損害保険に限らず保険という商品全般に言えることですが、保険料というものは保険金請求がどれぐらいの確率で発生し、その際に保険会社にどれぐらいの費用負担が発生するかに基づいているといえるでしょう。今のNZで言えば住宅保険がいい例です。保険業界は実質的にクライストチャーチでの新規の引受けを停止していますが、まだ地震再発の可能性があるという判断があるためです。
【自動車のフルカバーは車種・年式・住所・運転者がカギ】
自動車保険の場合、サードパーティーはぶつけてしまった相手の車や物しか補償しないため、自分の乗っている車がなんであれ保険料は均一です。しかし、相手の車や物だけでなく、自分の車も補償するフルカバー保険となると話は違ってきます。フルカバーの場合、車種・年式・住所・運転者が保険料のカギになります。
【車種・年式や住所はわかるけど】
車種・年式で値段が違うのはまずおわかりでしょう。新車のベンツと20年落ちの中古車とでは、価値がぜんぜん違います。住所というのも思い当たることでしょう。車の少ない地方と都会の違い以外にも、治安が良いとされるエリアとそうでないエリアでも保険料が異なってきます。
犯罪には盗難車が使われることが非常に多く、犯罪率の高い場所では自動車の盗難も多く、玉子が先か鶏が先かというわけです。「当てられた車が盗難車だった」「逃走する車に当てられた」という保険金請求もあります。
【運転者も重要?!】
保険においてメインドライバーが誰かは重要です。前にもコラムで取り上げましたが、①ドライバーを夫婦2人に限定する、②メインドライバーを50代以上の方にする、といった小技を使うだけで月々の保険料が数十ドル安くなるはずです(これも車種や年式によります)。50代以上の夫婦が乗る自家用車であれば一般的に走行距離も知れていて、無理な運転をする可能性も低いため、事故につながる確率が低いからです。
【さらに意外な要因】
さらにあまり知られていない要因として、「修理代」というのもあります。計算上は、「同じオーナーが同じ価格、同じ排気量の新車を同時に買ったのに保険料が違う!」ということが起きるわけです。修理をするときにNZではほとんど流通していない車の場合、本国やオーストラリアから部品を取り寄せることになります。しかし、日本車のようにたくさんの車が流通している場合、ほとんどの部品がここで調達でき、保険会社の費用負担が大きく軽減されます。こうした点も保険料には反映されているのです。
次回は住宅保険編をお届けします。
2005年5月に始めたコラムも早いもので10年となりました。コラム掲載の機会をいただいていることと読者の皆さんにお礼申し上げます。
「ニュージー大好き」さんのご都合でコラム掲載は次号をもってひとまず終了することになりました。今後は保険メルマガという形で情報発信していきますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。
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高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)
アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。
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