【住宅保険が本日から新しい計算方法に】
　これまでもお話してきた住宅保険の抜本的な見直しで、私がお取扱している損害保険会社では本日（29日）から保険料の新しい計算方法がスタートします。（スタート時期は保険会社によって異なります）　繰り返しになりますが、これはクライストチャーチ地震を経て、損害保険業界を挙げてNZの地震リスクを見直した結果です。基本的にはどの保険会社も同じ項目を基に保険料を算出します。（各社の経営方針が違うので保険料まで均一になるわけではありません）
 
　では、なにがどう変わるのでしょう？これもコラムをお読みの皆さんはご存知と思いますが、非常に重要なことなので再度お話しておきます。
 
• トータル・リプレイスメントの廃止：今までの住宅保険はトータル・リプレイスメントと呼ばれる完全な現状復帰を補償し、保険の対象であれば、半壊だろうが全壊だろうが、費用がいくらかかろうが、「元の状態に戻すこと」を補償してきましたが、この制度がなくなります。
 
• 今後は補償上限額までを補償：今日からは保険加入時（もしくは現在の保険の更新時）に加入者自身が設定する保険金額（Sum Insured）、つまり補償上限額までを補償します。保険料を抑えるためにこの上限額を低めに設定すると、今後はいざというときに保険金だけでは家を建て替えられなくなるのでご注意下さい。
 
【どうやって計算するの？】
　補償上限額をどうやって計算するのか、一部の例を挙げてみましょう。非常に細かいですが、一つ一つ丁寧に答えていかないと正確な補償上限額が出ず、必要なときに必要な金額の保険金を受け取ることができなくなります。
 
• 郵便番号
• 建築年（1840-1879年/1880-1919年/1920-1939年/1940-1969年/1970年以降の建売住宅、1970年以降の注文住宅）
• 家の品質（平均・高級・最高級の3段階）
• 立地の傾斜（平坦もしくはやや傾斜あり/角度15度以上/角度35度以上）
• 何階建てか（1階建て/2階建て/3階建て）
• 家の床面積（○平米）
• 壁の材料（10種類から選択）
• 天井の高さ（5種類から選択）
• 屋根の材料（6種類から選択）
• バスルームの数とそれぞれの大きさ
• 独立したトイレの数
• バルコニーやデッキ/ガレージ/カーポート/ドライブウェイの有無とそれぞれの大きさ
などなど質問はまだ続きます。
 
【推定建て替え費用を算出】
　上のような質問に答えていくと、最終的にBuilding replacement estimate（推定建て替え費用）が自動的に算出されます。例えば推定建て替え費用が30万ドルになったとします。
「でもうちは和式のお風呂にしていて工事に○○ドルかかった」
「4万ドルかけてキッチンを直したばかり」
など、質問項目以外で費用をかけていて、いざ建て替えとなった場合、同じ状況に戻したいとなったら、加入者が推定建て替え費用を上乗せして、最終的な補償上限額を設定していく必要があります。そのため、自動的に算出された推定建て替え費用＝補償上限額とは限りません。この点、くれぐれもご注意を。
 
【まずは専用計算機で試算してみましょう】
　読んでいるだけではなかなか理解できないほど細かいので、ぜひ専用計算機を使って、実際に自宅の推定建て替え費用を算出してみて下さい。
計算機のリンク
http://homebuilding.cordell.co.nz/index.php?c=introduction&profile=40&restart=1
（注）上記のリンクで算出された推定建て替え費用にはGSTは含まれていません。
 
　どこの損害保険会社のサイトにも似たような計算機が掲載されていますが、各社が共同で製作したソフトなので、どこのサイトで計算しても同じ推定建て替え費用になると思います。（但し、推定建て替え費用にGSTを含むか含まないかは保険会社によって異なります）
ここから先の保険料は各社次第です。
 
　計算機の使い方がよくわからない、質問の内容がわからない、質問の内容はわかっても自分の家がどれなのかわからない、推定建て替え費用はわかったけれど、次回の更新時に保険料がどれぐらい値上がりするのか知っておきたいなど、さらにご質問があればお気軽にお問い合わせ下さい。