助け、助けられながら生きていくものだから (^_-)-☆
11月3日(土)好評につき「自分再発見! NZいるからこそ見える日本人の心」のセミナーを行います。
1:45pm-3:45pm、Epsom Community Centre Aucklandです。
詳しくは、seikoshirai.com/seminars をご覧ください。
- Seiko Shirai (Registered Psychotherapist)
- 2002年にニュージーランドに移住。
- 現在オークランド在住。
- サイコセラピーの素晴らしさを一般の人々に届け、より多くの方々が、喜びに満ちて生きる世界を作りたいと願い、活動中。
- 趣味はマインドフルネス、フレンチホルン、スパ。
- seikotherapies@gmail.com
- ameblo.jp/lookwithinyou (Japanese)
- seikoshirai.com (English)