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第160回  保険と永住権 

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NZの財政年度が7~6月のせいか、この仕事をしていて5~7月は「永住権が取れました」というご連絡をもらうことが、他の月より多いように感じます。自分の経験なので、実際のところはわかりませんが、そんな印象があります。
 
 ここで、永住権の取得を保険の面からみてみます。ワークビザとの一番の違いは一般的に、
(1)生命保険に加入できる(永住権の申請中でも加入可)
(2)医療保険に加入できる(2年以上連続でワークビザが出ている場合も可)
この2点が一番大きいと思います。
 
 生命保険に関しては永住権の申請中も加入できるので、お子さんが生まれたり、住宅ローンがあって少しでも早く加入しておきたいという場合は、申請中であることを証明すれば(移民局からの手紙の提出など)加入することができます。それでも「永住権が取れてから」という考え方もあるでしょうから、「高橋さん、永住権が取れましたー」というご連絡をもらうときは、生命保険に関してのことが多いです。
 
 医療保険はワークビザで加入している場合もかなりあると思いますが、ワークビザの期間が連続して通算2年未満の場合は加入できないので、永住権取得を機に加入するケースもあります。ワークでの滞在が通算2年未満の場合はACCがカバーする怪我以外、無料の公共医療サービスの対象になりません。医療保険は公共医療サービスが受けられる人を対象にしているので、同じ条件が課されるわけです。
 
 永住権を持つ人が結婚して配偶者が日本から来たような場合、配偶者にはすぐに永住権が出ないため、これもまた「高橋さん、永住権が取れましたー」というご連絡をもらうケースになります。
 
(注:学生ビザ、ワーキングホリデー・ビザ、ガーディアン・ビザ、観光ビザの人には長期滞在者向けに別の医療保険があり、海外旅行保険に準じた内容になります。今回のコラムの内容から外れるため、詳しくはお問い合わせください)
 
 保険ではありませんが、永住権が取れればキウイセーバーにも加入できます。勤め人であれば加入し次第、自分も給与の最低2%を積み立てますが、勤務先からも給与の2%がもらえ(2013年4月以降は各3%)、国からも毎年上限521ドルがもらえるので、65歳まで引き出せないものの、ちょっとした昇給気分になりませんか。これも永住権あっての話です。
 
 さらにスーパーアニュエーション(公的年金)、ワーキング・フォー・ファミリーズ(子ども手当て)、アコモデーション・サプリメント(住居費手当て)など、年金や多数の助成金(ベネフィット)の対象になります。対象となるのは永住権取得後一定期間を経てからのものがほとんどですが、対象になりそうなものがある場合はワーク・アンド・インカム(WINZ)で問い合わせれば、すぐにわかります。
 
各種助成金のリンク
http://www.workandincome.govt.nz/individuals/a-z-benefits/
 
 クライストチャーチ地震のときに実感された被災者の方もいるかと思いますが、永住権があればNZ人同様に、非常事態宣言が出て避難しなければならなくなったときの保障なども受けられます。
(注: EQCの補償は住宅保険に加入している住宅に対してのもので、所有者のビザの種類やNZに居住しているかどうかは問われません)
 
 NZには基礎控除や扶養控除に相当する各種控除がありません。とにかく所得があったら所得税、消費したら消費税を納め、対象になる場合はあとからベネフィットとして受け取る仕組みになっています。
 
 なにはともあれ、「永住権が取れましたー」というご連絡はいつもらっても、いいものです。申請中の方、ご連絡お待ちしています。

 

高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)

アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。

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