海外で初めての大工仕事は、スキー場のビル建設。日本とはまったく違う、ニュージーランドスタイルの働き方を経験しました。
ニュージーランドのスキー場ビル建設の1日
スキー場がある山の上まで、はじめの頃は自分の車で通勤していましたが、途中からはふもとで集合し、乗り合いで向かうようになりました。移動時間も給料は出ました。
山の上だったので、もちろん冬は雪が積もっている中で働き、夏でも月に1度は雪が降っていました。夏でも冬でも、ニュージーランドの日差しはとても強く過酷です。(真冬で雪なのに、短パンで足をむき出しで働いているおっちゃんがいるのはニュージーランドあるある。)
休憩は1日に2回。午前中に30分(給料あり)、そしてランチタイム30分(給料なし)。弁当を持っていって、現場の電子レンジであたためて食べていましたが、とにかくスタッフが多いので電子レンジの順番待ちがかなり長かったです。山頂の現場には売店も何もないので、弁当を忘れると終わりです。
仕事の肩書きはハンマーハンドという大工のアシスタントでしたが、仕事内容はほぼ大工と同じでした。
日本は分業制なので、それぞれの仕事を専門の職人がやりますが、ニュージーランドでは大工がなんでもやることに驚きました。スキー場のビルは現場が大きかったのでコンクリート屋が来ていましたが、大工たちもみんな一緒に型枠(コンクリートを流すための型)からやりました。日本とは全然違います。
イギリス人の大工は、「俺は大工だからコンクリートの仕事はやらない。契約書にも書いてないし。」と言っていたのが印象的でした。違う会社の人だったので、実際にその後どうしていたかは分かりませんが、たぶんコンクリートの仕事は避けていたようです。
仕事のやり方の違いについては、また別の回で紹介します。
俺の派遣先となった工務店からは、スキー場の現場に数名の大工が来ていました。ところが、職長(現場リーダー)が二日酔いで無断欠勤をしまくっていたり、「寒すぎてやってられない」とすぐに辞めた大工がいたりと、ただの派遣スタッフである俺1人しか来ていない日も多く、かなりめちゃくちゃでした。
仕事の指示もなければ、2人以上いなければできない仕事ばかり。しょうがないので他の会社の大工に「何かできることはない?」と聞きながら働いていました。
派遣されたはずの工務店とは違う会社の大工たちとなぜか働き、勤怠表に必要なサインも、まったく関係のない別の会社の人からもらうという訳の分からない状態でした。
ゆるい働き方やなあ、とは思いましたが、おかげで他の会社の大工たちの働き方が見れたし、次の仕事につながる人脈もできたのでよかったです。
途中からは、派遣スタッフとしてではなく工務店から直接雇用され、その頃には二日酔いの職長のかわりにやって来た、別の大工たちと働きました。
そしてスキー場のビル建設が終わりかけの頃、毎日とても寒い中での労働が体力的にもしんどくなってきたので、いったん暖かい国へ行こうと休暇を取りました。
そこで仕事はいったん一区切り。休暇の後に、また仕事探しをすることとなります。次回のコラムでは、建築仕事の探し方を紹介する予定です。
コラムに掲載している内容は、すべて私、個人の経験にもとづく情報提供のみです。移民法も私が経験した当時とコラム執筆時点では大きく変わっています。私は移住をアドバイスする資格をもっていないので相談にも応じませんのでご了承ください。あくまで私の経験談です。
高卒から大工としてニュージーランド永住権を取得した関西人。オーストラリアでも建築現場を経験。ニュージーランドでは見習いから始め、大工の国家資格を取得。高級注文住宅を建てている。SNSやYouTubeで発信中
YouTube: https://www.youtube.com/channel/UC_te2SzmNdVr4FPGr6XomHw
Instagram: https://www.instagram.com/eigo_de_daiku/
Twitter: https://twitter.com/takiporcorosso1
質問箱: https://peing.net/en/takiporcorosso1
ブログ: https://nina-life.com/