【質問1】：キウイセーバーの政府からもらえる金額が7月から半分になってしまい、いずれなくなりますよね？私は専業主婦なので会社からもらえる分がありません。自分の積み立てと最初のボーナスだけなら、キウイセーバーってやる意味ありますか。
 
【質問2】：キウイセーバーに入っている同僚のキーウィから、「加入したときにもらえる1,000ドルはそのうちなくなるから、早く入ってもらうだけもらってあとはホリデーを取ればいい」と言われました。入っても積み立てるつもりがないので、入る意味がないような気もしますが、1,000ドルはもらいたいです。どうしたらいいでしょう。
 
【回答】：「キウイセーバーってほんとうに意味がありますか？」という内容の質問はけっこうあるものです。「入っても入らなくてもいいんだったら、やらなくてもいいのかな。でも、もらえるものはもらいたい。」というのが多くの人の本音のようで、キーウィでも口座を開いて1,000ドルの積立開始報奨金（キックスタート）をもらって、後はホリデーと呼ばれる積み立て猶予期間（この期間中は積み立てをしないことが認められています）をとって放置しているケースがあります。
 
さて、キウイセーバーの特典をもう一度整理してみると、
１）1,000ドルの積立開始報奨金（キックスタート）
２）年間上限521ドルの国の拠出額（自分の積立額の50%。積立額が$1,043以上で満額）
（Tax creditと呼ばれていますが納税しているかどうかは無関係、18歳以上であれば仕事の有無に関係なく毎年もらえます）
３）勤め人であれば勤務先が拠出する、給与の2%相当分の積立額
（2013年4月以降は3%に引き上げ）
４）マイホーム購入時の特典（詳細はリンク先をご覧下さい）
第85回　キウイセーバー：マイホーム購入の近道
http://www.nzdaisuki.com/column_insurance/detail.php?issue=85
 
　両方の質問に共通して言えることですが、まずご自身が「老後のために積み立てをしたいか」をよく検討してみてください。キウイセーバーは一度始めたら積み立て続けることを念頭に置いているので、例えホリデーをとっても毎月プロバイダーに対して口座管理料（現在は平均約3ドル）を払わなければなりません。ほうっておけば1,000ドルのボーナスから引かれていくだけなので、「1,000ドルある」と思っても実際は少しずつ減っていきます。
 
　政府は１）で口座開設を奨励し、２）と３）で積み立てを続けることを奨励し、さらに続ける人には４）でマイホーム取得のサポートをするという、何段もの構えでこの制度の定着を目指しています。
 
【質問1】さんが心配するように国の拠出金がいつまで今の水準にあるかは予測がつきません。制度開始以来、今年の6月まで丸4年間は変更がなかったので、すでに半額になった金額が今後5年間継続すると想定して計算してみましょう。
 
職業：専業主婦（勤務先の積み立てがないケース）
毎週の積立額：10ドル
5年間の積立額の合計：4,900ドル（自分の積立額$2,600＋政府の拠出額$1,300＋キックスタート$1,000　運用益（損）、口座管理費、運用手数料、税引き前）
 
　週10ドルで5年間の積み立てですから自分の積立額は合計で2,600ドルです。その結果が4,900ドルになるのであれば、やってみる意味はあるように思いますがどうでしょう。むしろ、一刻も早く加入して今の特典を少しでも長く活かすべきではないでしょうか。
 
　さらに3年後、5年後にマイホーム購入の計画があれば積立てた金額と政府から支給される3,000ドル（3年後の場合）、5,000ドル（5年後の場合）と自分で積立てた分を頭金に使うことができ、ご主人もキウイセーバーに加入していれば、この金額を倍以上（ご主人の積立額次第）にできます。
 
　キウイセーバーの変更はこれまでの例を見ると、5月の予算案で発表されて7月の新財政年度から施行というケースがほとんどです。そのため、いつか加入時のボーナスが減額もしくは廃止になるとしても、発表から実施まで一定期間があるのではないかと思います。もしも【質問2】さんのように積み立ての意思がないのなら、減額・廃止の発表から実施までの期間に入ることも可能かと思いますが、これはあくまでも推測で絶対とは言えません。
 
　しばらくキウイセーバーの話が続いたので、今回でいったんおしまいにします。お付き合いありがとうございました。