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第161回  住宅購入と保険 

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ここのところお客様から、「家を買おうか検討中」とか「家を買いました」という話をよく聞きます。頭金に日本の貯金を使う人にはありがたい円高ではないでしょうか。家の購入は人生で何回あるかわからない大きな買い物ですから、検討中の方はとことん納得のいく物件を目指してがんばって下さい。
 
 さて、家の購入には保険がつきものになります。まず必要となるのが住宅保険です。クライストチャーチ地震を見てもわかるように、NZでは地震など自然災害が原因の住宅への補償は、政府機関EQC(地震委員会)と民間の保険会社が共同で行う仕組みになっています。
 
 ここでも何度か取り上げてきたように、保険に入っていない住宅は国からの補償を受けられないのでご注意下さい。EQCと保険会社の具体的な役割分担についてはリンク先をご参考ください。
第127回 保険と地震
http://www.nzdaisuki.com/column_insurance/detail.php?issue=127
 
 もちろん、火災の場合も住宅保険でカバーします。家が全焼しても住宅ローンは残ってしまうので保険がなかったら、住むところはなくなるわローンの返済は続くわで、大変なことになります。そのため何が起きても心強くいられるよう、住宅保険は必須となります。
第56回 火災も自然災害も補償する住宅保険
http://www.nzdaisuki.com/column_insurance/detail.php?issue=56
 
 さらにローンを組む場合ほぼ必須となるのが、生命保険です。夫婦共働きの場合でも片方に何かあった場合、もう1人が問題なく返済を続けられるケースは少ないでしょう。最悪のケースとして、一家の働き手を失ってしまった場合、すぐにローンの返済が問題になってきます。残された家族がNZに残るにしても帰国するにしても、当座の生活費も必要でしょう。
 
 住宅保険、生命保険ともに、ローンを組む銀行がその銀行経由で加入することを勧めてきます。中にはローン手続きの一環のように他の書類に混じって保険加入用紙が用意されていることもありますが、必ずしも銀行で加入する必要はありません。
 
 住宅保険はすでに加入している自動車保険や家財保険と同じ保険会社にすれば、通常は全ての損害保険でディスカウントが受けられます。住宅保険を銀行経由で申し込んでしまうと、住宅保険ばかりか他の損害保険で受けられたはずの割引きが受けられなくなる可能性があります。
 
 銀行は生命保険の加入も勧めてきます。しかし、ローンと生命保険をセットにすると、将来的により有利なローン条件を提示する他の銀行に乗り換えたとき、そこで保険に入り直すように勧められることがよくあります。最長30年におよぶローン期間には銀行の力関係や金利は大きく変わります。ローンを他の銀行に移して返済額を下げる方法はよくあることです。
 
 ローンと保険を一緒にして銀行を乗り換えた場合、その間に健康状態が変わっていると、詳細な検査が必要になったり、生命保険加入に条件がついたり、場合によっては加入そのものを拒否されることもあります。そのため生命保険は銀行と切り離し、ローン残高や家族構成に合わせて保険金や加入期間をよく検討した上で加入し、一定期間後には必ず内容を見直し、堅実に万が一に備えることをお勧めします。
 
 ローンの開始直後は残高も大きいため、保険料が割安な掛け捨て型がお勧めですが、ローン残高が減ってきたら、日本人に人気のある保険期間の長い、保険料据え置き型を検討するのもよいでしょう。詳細はリンクをご参考下さい。
第117回 日本人に人気の生命保険-生命保険編
http://www.nzdaisuki.com/column_insurance/detail.php?issue=117

 

高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)

アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。

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