【質問その1:リストラされたら】
さて突然ですが、質問です。
「リストラにあって突然仕事がなくなったら、貯金でどれぐらい生活できますか?」
これは先日行った、ある保険セミナーで実際に聞かれた質問です。ということは一般的なキーウィ世帯を想定した話ということになります。1ヶ月?3ヵ月?半年?
【ヒント:○週間】
実際の質問はHow many weeksだったので、答えは「○ヵ月」ではなく「○週間」です。平均なので細かくなってしまうとか?3週間とか7週間とか?はっきりしているのは、「そんなに長くない」ということです。半年をわざわざ24週間とは言わないし、12週間なら3ヵ月言えばいいでしょう。
【答えは。。。。】
2週間です!
どうですか?当たりましたか?びっくりしたかそんなもんかと思ったか、感想はいろいろでしょう。2週間ということは、ほぼ貯金ゼロといえます。たまたま財布や銀行口座に残っていた金額、ぐらいの感覚です。リストラされて翌週の家賃を払ったらもうその次は払えない、月1回請求されるクレジットカードや電気代だったら、次の請求書から払えないということで、これが平均的なキーウィのリアルライフです。
【自分だったら?】
コラムの読者の日本人の皆さんだったらどうでしょう。やはり2週間でしょうか?生命保険や特定疾病保険、住宅ローン保険、キウイセーバーなどのご加入では、皆さんの収入、不動産や金融資産の有無を詳しくお聞きする立場にありますが、貯金ゼロという日本人は珍しいと思います。NZにはなくても、日本にあるという人もいます。
【質問その2:医療保険の加入者は?】
ではここで、もう一つ質問です。NZの医療保険の加入者は増えているでしょうか、減っているでしょうか?答えは「減っている」です。一番の理由は2008、9年のリセッションで失業したり、収入が減ったりして保険料を負担できずに解約した人が増えたからです。会社が倒産して、加入していた団体保険がなくなった人も大勢います。2009年末で139万人だった加入者は、2012年末で134万人になりました。この間に人口は増えているので、加入率は見た目の数字よりももっと減っています。
【増え続ける日本人加入者】
しかし、私の経験から言えば日本人の医療保険加入者は増え続けています。日本人でもリセッションで、失業や減収、勤務先の経営悪化などを経験した人もいるはずですが、加入者は増えています。これはほとんどの日本人に貯金があり、急に環境が変わっても
「来月から電気代が払えない!」
という状況に陥る人が少ないことが理由の一つではないかと思います。
【保険で見る限り、日本人はやりくり上手】
さらに、「無料、無料」と言われてもいざとなったら、長い順番待ちになる可能性が高いNZの公共医療制度の実態をしっかり理解している人が多いのも、理由の一つです。NZの制度は日本の健康保険制度のように、自己負担さえ払えば治療が受けられるというものではありません。自己負担がない分、いつ治療が受けられるのか、患者に選択肢はありません。その辺をよく理解した上で、景気に左右されることなく加入を続け、新規に加入されるのでしょう。保険で見る限り、日本人はやりくり上手だと思います。
高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)
アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。
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