【どうして保険が使えないんですか?】
「どうして保険が使えないんですか?」
たまにですが、こういう質問を受けます。その答えの99%は
「保険の対象になっていないからです」
もっと正確に言えば、そういう事案を対象にするような保険に入っていないからです。別の種類の保険に入っていたら保障や補償の対象になり、保険が使えたかもしれません。
【どうして自分の車の修理ができないんですか?】
一番わかりやすい例が、交通事故を起こしてしまった人が自動車保険を使うときでしょう。まずぶつけてしまった相手の車の修理、そして自分の車の修理となったときに、
「ご自分の車は補償の対象外で、保険が使えません。」
「どうして保険が使えないんですか?」
「サードパーティー保険だからです。サードパーティーはぶつけて壊してしまった車や物の修理を補償する保険で、ご加入者の車は対象になりません。」
【保険料は契約内容次第】
「えー!ぜんぜん保険がおりないんですか?少しぐらい対象になりませんか?なんとかしてもらえませんか?」
答えはもちろん「ノー」です。サードパーティー保険に入っていて、自分の車までカバーされるなら、自分の車も補償されるフルカバー保険は要らなくなります。何倍もの保険料を払ってフルカバーに入っている加入者はどうなるでしょう?保険は契約内容に基づいて保険料が決まっているので、後から交渉してどうかなるものではありません。
【医療保険の場合はもっと深刻】
これが医療保険だと話はもっと深刻です。このコラムでも医療保険にはガン治療をカバーするものとしないもの、中には心臓、肝臓、腎臓などの内臓疾患や脳疾患など、いわゆる病気と呼ばれるもののほとんどをカバーしない医療保険があることをご紹介しています。この保険でカバーされるのは盲腸、痔、口、鼻、耳、かかと、肘などです。
第280回 保険料が安い医療保険にご注意
第299回 乳ガンと医療保険
【保険料が毎月20ドル前後の医療保険】
こういう医療保険は保険料の安さが売りです。月々十数ドル~20ドルという保険料につられて加入し、補償内容を理解していない加入者がほとんどです。内臓や脳と比べて命にかかわる問題が起きにくい盲腸、痔、口、鼻、耳、かかと、肘の保障に毎月20ドル近く払っているとなったら、決して安いとは思えません。もしも加入している医療保険の保険料が毎月20ドル前後であったら、保障内容をぜひ一度ご確認されることをお勧めします。
【医療保険はフルカバーで】
こうした安さが売りの医療保険に入っていて、いざガンなど大病になったときに、
「どうして保険が使えないんですか?少しぐらい対象になりませんか?なんとかしてもらえませんか?」
となっても、どうにもなりません。自動車保険なら事故を機にフルカバーに切り替えることもできますが、医療保険は一度発症してしまった病気や症状は既往症とみなされ、新しく入り直した保険ではカバーされません。医療保険こそ、ぜひフルカバーで!。
高橋靖宏【たかはし・やすひろ】
Financial Adviser (FSP68982)
アクセレレイト・コンサルティング社所属。海外進出企業の医療及びセキュリティ・リスク・マネジメントのスペシャリストとして、海外で長らくアシスタンス会社に勤務。NZで初の日本人公認ファイナンシャル・アドバイザーとして、生命保険、医療保険、損害保険など各種保険商品とキウイセーバーを日本語でご提供しています。
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