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第313回 キウイセーバー、加入時のボーナス支給制度廃止

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キウイセーバー、加入時のボーナス支給制度廃止

先週21日に7月から始まる新年度予算案が発表され、その中で今まで個人年金キウイセーバーの口座開設時にもらえた、1,000ドルのボーナス(積立開始報奨金)廃止が盛り込まれました。
NZでは珍しいことですが、制度は発表時の5月21日午後2時をもって即時廃止となりました。この措置はボーナス目当ての駆け込み加入の防止のためだと思われます。

【今や加入者250万人】
今やキウイセーバーの加入者は250万人。人口450万人の国の任意の個人年金としては非常に高い加入率といえ、2007年の制度開始以来の手厚い支援が十分に効果をあげているといえるでしょう。逆に言えば、キウイセーバーの普及のために、ボーナスとして今まで25億ドルもの巨額の税金が使われたともいえます。

【今後の加入の注意点】
今後の新規加入で注意していただきたいのは、ボーナスの1,000ドルがないので口座の残金がゼロでスタートするため、積み立てを始めるかどうかにかかわらず、最初からプロバイダーの口座管理料が自己負担になる点です。
今まではとりあえず加入しておき積み立てを始めなくても、口座管理料がボーナスから引かれていたので1,000ドルを使い切るまで口座管理料を自己負担する必要がありませんでした。しかし、これからは違います。

【本気で積み立てる人のための年金へ】
これまでのキウイセーバーは、「銀行の窓口で1,000ドルもらえると聞いて、家族全員分の口座を開いた」という話をよく耳にしましたが、これからのキウイセーバーは、『本気で積み立てる人のための年金』だと思ったほうがいいでしょう。
積み立てを始めれば、金利などの運用益が口座管理料以上になる可能性が高いですが、放っておけば口座管理料が持ち出しになるだけです。一度加入したら加入を取り消すことができないので、積み立てをしない子供の分まで口座管理料の負担が発生します。

【積み立てる人には手厚い支援】
本気で積み立てる人には今後も国からの手厚い支援が続きます。前々回お話したキウイセーバーの裏ワザどおり、18歳以上の加入者が年間1,043ドル(週20ドル相当)以上を積み立てていれば、国からのタックス・クレジットの満額521ドルを毎年もらうことができます。
1,043ドルの積み立てが、1,564ドルになるのですから、銀行預金でいえば50%の金利です。老後のための貯金としては、この利回りにかなうものはありません。

裏ワザはまだ間に合うので、もう一度詳しく知りたいという人はリンクをご参照下さい。
第311回 毎年恒例!この時期限定のキウイセーバーの裏ワザ

【キウイセーバーはマイホーム取得の最短手段!】
 さらにキウイセーバーはマイホーム取得の最短手段ともいえます。夫婦とも最低賃金で働いていても、キウイセーバーがあれば5年間で4万ドル近く貯めることも夢ではありません。この辺については長くなるのでまた別の機会にお話しましょう。
まずは、加入していたらぜひ積み立てを!未加入の場合でも「将来はNZで」とお考えの永住者の場合は、ボーナスがなくなってもぜひ早めに加入して国からの支援をがっちりもらいましょう!

高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)

アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。

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